取材・文 佐々木 千恵美  


松屋銀座のバレンタインフェアの概要が発表されました。8階のイベントスクエアにて1月31日〜2月14日まで「GINZA バレンタイン アベニュー」が開催されます。

コンセプトテーマは「自分用も本命も友チョコも…女性がとことん楽しむバレンタイン!」

日本でバレンタインデーに女性から好きな男性にチョコレートを贈るイベントが仕掛けられて半世紀、本命、義理チョコ、友チョコといった習慣まで広がりました。そしてここ数年で、チョコレートはツールではなく、チョコレートそのものが主役になり、人をあれこれ楽しませるアイテムになりました。

世界のおいしいチョコレートが一年で一番集まるバレンタイン、あげるだけでなく自分も楽しんじゃおう、仲間とシェアしちゃおう。そんなわくわくがいっぱいの会場となるそうですよ。


登場するブランドは昨年より増えて約105。松屋銀座限定は18ブランド約25種類と豊富。ゴージャスな海外ブランドもカカオの味勝負の実力派も、思わずSNSにあげたくなるフォトジェニックなチョコレートも、何だか聞いてみたいトークショーも盛りだくさん。

その中からいくつか紹介したいと思います。

今回の松屋銀座一押しは日本初上陸の「マチュー・ビジュー」。オーナーシェフのマチュー・ビジュー氏は、世界的菓子職人を多く輩出しているフランス・アルザス地方の出身。フランスデザート選手権のファイナリストに最年少で選出され、ミッシェル・ロスタン、タイユヴァンなど星付きレストランのシェフパティシエを務めた実力派。フランス・パリ郊外ランシーに2013年オープンした現地でも話題のお店です。

「3年前に彼に出会ってから、日本に紹介できるよう準備をしてきました。」と松屋銀座・食品部・洋菓子担当バイヤーの鈴木章浩さん。ビジュー氏のチョコレートのどんなところに惚れ込んだのでしょうか?


洋菓子担当バイヤーの鈴木章浩氏とマチュー・ビジュー氏。


プレス発表会のために来日したビジュー氏本人から、自分のチョコレートに対するクリエーションを語っていただきました。

「私のボンボンショコラには、表面に転写されたロゴの中に文字が入っています。それはフレーバーのイメージを町や言葉のイメージで表した商品名。ショコラを食べて世界をまわる気分になるように作りました。仲間と一緒に味わって、イメージをシェアできるようにとネーミングしました。」

当日朝に日本に到着したばかりというマチュー・ビジュー(Matthieu Bijou)氏。宝石(Bijou)というお名前からしてきら星のようなショコラティエ。


そこで用意された5種類のボンボンを、ビジュー氏の解説を聞きながら試食しました。

左上からRaïatea(ライアティア)Jersey(ジェルジー)、
左下からVancouver(ヴァンクゥヴェー)Mistral(ミストラル)Népal(ネパール)。


Raïatea(ライアティア)は、タヒチのライアティア島のアラン・アベル氏栽培の太くて立派なバニラを使ったビターガナッシュ入り。ドライフルーツやキャラメルのようなニュアンスもある甘い香りが口いっぱいに広がります。

Jersey(ジェルジー)は、ジャージー乳で有名なジャージー島をイメージした、塩バターキャラメルガナッシュ。ブルターニュのゲランド塩やボルディエバターを贅沢に使ったフランスならではのテイスト。

Vancouver(ヴァンクゥヴェー)は、オリンピックが開催されたカナダの都市。フランス・ペリゴール地方産蕎麦花のはちみつ入りガナッシュと杏のコンフィの2層仕立て。それで何故カナダを?と思ったら、実は、カナダは蕎麦はちみつで有名なんだそうです。それで、このネーミングになったのですね。

Mistral(ミストラル)は、アニスのミルクガナッシュとさくらんぼのコンフィ入り。名前の由来は、マルセイユといえば、ミストラルとパスティス。そして、パスティスはスターアニスなどで作られているから。南仏に冬から春に吹き抜ける強風ミストラル。心身の寒さを和らげてくれるのは、こんなショコラなのかもしれません。

Népal(ネパール)は、ネパール産のティムット胡椒とオレンジピールのガナッシュ。グレープフルーツのような爽やかさが広がるティムット胡椒の現物を見せていただくと、まあ日本の山椒にそっくり。味見してみたら舌がピリピリ〜刺激まで共通です。でもご安心を。ガナッシュでは痺れませんので。

素材も味わってほしいと用意されたNépalに使われたガナッシュとティムット胡椒、オレンジピール。


料理人と同じく自分でクリエイトして人を喜ばせることができるからと、12歳の時にパティシエになろうと決意したビジュー氏はレストラン出身のパティシエ、ショコラティエ。だから「ショコラも料理のように調理する。」といいます。


スパイスをきかせた「レ・ゼピス・ドゥ・ビジュー」、フルーツをマリアージュさせた「レ・フリュイ・ドゥ・ビジュー」など詰め合わせは4個入り、9個入り、16個入り等が予定されている。

実際いただいてみると、料理のようにソースを添えたり、スパイスで引き立てたり、イメージが縦にも横にも広がります。ショコラもフレーバーに合わせ、8種類を使い分けているそうです。
そんなビジュー氏のエスプリが詰まったボンボンショコラ「レ・ゼピス・ドゥ・ビジュー」「レ・フリュイ・ドゥ・ビジュー」と、スナッキングもできるようトッピングも工夫されたタブレット・グルマンド3種とシングルカカオのタブレット・サン・ドマング。このチャンスにぜひ手に入れてください。


次に面白そうなのが、和素材を使ったチョコレート。今さら和素材?と言うなかれ。抹茶やゆずだけではありません。今世界的にトレンドとなっている発酵食品を含む意外な和素材を使ったチョコレートが多数登場します。みりんや豆腐、日本酒、梅酒、焼酎、酒粕、麹、求肥、そして野菜の九条ネギまでショコラに! これなら外国のお友達にも日本の素材を楽しく紹介できるかも。フォトジェニックに工夫されたビジュアルも見逃せません。

ローラン&京子デュシェーヌ「ショコラアソート西陣スペシャルパッケージParis」には、三州三河みりんを使ったショコラが、ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ「ボンボンショコラ」には九条ネギのエキスだけをクリームに閉じ込めた一粒が。

彩雲堂「まちねこ」。猫を表面に浮かばせたチョコレート、白あん、寒天で作った、島根の老舗による羊羹。2月7日より販売。

薄氷本舗 五郎丸屋「プーク」。伝統菓子のゆべしを16代目がアレンジ。
富山県産もち粉と、コーヒーとナッツ・ゆず・ブルーベリーをキャンディ包みに。2月7日より販売。


また本格的なカカオ豆の風味を味わいたいタブレット派、ビーン・ドゥー・バー派にも、国内外多数のブランドが揃います。
カカオのことが知りたい、作り手の哲学を聞きたい、そんなチョコレートラヴァーに向けたうれしいイベントがあります。カカオ産地であるコロンビアやペルーの大使館、日本ではじめて本格的なビーン・ドゥー・バーを始めた「パレドオール」三枝俊介氏をはじめ、日本を代表するショコラティエのトークショーが実施されるので、気になる方はスケジュールチェックを忘れずに。

主なタブレット、ビーン・ドゥー・バーブランドは、「カカオハンター」「ショコル」「ミニマル」「マルゥ」「ボナ」「ヴェイス」「ショコラ マニュファクチュール」「ショコラティエ パレドオール」「アケッソンズ」「ショコラトリー モラン」「フリスホルム」「パカリ」「グーディオ」などなど多数登場。


学びもいいけど、あそびも大事。なんと松屋銀座にチョコ部屋出現!!
一面チョコレートに模した壁、床で、ほっと一息いれてついでに撮影、そのままSNSにあげちゃいましょう。イートインスペースとして利用するもよし、チョコレートで出来た指輪やオブジェの展示に驚いたり、チョコ部屋利用の仕方はあなた次第!? 話題のARアプリ「COCOAR(ココアル)」を使えば、スマホで気軽にシェアできるバレンタインカードが作れます。

質感も凝ったという「チョコ部屋」の全貌が気になる!


毎年お馴染みのソフトクリームの他に、今年はパリで人気のローラン&京子デュシェーヌの焼きたてフォンダンショコラがその場で食べられるイートインメニューにも注目です。

今年はぜひ松屋銀座でバレンタインをとことん楽しんでください。


松屋銀座バレンタインフェア
 会期:2018年1月31日〜2月14日。
 会場:8階イベントスクエア「GINZA バレンタイン アベニュー」

詳しくは公式サイトを参照ください。
 http://www.matsuya.com/m_ginza/sp/20180131_valentine_e.html




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