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コーヒーの日である10月1日にちなんで、都内Kai Houseにて、新しいコーヒーミルの発表会がありました。刃物からスタートし、おしゃれで使い勝手の良いキッチン用品の数々を生み出してきた貝印と、世界中の優れたコーヒー豆を発掘し、その美味しさを追求するコーヒーハンター川島良彰さんが共同開発。「コーヒー豆のおいしさを最大限に引き出し、自宅で最高のコーヒーを楽しんでほしい」という川島さんの思いが形になった、今までにないコーヒーミル、その名も「The Coffee Mill(ザ コーヒーミル)」が、10月20日(月)販売開始となります。

The Coffee Millを共同開発したコーヒーハンター川島さん(左)と、貝印株式会社の上保大輔さん(右)


一体どこが‘今までにない’のでしょうか? 貝印株式会社の上保大輔さんから説明がありました。コーヒーミルは、上下ふたつの挽き臼の上部分を回し、間に入った豆をすり潰す仕組みになっているのですが、従来の家庭用のコーヒーミルの構造では、片方だけを固定するタイプが多く、そのため回転の際に多少のぐらつきが起こります。すると、コーヒー豆を均一の大きさに挽きにくく、微粉も多く出てしまいます。川島さん曰く、この微粉が雑味の元になり、コーヒーの味わいに影響を与えるのだそう。そこで、この微粉を減らし、挽いた後の豆の粒を均一にするため、業界初の新技術「フィックスグラインド機構」を開発。上下に分かれた一方だけだった挽き臼の両側固定により、ブレなく、挽いた豆の粒が均等になり微粉が出にくい構造ができたのだそうです。

断面モデルでコーヒーミルの構造をわかりやすく説明。

The Coffee Millと一般のミルの断面。


話しだけではわかりません。試しに他社の手動、電動を合わせて4種類のコーヒーミルで、挽きの粗さメモリを同じ位に設定し、一斉に挽いてみたところ、明らかに見た目で違いがわかりました。私もコーヒーは毎日挽いてから飲みますが、微粉や粒の均一度まで気にしたことはなかったので、これは発見でした。

同じ豆をそれぞれのミルで挽いて状態を並べてみました。


そして川島さんのブランド、Mi Cafeto(ミカフェート)のシャンパンボトル入りコーヒー豆‘グランクリュ’コロンビア・ベジャビスタ農園を、「The Coffee Mill(ザ コーヒーミル)」で挽いてドリップで入れ試飲。これが実に透明感があり、柑橘系の爽やかなアロマが心地よく甘い!

Mi Cafeto(ミカフェート)のコーヒー豆‘グランクリュ’は、焙煎後の豆から従来のガスを抜く(アロマも一緒に逃してしまう)方法ではなく、アロマを封じ込めるため、ガスに耐えられるシャンパンボトルに入れ加圧包装しています。キャップを開けると、ボトル内で発生したガスが、シャンパンのときのように、ポンっ!と弾む音をたてます。

試飲タイムには、参加者も実際にThe Coffee Millで挽いてみました。電動ミルも多く出回っている中、あえて手動のミルを開発したのは、コーヒーを淹れることにこだわりを持つミドルからシニア層に向けたからだそう。手にしっくり、落ち着きのあるデザインを見て納得です。


美味しいコーヒーを飲んで、川島さんが目指すものが伝わってきました。実は試飲の前に、コーヒー豆の産地事情と、消費国の動向などから、今後のコーヒーのあり方を探っていくというミニレクチャーがあったのです。最近よく耳にする‘サードウェーブ’という言葉。第3の波の前には、第1、第2があるわけで、アメリカでのファーストウェーブは1980年代前半のスペシャリティコーヒー協会設立、セカンドウェーブは1990年代に出現したシアトル系エスプレッソコーヒーのブーム、サードウェーブは、エスプレッソに飽き足りない人たちが西海岸で巻き起こしたドリップやサイフォンといった抽出方法にこだわったコーヒーの出現という流れです。対して日本での3つのウェーブは、(1) 1950年の輸入再開と60年の輸入自由化→(2) 1970年代のネルドリップ主流のコーヒー専門店出現→(3) 1990年代、大手独占だった生豆が緩和され自家焙煎ブームが起き、続いてスターバックス上陸で本格コーヒーが日常化。そして現在、挽きたて淹れたてコーヒーはコンビニにまで登場、瞬く間に裾野が広がりました。こうした流れの中で増えていくこだわりの家飲み派に向けて、欠けていた商品が、豆の持つ美味しさを最大限に引き出す家庭用ミルだったのです。

川島さんによるコーヒーのミニレクチャー。川島さんは以前からKai Houseでコーヒーセミナーを開催しており、短い時間でもとてもわかりやすく、興味深いお話しが聞けました。


川島さんには、コーヒー豆産地でのサステイナブルな生産を応援すると同時に、生産者が丹精込めて育て作った高品質の豆の存在を、日本の消費者に伝えたいという思いがあります。The Coffee Mill共同開発は、そのライフワークを実現するひとつの形。

The Coffee Millプレミアムシリーズは2つのカラー。蒔絵(左)とピアノブラック(右)。

漆職人の技法による鮮やかな色彩や、ピアノブラックの品格ある質感は、ひとつひとつ漆職人による手作業によるもの。手にしっくり馴染むフォルムのThe Coffee Millで、新鮮な豆挽き、ゆったりとした気持ちで淹れるコーヒーは、きっと一日の始まり、あるいはブレイクタイムを心豊かなものにしてくれることでしょう。

◆The Coffee Mill
発売日:2014年10月20日(月)
販売価格:プレミアムシリーズ カラー(蒔絵、ピアノブラック) 10,000円(税別)
*来年3月には手頃な価格帯のスタンダードシリーズも登場予定。
販売場所:貝印ECサイト、全国のミカフェート(詳しくは各社サイトをご覧ください)

◆貝印株式会社の公式サイト
 http://www.kai-group.com/

◆ミカフェートの公式サイト
 http://www.mi-cafeto.com/





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