取材・文 佐々木 千恵美  


東京駅前、八重洲周辺の再開発が進んでいます。オフィス、商業施設はもちろん、ホテルやバスターミナル、小学校まで備えた、様々な価値を生み出す新たなランドマークとして、2023年3月10日にグランドオープンした東京ミッドタウン八重洲。
日本の陸の玄関口である東京駅の地下街からも直結し、世界中のヒト・モノ・コトが集まる場所に、「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド 〜日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街〜」をコンセプトに「東京ミッドタウン八重洲」を通して、“JAPAN VALUEを世界に発信しつづける街” づくりを目指す、地上45階、地下4階、延床面積約290,000u(八重洲セントラルタワー・八重洲セントラルスクエアの2棟合計)の、大規模ミクストユース型施設です。

東京ミッドタウン八重洲の外観。


そのなかで、B1Fから3Fの商業ゾーンには、57のブランド・飲食店が集結。「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド」と題し、日本の未来のモノづくりとジャパンブランドの価値をここから世界に向けて発信していく場になっています。インバウンドでなくても、日本もののこだわり、最先端を改めて知ることができるのも魅力ですね。

ここからは内覧会で見てきたスイーツやパンに関係するお店をピックアップして紹介しましょう。
「ジャパン・ラグジュアリー」をテーマにした1階には、日本のクラフトマンシップを集結し「現代の日本発ラグジュアリー」を提案したお店が並びます。その中で1店、アトリウム入り口目の前に堂々と構えるのがEN VEDETTE LUXE。


EN VEDETTE LUXE(アンヴデット・リュクス) 

清澄白河の人気パティスリー「EN VEDETTE(アンヴデット)」の新業態で、イートインできるカフェを併設したEN VEDETTE LUXEは、ここだけの贅沢なパフェが堪能できるほか、生菓子も本店とは違うラインナップを展開。奥の厨房で焼きあがるスコーンやカヌレ、フィナンシェといった焼き菓子も揃えています。
オーナーの森大祐シェフと、ショコラティエでもある柏原貴子シェフ、二人のパティシエがタッグを組み、食材、空間、パッケージにいたるまで、すべてに上質を追求したLuxeなカフェ・スイーツ店です。


冷蔵ケースを華やかに彩るアントルメ。

1〜2人でいただくのにちょうどいいインディビデュアルのガトーたち。

イートインのパフェメニュー。今はパフェフレーズとパフェタタンを展開。

冷たくなっても、何もつけなくてもおいしく食べられるようにと完成された焼き立てスコーン。プレーンとメープルがある。

コーヒー、紅茶などドリンクの他、ジェラートやクレープもテイクアウトできる。


本店でもおなじみのブック型ギフトボックスが用意されたリーヴルクーヘン。お土産に最適な焼き菓子やショコラも並ぶ。

 EN VEDETTE LUXE 公式サイト:https://envedette-luxe.jp/



入り口を一旦出た向かいの別棟には、都内の人気ベーカリー「POINT ET LIGNE」が、ベーカリーレストランをオープン。契約農家の有機小麦を自家製粉し、オールスクラッチ製法にこだわり、店内石窯で焼き上げられたパンと薪火料理が楽しめます。
POINT ET LIGNE 公式サイト:https://www.point-et-ligne.com/

2階は新しいメイド・イン・ジャパンを提案するフロア。スポーツ・食・アートなど多様な情報に触れながら体験もでき、好奇心をくすぐるゾーン。中心のヤエスパブリックには11の店舗が集結。待ち時間やお買い物の合間に、テーブルやシッティングスペースを配した自由に楽しめる休憩スペースで過ごすことができます。フードコートでも横丁でもないこういうスペース、ありそうであまりなかったですよね。1階の「EN VEDETTE LUXE」で買ったお菓子をここで食べるのもありです。
ポップアップでの出店スペースもあり、東京の新しい風を感じることもできそう。

こちらでは、ポップアップ店を含めた2店を紹介します。


Blue Tokai Coffee(ブルートーカイ コーヒー) 

クジャクのロゴが目印の「ブルートーカイ コーヒー」は、インド発のスペシャルティコーヒーブランド。
インドは紅茶の国と思われていますが、実はコーヒーの栽培も盛んで、クオリティの高い豆はほとんどヨーロッパに輸出されているため、ちょっと前までインド国内ではコーヒーがあまり飲まれていなかったそうです。アメリカ留学中にそのことに気づいた創業者のマット・チタランジャン氏は、自国の質の高いコーヒー豆をもっとインド国内に広めていきたいと2013年にパートナーのナムラタ・アスタナ氏と活動を開始。農園を訪ねては思いを伝えていくうち徐々に共感の輪が広がり、インド全土で40店舗以上のカフェを構えるまでになったそうです。そして2021年、今度は世界にインド産コーヒーの魅力を発信しようと日本上陸を果たしました。

市場のような、キッチンカーのような構えがユニークなヤエスパブリックの「ブルートーカイ コーヒー」


コーヒーはローストしてからの鮮度が命。ということで、倉庫のある栃木県矢板市に構えた焙煎所でそれぞれの豆の味わいを引き出すよう丁寧に焙煎された豆が届きます。農園ごと、バランスを考えたブレンド、農園ごとの中でも特に選りすぐりな「プロデューサーシリーズ」など、レアな豆も登場します。インドというひとつの国の中でこんなに味わいが違うコーヒーが生産されているなんて、本当に驚きです。「プロデューサーシリーズ」第一弾の「ケレハカル農園」を飲んでみましたが、フルーティーな香りと浅煎りのせいか、まるでハーブティーのようにするすると飲めてしまいます。とがった酸もなく、やさしい味わいが染みわたりリラックス。
メイド・イン・ジャパンのコンセプトに沿って、ORIGAMIという縦に溝の付いた磁器ドリッパーで、1杯1杯丁寧にハンドドリップされたスペシャリティコーヒーで心豊かな時間を過ごすことができます。

日本の折り紙をイメージさせるドリッパーのORIGAMI。


コーヒーのお供には、クロワッサンの生地を注文後にワッフルメーカーで焼いた3種類のクロッフルがおすすめ。コーヒー豆の皮と果肉であるコーヒーチェリーを乾燥させたカスカラから抽出した甘酸っぱいシロップを打って、インド菓子を連想させるスパイス使いのトッピングをふりかけ、サクサクでもっちり、バターとスパイスの香り豊かで甘さはほんのり。朝食や小腹がすいたときのおやつにもぴったりです。コーヒー豆だけでなく、一般には廃棄されるカスカラが利用されているのもサステナブルな今の時代を感じます。

クロッフルはカスカラとシナモンを加えた「実りスパイス」、マンゴーとポワブルロゼの「花々スパイス」、抹茶とカルダモンの「新緑スパイス」の3種類のフレーバーで展開。


東京駅を正面に眺められる席でいただいた「プロデューサーシリーズ」とクロッフル「実りスパイス」。

すでにポップアップカフェやオンラインストアで口にした方もいるかもしれませんが、ヤエスパブリックでの出店は2023年9月上旬までの予定とのこと。この機会に一度インドと日本のモノづくりの新しい風を感じに行かれることをおすすめします。

ブルートーカイ コーヒー公式サイト:https://www.bluetokaicoffee.jp/



かき氷コレクション・バトン 

かき氷ファンが待ち焦がれていたお店が、ヤエスパブリックに誕生しました。日本かき氷協会会長・小池氏厳選、全国のかき氷人気店が期間限定のリレー形式で出店します。記念すべき初回は谷中で絶大な人気を誇る名店「ひみつ堂」が4月10日までオープン。ヤエスパブリックだけでしか味わえないメニューも登場しました。

かき氷コレクション・バトンは07番ブース。ブルートーカイ コーヒーのお隣に位置。 第一回は谷中ひみつ堂が登場。看板もメニューも雰囲気あります。


かき氷を作るところもじっくり見ることができるので、涎を我慢しながら仕上がりを待ちます。極上の口どけというメニュー通り、口の中でしゅわっとなくなる氷は、ボリュームたっぷりなのにいつの間にかなくなっていました。

かき氷コレクション・バトン ひみつ堂のメニュー。時期的にいちごやさくらフレーバーがありました。


いちご桜ミルク〜極上の口どけ〜を仕上げ中。


ヤエスパブリックのトールテーブル席で。


かき氷ラヴァーには良すぎるくらいのアクセスで、これは行列が絶えなそうです。メニューや今後の予定などは公式Instagramでチェックしてみてください。4月11日からは山梨の「信水堂」が登場予定だそうです。

かき氷コレクション・バトン 公式Instagram:https://www.instagram.com/kakigoori_collection/


3階には普段使いにぴったりなカジュアルレストランから、会食・ハレの日に訪れたい上質なレストランまで、八重洲の多様性を表現した幅広いジャンルのレストランがラインナップ。スイーツやパンのお店はないけれど、ジェラートやデザートを楽しめるお店もあるのでぜひ!

3階「FLOWS GRILL | BAR の自家製ジェラート&シャーベット。



2022年9月オープン済みであるB1Fの13店舗は、主に近隣オフィスワーカーや国内外観光客、バスターミナル利用者に向けた便利で多彩なデリやカフェが中心。
「THE CITY BAKERY」、「PARYA DELICATESSEN」、「STARBUCKS COFFEE」やドラッグショップの「ウエルシア」、コンビニ「セブン-イレブン」など、駅地下街直結なので、待ち時間に立ち寄るのにもとても重宝しそうです。


新しい東京駅八重洲口のランドマークともいえる東京ミッドタウン八重洲。これからの発信がますます楽しみです。


東京ミッドタウン八重洲オフィシャルサイト

 https://www.yaesu.tokyo-midtown.com/





Panaderia TOPへ戻る