取材・文 佐々木 千恵美  


今年も1月下旬からデパートの催事場がチョコレートの香りでいっぱいになります。銀座と日本橋の三越では、2017年も盛りだくさんな内容でバレンタインのスウィーツコレクションを展開。その概要が事前に発表されましたので早速ご紹介しましょう。

ぶらり専門店めぐりや街歩きが楽しい銀座、お江戸の歴史と風格漂う日本橋がそれぞれテーマに掲げたのは「tressallir de joie!」(銀座店)と「Cacao Journey 〜カカオを旅する・カカオと旅する〜」(日本橋本店)。


まずは銀座三越から。
フランス語で「ワクワクする」を意味する「tressallir de joie!」(トレサイーユ ドゥ ジョワ)。
恋人、友達、家族・・・誰かと一緒に楽しむチョコレート。
自分のお気に入りのひと粒を見つける。
見て、食べて、体験して、ワクワクやドキドキが止まらないチョコレート。
いつまでも記憶にのこるチョコレートが、世界と国内合わせて約70ブランド集まります。

その中でも注目度No1は、日本初上陸&銀座三越限定販売のブランド〈リリアン・ボンヌフォア〉。
南フランス・コートダジュールの高級リゾートホテル“オテル・デュ・キャップ エデン=ロック”で腕をふるうショコラティエ、リリアン・ボンヌフォア氏が、2015年10月、フランスのアンティーブに自らの名前を冠したブティックをオープン。日本のサロン・デュ・ショコラに何度も来日し、すっかりお馴染みのボンヌフォア氏ですが、今回彼のブランドが手に入るのは銀座三越だけ。フルーツを使ったボンボンショコラのアソートやタブレットなどをご紹介。ぜひこの機会にチェックしてみては。


<リリアン・ボンヌフォア> リリアン氏おすすめのガナッシュとプラリネのアソート。

ヘーゼルナッツの食感が楽しめる、風味豊かなプラリネタイプのタブレット(左)とプチプチ食感が癖になるフランス産ドライフィグをコンフィにして散りばめたタブレット(右)。


もうひとつ、フランスから初上陸なのが老舗ショコラトリー <オ・シャ・ブルー>。パリから最も近いビーチとして有名なフランス北部の町ル・トゥケ・パリ・プラージュに1912年創業。青いネコのキャラクターが醸しだすかわいらしさに胸キュン、心掴まれるショコラトリーです。

<オ・シャ・ブルー> ヌガティーヌにプラリネをのせてチョコレートでコーティングした‘ミニ・シャ・ブルー(小さな青猫)’と、サクサクのクレープ生地にプラリネをサンドし、コーティングした‘ラ・クロッカント’の詰め合わせ「ボンボンショコラ詰め合わせ」など。



フランスマニアにたまらないのが今回のためだけの輸入が実現した<ルノートル>。1957年開業以来、多くの実力派パティシエを輩出する名門の味をいただけるチャンスです。



<ルノートル> M.O.F.2冠のギー・クレンザー氏を中心に‘素材にこだわり、料理のようにレシピを考えてショコラを創る’風格のあるショコラの詰め合わせ〜「ルノートルアソート」。


銀座三越といえばベルギーブランド。ダイヤモンドショコラが煌めく<デルレイ>や、上質のカカオにハートコレクションがアクセントの<ピエール・マルコリーニ>をはじめ、プラリネだけでなくビーン・トゥー・バータブレットも手掛ける<ブノワ・ニアン>など、キュートなルックスと夢のような甘い口どけが絶大な人気のベルギーチョコレート。

パッケージまでダイヤモンド! 色の数だけ味が楽しめる<デルレイ>のレッドダイヤモンドBOXは三越伊勢丹限定。

<ピエール・マルコリーニ> 三越伊勢丹限定のオレンジハートボックスに入ったバレンタイン セレクション リミテッドエディション。

<ブノワ・ニアン> 銀座三越限定のブノワMix5ラベンダー。


毎年人気の詰め合わせ、8つのベルギーブランド渾身の8粒が味わえる「ベルギーセレクションボックス」は、今回「メモリー」がキーワード。各店の代表作で自分の記憶を呼び覚ましてみては。

各店の代表作や思い入れの強い一粒を詰め合わせたベルギーセレクションボックス「メモリー」には、<セントー>塩キャラメル、<ブノワ・ニアン>バラコア、<ヴィタメール>クール・ルージュ、<プラリベル>プラリベル、<デジレ―>トリュフ、<デルレイ>ピンクダイヤモンド、<ブリュイエール>ノワゼッティーヌ、<ドゥバイヨル>ヴェルヴェチュエの8粒が入り限定800点。


食べておいしいだけではなく、美しさも手に入れたい女性に向けて発信するチョコレートも多種登場。

プロサッカープレーヤーの長友佑都氏がオーナーを務めるライフスタイルブランド〈クオーレ〉は、イタリア語で「心」を意味する。ドライフルーツ&ナッツがトッピングされたカカオ85%のダークチョコレート「コラツィオーネ」は慌ただしい朝でも手軽に朝食として食べられます。

<クオーレ> 「サルーテ カカオ」は、シングルオリジンのトリニタリオ種のチョコレート。カカオ含有率によって、包みの色がイタリアンカラーで色分けされている。緑:72%、白:85%、赤:100%。ドライフルーツ&ナッツがトッピングされた「コラツィオーネ」はずばり朝食という意味。


<ル ショコラ ドゥ アッシュ> 辻口博啓シェフの新作のテーマは、「発酵と発酵のマリアージュ」。マルコメ株式会社の全面協力のもと、カカオパルプを米糀とともに発酵させた新しい試みです。カカオ豆の発酵による味わいをお楽しみください。

<ル ショコラ ドゥ アッシュ> 「C.C.C. CHOCOLAT REVOLUTION」は、9年間熟成させたみそや納豆など日本古来の発酵食品との組み合わせが興味深い。2016年C.C.C.金賞受賞作品。


この他キュートでオシャレなパッケージもの、チョコレートそのものがアートなものなど、紹介しきれなかった「ワクワクする」アイテムで溢れる銀座三越。会場は9階銀座テラス/テラスコート。
会期は2017年1月25日〜2月14日(最終日午後6時終了)。インターネット販売は1月9日午前10時〜2月3日午前10時。www.mitsukoshi.co.jp/vt

詳しくは公式サイトを参照ください。(1月18日午前10時公開予定)
wwww.miguide.jp/ginza/Sweetscollection2017/



日本橋三越本店のテーマは「Cacao Journey 〜カカオを旅する・カカオと旅する〜」。
16世紀に南米からスペインを通じて世界に広がったカカオ。カカオ豆から作られるチョコレートには、産地や製法、伝統と革新など、たくさんの物語が詰まっています。時空を超えたチョコレートの旅は日本橋から始まります。日本初出店や日本橋三越本店限定を含めた約90のブランドとともに。

真っ先にテーマにつながるのが産地や単一品種、bean to barにこだわったチョコレート。昨年中目黒にオープンした<グリーン ビーン トゥ バー チョコレート>が、スウィーツコレクションに先駆けて本館1F中央ホールに登場(〈ショコラセレクション〉会期:2017年1月25日〜31日)。カカオ豆の選別からチョコレートになるまでの全工程を一貫して約45日かけて作られたカカオ本来の味やアロマが楽しめるタブレットを体験できるまたとない機会です。タンザニア産カカオ豆で作ったチョコレートにフリーズドライラズベリーをトッピングした日本橋三越本店限定商品や、手作りガナッシュやプラリネを使用したボンボンショコラも登場します。

<グリーン ビーン トゥ バー チョコレート> パッケージデザインもクールなタブレットたち。


そして本会期の7階には、<カカオ サンパカ>や<ブノワ・ニアン>などヨーロッパ勢に加え、ハワイ産のカカオを使い、スーパーフードでもあるアサイーなどを取り入れた<ハウオリ・オラ・チョコレート>(日本橋三越本店限定商品も有)、そして日本人によるブランドもいくつか登場。中でも福岡からやってくる<カカオ研究所>は、共同研究を行うベトナムの農園から仕入れたカカオ豆をベストなタイミングで焙煎。北海道ミルクパウダーを合わせ、和歌山県産山椒を加えたミルクチョコレート「冬の浅間」は、口の中で広がる豊かな香りが癖になります。

<カカオ研究所> 「冬の浅間」。



世界のチョコレートを味わおう!
フランス、ベルギーのおなじみブランドに加え、今年はちょっと違う国のチョコレートを探しに旅するのはいかがでしょうか。
北欧フィンランドのチョコレートブランドを集めた<ショコラフィンランド>は、島に出向いてまで食べたいチョコレートと言われるオーランド諸島の<メルセデスショコラトリー>をはじめ、ローチョコの「グーディオ」他全6ブランドが揃います。
また、南太平洋のフィジーからは<フィジーチョコレート>が登場。フィジー・ビジレブ島タイレブ地域のカカオ豆、砂糖もフィジー産のブラウンシュガーを使い、なめらかに仕上げてあります。



<ショコラフィンランド>、<フィジーチョコレート>など、知られざる世界のチョコレートが日本橋三越本店に集結。

<メルセデスショコラトリー> メルセデス バレンタインセレクト。


そして忘れてならないのが日本のショコラティエ。
日本橋三越本店だけの限定出店となる<ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ>。腕をふるうのはクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2015」のチョコレートピエス部門で第一位に輝いたコ永純司氏。アロマテラピーアドバイザーでもあるコ永氏が、こだわった香りの引き立て方に注目を。中でもローズウォーターをベースにカシス、タイベリー、ライチ、フランボワーズと二層仕立てのハート型ショコラ〜タンタシオンローズ。ショコラとローズの優雅な余韻に女子力も高まります。

<ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ> 「タンタシオンローズ」、どの種類を食べても鼻に抜けるローズの香りにうっとり。


もうひとつは、箱根にある<岡田美術館チョコレート>
通常は美術館のミュージアムショップでしか買えないアートなショコラが、この時期だけ日本橋三越本店にやってきます。作り手は岡田美術館専属ショコラティエ・三浦直樹氏。デカダンス・ドュ・ショコラ」「ブルガリ イル・チョコラート」で活躍し、2014年放送の月9ドラマ「失恋ショコラティエ」の監修を務めた技術とセンスを持った三浦氏ならではの、感度の高いフレーバーと表面の緻密な色彩表現が特徴です。今度の新作は琳派の伝統美を受け継いだ神坂雪佳の屏風絵をモチーフにした「雪佳燕子花図屏風(せっかかきつばた)チョコレート」。屏風の図柄を5つに分けて、5種類のフレーバーを閉じ込めたはんなりと美しい一品です。日本橋三越本店で先行販売します。

<岡田美術館チョコレート>の「雪佳燕子花図屏風チョコレート」は、桜×抹茶、木苺×イチジク、マスカルポーネ×コーヒー、ゴルゴンゾーラ×オレンジピール、自家製ジャンドゥジャの5粒入り。開けた瞬間、約3cm×3cmの表面に彩られた屏風の図柄に見入ってしまう。


アフターユースが楽しみなパッケージ付きショコラは女子の心を鷲掴み。モナコ公室御用達の<ショコラトリー・ドゥ・モナコ>は、同じくモナコ公室御用達のテーブルウエアブランド「マニファクチャー・ドゥ・モナコ」のスワロフスキーをあしらったスクエア陶磁器とのセット「ピンクレディモナコ」で登場。

スワロフスキーがきらめくお皿に詰められた<ショコラトリー・ドゥ・モナコ>の「ピンクレディモナコ」。


他にも立ち寄るべきチョコレートはたくさん。日本橋からはじめるカカオの旅を、存分に楽しんでください。
本館7階 催物会場会期は2017年2月1日〜14日。インターネット販売は1月9日午前10時〜2月3日午前10時。www.mitsukoshi.co.jp/vt

詳しくは公式サイトを参照ください。
www.mitsukoshiguide.jp/Valentine/




日本橋三越本店バレンタイン
〈ショコラセレクション〉
会期:2017年1月25日〜31日
会場:本館1階中央ホール

〈スウィーツ コレクション 2017〉
会期:2017年2月1日〜14日
会場:本館7階 催物会場




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