Pm 3:30 ついに完成!印象を左右するプレゼンテーション(1)


ほとんどのパンが焼きあがり、あとは飾りパンの組み立て(当日作業するのは土台のみ)を残すばかり!いよいよ、最終的な審査に入ります。
大会では、作業、味覚、見た目などに加え、審査員へのプレゼンテーションも重要なポイント。職人の人間性に重きをおくこのコンクールでは、本人のポテンシャルの高さや企画力、発想力も評価の対象となります。

では、それぞれのチームの作品をご紹介しましょう!




間根山 淳さん(パン工房 クーロンヌ)

「バゲットは、前日ポーリッシュ法で仕込み、一晩置いてゆっくり発酵をとっています。さらに、グリストミルも入れて香りを出しました。健康パンは、赤ワインに漬けたドライサラミとプルーンジュースで、塩気と甘みを加えています。自国のパンに入れているのは、大豆、ひじき、黒ゴマを炒めたもの。生地にはキナコを入れ、湯だねでモチッとした食感に仕上げました」


特にトラブルもなかったように見えた間根山さんチームでしたが、最後の最後で難航したのが飾りパン。接着剤代わりの飴がなかなか固まらず、貼り付けたパーツがポロッと落ちてしまいました。この結果がどう響くのか、ちょっと心配です。




栄徳 剛さん(ブーランジェリー ラ・テール)

「バゲットはルヴァンリキッドが多めの配合。健康パンは、ゴールデンフラックスシードに消化を助けるミントを合わせています。ミントは焼くと香りが飛びやすいので、サンドイッチ用にはピタパンの成形にしています。中に入れているのは、大豆のフムス(※)、グリルした野菜、ヨーグルトソースと、栄養価が注目されているブロッコリースプラウト。自国のパンでは、色のきれいな6色の餡を包みクーロンヌ型に仕上げました」

※ヒヨコマメに、ニンニク、練り胡麻、オリーブオイル、レモン汁などを加えてすりつぶし、塩で調味したペースト状の料理


色合いやデザインにも独自のセンスが光る、栄徳さんチーム。終始穏やかに雰囲気良く作業を進めていましたが、やはり飾りパンのディスプレイ時にアクシデントが!巨匠、岡本太郎氏へのオマージュと日本のアニメ文化をコラボさせた作品だったのですが、その形ゆえにかなり不安定。こちらも、評価が気になります。




安倍 竜三さん(ブーランジュリ パリゴ)

「バゲットはルヴァンを使い、イーストは少量に。ちょっと若い状態で窯に入れ、ボリュームを抑えた仕上がりにしています。健康パンは、スペルト小麦を原麦のまま水に漬けて発芽させ、熱処理をしてから粉砕し、生地に練り込みました。そのパンを使ったサンドイッチは、ツナと松の実を使ったしっかり目の味付けに。チーズをカリカリに焼いたものをトッピングしています」


終始、勢いのある雰囲気のなか作り続けていた安倍さんチーム。特にトラブルもなく、作業を終えることが出来たようす。日本人らしい器用さを感じる繊細な細工や、均一に整った成形は、こうして会場に並べられると一層見栄えがします。やはり、このまま独走でしょうか?




塚田 隆広さん(デイジイ)

「全体のイメージは“日本”です。飾りパンは日本らしさから、桜をイメージしています。自国のパンは、自分の出身地である長野にちなんで、野沢菜と味噌を使用。クグロフ型で山に見立てています。健康パンは、穀物、全粒粉、ひまわりの種、ゴマ、レーズン、くるみなどを加えたライ麦生地。上に色のきれいなカボチャの種をトッピングンしています」


男性2人で黙々と作業を進めていた塚田さんチーム。写真ではちょっとわかりにくいですが、桜を散りばめた飾りパンの上には日本地図をかたどったパンが飾られています。





「モンディアル・デュ・パン」って?