取材・文 佐々木 千恵美  


ここ数年で急成長を遂げているオーツミルク界に今年、また新たなブランドが誕生し、日本に上陸しました。

シンガポール発の「OATSIDE(オーツサイド)」は、2022年1月に発売が開始されて以来、常識を覆す勢いですでに10か国以上で展開。日本でもすでにアラビカコーヒー、猿田彦珈琲の一部店舗で提供されている他、一般向けにはAmazonでの販売もスタートしています。

オーツミルクは穀物の一種であるオーツ麦を酵素処理で糖化させて製造するため、砂糖無添加でも自然な甘さを感じられ、栄養面でも優れており、欧米で多い乳糖不耐症者への代替ミルクとしても、ベジタリアンにも適しているなどの理由から市場が拡大している注目の飲料です。事実、最近はスーパーやコンビニなどで、豆乳やアーモンドミルクなどと並んで、たくさんのオーツミルク商品を目にするようになりました。

でもそれぞれ一体どう味が違うの?
身体にいいからっておいしいの?
飲み方、使い方は?

そんな疑問に答えてくれるように、先日都内のイベントスペースにて、OATSIDEの日本ローンチ記念イベントが開催されました。


ローンチ会場は原宿駅近くのdotcom space。


オーツサイドCEO ベネディクト・リム氏と日本販売元の六甲バター 代表取締役社長 塚本浩康氏の挨拶とブランド紹介の後、ミルクソムリエのANNAさんによるオーツミルクのテイスティングが行われました。


ベネディクト・リム氏。環境や身体によいというだけでなく、アジアの人にとって、とにかくおいしさを実感できる植物性ミルク作りにこだわった。


アジアの人びとがおいしい、飲み続けたいと感じてもらえるように独自の製法を確立したというオーツサイド。その違いは原料となるオーツ麦の選択からはじまりました。ヨーロッパ産のオーツ麦に比べて甘さがあり、ナッツ感のある濃厚な味のオーストラリア産を使用し、甘みを引き出す加工段階では一般的なスチーム加熱加工ではなく、焙煎加工をすることでオーツ麦の香ばしい味わいを引き出しています。これらの加工工程をすべて自社で行っているのもポイントで、プレーンタイプのバリスタブレンドには砂糖、保存料、香料、乳化剤、増粘剤、人口甘味料などの食品添加物は不使用です。

言葉だけではわからないので、実際にオーツサイドのオーツミルクを飲んでみることに。まずはプレーンタイプを3種類。同社の「バリスタブレンド」の他、他社ブランド名を伏せて飲み比べです。ナビゲーターはミルクソムリエのANNAさん。オーツミルクテイスティング用に各テーブルに用意されたランチョンマットのような「オーツミルク飲み方ガイド」を参考に、ワイングラスに注がれたオーツミルクの色味やとろみ加減、香り、口当たりやボディ、味わいの複雑さなどを感じてみます。


ANNAさんによるオーツミルクテイスティング。


ワイン同様に五感をフルに使い、味わいの違いなども発見できました。左の色の濃いものがオーツサイドのバリスタブレンド。オーツを焙煎加工しているだけに、味わいもナッティで香ばしく、ぽってりとしたテクスチャーと甘みがあります。ちなみに中央と右のものはさらさらであっさり目、右は草っぽい風味も感じられました。


次に「チョコレート」と「チョコレートヘーゼルナッツ」をテイスティング。チョコレート系飲料というと大抵は子供向けの甘いテイストなのですが、オーツサイドのものはインドネシア産のカカオたっぷりで砂糖控えめ、糖類を100mlあたり4.8gに抑えられているので、前者はダークミルクチョコレートを食べているかのような感覚でした。後者はダークローストしたトルコ産ヘーゼルナッツが香ばしい大人のデザートとも思えます。

さらに使用しているカカオとヘーゼルナッツは100%レインフォレスト・アライアンス承認。さらには、リサイクル可能なFSC認証のパッケージを使用するなど、美味しさだけでなくサステナブルな取り組みにも積極的です


左が「チョコレート」、右が「チョコレートヘーゼルナッツ」。植物性なのでカカオやヘーゼルナッツの風味がよりクリアに感じます。


ひととおりテイスティングをした後は、オーツミルクを使ってカフェの定番、カフェラテの作り方を紹介していただきました。 デモンストレーターは第15代ワールドバリスタチャンピオン井崎英典氏。今や企業のメニュー開発、コンサルティングなどでも大活躍の井崎氏によると、オーツミルクはコーヒーの低いph(ペーハー)値、つまり酸性と反応して時間が経つと分離してしまうので、うまく乳化させるためには先にコーヒーとオーツミルクを混ぜてからスチームでフォームを作る方がベストとのこと。
そうしていれたオーツミルクラテは口当たりまろやかで、コーヒーの味わいも牛乳とよりクリアに感じられ後味はさっぱり。町のカフェではオーツミルクラテを選べるところもあるので、今度試してみたくなりました。


井崎英典氏によるオーツミルクラテのデモンストレーション。


こちらは上からオーツミルクのフォームを重ねる一般的ないれかたのもの。時間が経つにつれ分離してくる。


オーツミルクはカフェラテの他、抹茶ラテやスムージーにも使えますし、スイーツ作りにも応用できます。この日は世田谷区にあるヴィーガンベーカリー Universal Bakesによる「OATSIDEヴィーガンデザート」が登場。オーツサイドの3種類のオーツミルクを使って組み立てた小さなデザートは、チョコレートやナッツのコクがあるのにさっぱりとした後味で、もう一つ食べたいと思わせるおいしさでした。今後はスイーツやパンにもオーツミルクを使うお店が増えるかもしれませんね。


3つのフレーバーをそれぞれ活かしたデザート「OATSIDEヴィーガンデザート」は、上から「バリスタブレンド」のベイクドドーナツ、「チョコレート」のチョコレートクリーム、「チョコレートヘーゼルナッツ」のヘーゼルナッツプリンという構成。

Universal Bakes https://www.instagram.com/universalbakes_tokyo/
 店舗では「OATSIDEヴィーガンデザート」は販売していません。


バリスタブレンド(中央・白)
 そのまま飲んでおいしく、コーヒーや抹茶・ほうじ茶とも相性抜群。ラテアートに適したきめ細やかでクリーミーな泡が作れる濃厚でまろやかなオーツミルク。

チョコレート(左・茶)
 インドネシア産のカカオブレンドを使用。カカオたっぷり、砂糖控えめ、子供も喜ぶチョコレート味のオーツミルク。

チョコレートヘーゼルナッツ(右・黒)
 トルコ産ダークローストヘーゼルナッツを使用。ヘーゼルナッツの豊かな香ばしさが感じられる、オトナ向けの贅沢なチョコレートヘーゼルナッツ味のオーツミルク。


オーツサイドのオーツミルクは現在一般向けにはAmazonで販売しています。1Lサイズのみですが、未開封なら常温で長期保存できるのでストックしても問題なさそうです。使う際は良く振ってからお楽しみください。



商品概要

商品名;OATSIDE(オーツサイド)
種類:バリスタブレンド、チョコレート、チョコレートヘーゼルナッツ
容量:1L
URL:https://oatside.com/ja/
Instagram:https://www.instagram.com/oatside_jp/




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