取材・文 佐々木 千恵美  


お盆を過ぎ、桃の季節が終わりに近づくといよいよぶどうの最盛期。「大粒」、「種なし」、「甘い」芸術品のようなぶどうが果物屋さんの店先を彩ります。そんな中、今年も東京・新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」で開催された「岡山県産ぶどうセミナー・試食会」に伺ってきました。

岡山県の主力はピオーネやマスカット・オブ・アレキサンドリア、シャインマスカット、岡山県オリジナル品種のオーロラブラックといった特徴のある大粒ぶどう。

旬を迎えた‘フルーツ王国おかやま’の風格あるぶどうたち。


今回は、それら大粒のぶどう4品種〜ピオーネ、オーロラブラック、瀬戸ジャイアンツ、シャインマスカットをボンボンショコラの箱に詰め、その特徴がわかりやすく楽しめる食べ比べセットを、岡山県農林水産部 大田市場駐在主幹の大塚雅子さんによる説明を聞きながらいただきました。

岡山県のピオーネマスコットキャラクター「ピオーにゃ」と一緒に岡山県産ぶどうの魅力を紹介する大塚雅子さん。


箱詰めぶどうの食べ比べセット。

岡山県のぶどう品種構成(平成30年度)ではピオーネが7割近くを占め、続いてシャインマスカット、オーロラブラック、マスカット・オブ・アレキサンドリアと続く。

ピオーネ

まずは黒ぶどうのピオーネ。
岡山県が全国に先駆けて種なし処理を開発し、生産量は岡山が日本一。大粒・種なし・高糖度。見た目は巨峰に似ているが、濃厚な甘さとほどよい酸味と、巨峰にはないさわやかな香りが特徴。巨峰とマスカット・オブ・アレキサンドリア(通称 アレキ)の変種であるカノンホールマスカットとの交配だからでしょうか!? 皮離れも良いので気になる人は手で剥いてから食べることもできます。


オーロラブラック

次は黒ぶどうのオーロラブラック。
平成15年、岡山生まれのオリジナル品種。一昨年から岡山県以外でも栽培ができるようになりましたが、現時点ではまだ岡山からしか出荷されていない希少な品種。当然生産量は岡山が日本一。ポリフェノールを多く含む皮は渋みが少ないので、皮ごと食べてもOK。そして一番の特徴は皮ごと食べた時のプリっとした食感。シャキシャキという噛みごこちがとても新鮮。サラダに入れてもよさそうです。


瀬戸ジャイアンツ

次に白ぶどうの瀬戸ジャイアンツ。
平成元年、岡山市東区瀬戸町の育種家が品種登録。生産量は岡山が日本一。桃のような溝のある大粒がかわいい。実際「桃太郎ぶどう」という商標名もあるそうです。皮がうすくサクサクと軽やかな食感とみずみずしさが後をひきます。糖度も酸も程良く、たくさん食べられそう。


シャインマスカット

最後は白ぶどうのシャインマスカット。
平成18年農水省試験場で品種登録された近年人気急上昇の品種。生産量で岡山は第3位。岡山県産は「晴王」という商標を持つ。アレキを祖父に持ち、高糖度で種なし、皮ごと食べられるうえ、病気にも強いことから全国的に栽培が広がっています。パリッと弾けて広がるマスカットの香りの中にバラの花のような香りが楽しめます。ああ、うっとり!

それにしてもこの4種のぶどう食べ比べボックス、非売品なんて勿体ない。このまま売っていたらうれしくないですか!?

セミナーではベジタブル&フルーツカッティングアーティストの越川純さんによる「岡山県産ぶどう」を用いたフルーツカッティングのデモンストレーションも披露されました。

海外でも活躍する越川さん、ナイフの使い方やぶどうのちょっとした扱い方、ぶどうの特徴に合わせたカッティングなどがお見事でした。
皮の実離れがよいピオーネは交互に皮を剥き、逆に皮と実が離れにくいオーロラブラックは薄くスライスしてバラの花びらのように細工。単に見た目だけを追っているのではないのですね。

越川純さんは4種類の岡山県産ぶどうを使ってフルーツカッティング。

シャインマスカットをギザギザに切れ目を入れてクラウンカッティング。

それぞれの特徴をいかした美しい仕上がりに。


デモンストレーションを見ながら供されたのはサン・フルーツの「岡山県ぶどうゼリー」。トップのハート型にカットされたシャインマスカットがかわいらしく、皮を剥いたピオーネ入りのゼリーがぷるんと爽やか。ぶどう本来の味が楽しめるように甘さ控えめで、残暑の今頃にちょうど良いデザートでした。こちらは 8月14日(水)〜8月31日(土)までの期間限定販売だったので、召し上がった方もいらっしゃるのでは。

岡山県ぶどうゼリー \648(税込) サン・フルーツ 東京ミッドタウン店、サン・フルーツ 日本橋三越店、サン・フルーツ 銀座三越店にて8月14日(水)〜8月31日(土)期間限定販売。
現在は販売を終了しております。


今年も岡山のぶどうのおいしさをもっと知ってほしいと、8月28日から都内高級果物専門店や百貨店で「岡山ぶどうフェア」が開催されています。ぶどうの試食やセミナー、期間限定ぶどうスイーツ、ぶどうパフェの販売など、岡山ぶどうの魅力を知る絶好のチャンス。

期間や内容は異なりますので、詳細は各店にお問い合わせください。


千疋屋総本店「岡山ぶどうフェア」 9月14日(土)〜30日(月)

千疋屋総本店 日本橋本店、千疋屋総本店 横浜高島屋店など、計14店舗
日本一の生産量を誇る「ピオーネ」をはじめ、「シャインマスカット」、「オーロラブラック」、「瀬戸ジャイアンツ」の試食販売など。
期間中14日〜16日、21日〜23日は、千疋屋総本店 日本橋本店、日本橋高島屋店、横浜高島屋店の3店舗で生産者、キャンペーンスタッフ‘フレッシュおかやま’や県職員等による試食PR、期間限定スイーツの販売も行います。
千疋屋総本店 日本橋本店にはパフェも登場。その他詳しくは直接お問い合わせください。
http://www.sembikiya.co.jp/


新宿高野「おかやま葡萄フェア」 9月21日(土)〜23日(月)

新宿高野本店地下2階入り口付近にて
岡山県産ぶどう及び果物等加工品の試食を行います。
‘フレッシュおかやま’や販売促進員、全農おかやまのぶどうキャラクター‘ピオーにゃ’が岡山ぶどうのプロモーションをします。
また、11月16日(土)、17日(日)の2日間はぶどう「紫苑」の試食プロモーションも行われる予定。
http://takano.jp/


銀座三越「岡山フェア」 8月28日(水)〜9月3日(火)

地下2階・3階 ギンザフードガーデンにて

8月31日(土)、9月1日(日)
野菜ソムリエによるブドウセミナー  終了
(マスカット・オブ・アレキサンドリア、シャインマスカット、瀬戸ジャイアンツ、ピオーネ、オーロラブラックの紹介、食べ比べ)

8月31日(土)、9月1日(日)
 県職員によるブドウの試食プロモーション 終了

8月31日(土)、9月1日(日)
 奈義ビーフの試食プロモーション 終了

9月1日(日)
 黄ニラ・パクチー大使(植田輝義)による試食プロモーション 終了

岡山県産農産品、加工品の販売
 予定品目:ブドウ、奈義ビーフ、千屋牛、マッシュルーム、黄ニラ、パクチー、加工品等
https://www.mitsukoshi.mistore.jp/ginza.html


何といっても産地で食べるのが一番という方には、観光キャンペーン2019「おかやま果物時間」、「おかやま絶品フルーツめぐり」がおすすめ。スタンプラリーや'狩り'情報はWebサイトでも紹介されています。秋の旅行に岡山県を検討してみてはいかがでしょうか。
https://www.okayama-kanko.jp/kudamono/




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