取材・文 下園 昌江  




ザ パレス ラウンジ

大きな窓から明るい光が差し込むパレスホテル東京のロビーラウンジ「ザ パレス ラウンジ」。こちらでは、開業当初から三段のお重を使ったアフタヌーンティーが有名です。 そのアフタヌーンティーが今年の秋に新たなスタイルで登場します。

空也 外観


明治17年創業。130年の歴史を持ち、多くの著名人に愛されてきた銀座の和菓子店「空也」。その空也の5代目店主山口彦之氏とパレスホテル東京のコラボレーションで、今回「アフタヌーンティー〜まるさんかくしかく〜」が誕生しました。


空也5代目 山口彦之氏

空也5代目の山口彦之(やまぐち ひこゆき)氏は、和菓子の伝統的な技法を活かしながら、若い人や海外の人に向け、もっと和菓子に関心を持ってもらいたいと新しい和菓子の表現を模索し表現している和菓子職人として知られます。2011年には自身初のブランド「空いろ」を立ち上げ、斬新なスタイルの和菓子を提案しています。


窪田修巳氏 岡村英司氏

今回の「アフタヌーンティー〜まるさんかくしかく〜」は、パレスホテル東京と空也のコラボレーションという事で、三段のお重を一段ずつ、それぞれのシェフたちが担当し、形はテーマの通り、「まる・さんかく・しかく」に統一されています。
まるの段を山口彦之氏、さんかくの段をパレスホテル東京「グランド キッチン」シェフの岡村英司氏、しかくの段をパレスホテル東京 ペストリーシェフの窪田修己氏が担当しています。

お重が三段重ねになった状態で提供され、お重を引き出す楽しみがあります。


パレスホテル東京のロビーラウンジのアフタヌーンティーは、開業当初から三段重で提供されています。現代的でありながら、日本の伝統を大切にするパレスホテル東京ならではのサービスですね。

お重は専用のケースに重なって提供されるので、一段一段を自分の手で引き出していくのも楽しみのひとつです。

アフタヌーンティー〜まるさんかくしかく〜


今回のアフタヌーンティーのテーマは『まるさんかくしかく』。山口氏が提案したこのテーマは、禅の思想を表現する言葉。「まる」は、宇宙に存在するすべてのもの、一方で状況に応じて、変幻自在にその姿を変えるもの。「さんかく」は、足をくんで座禅をするとき、腰を据えて、頭が天を衝き上げている状態。「しかく」は、とらわれた心を表すといわれています。

では、それぞれのお重の内容を詳しく紹介していきましょう。



<お重一段目 「まる」 の段>

白玉と柑橘系フルーツ入りの餡、ひよこ豆餡、ダークチョコレート餡、白餡のおしるこ、季節のフルーツ、紅葉色紙種

山口氏が手がけた 「まる」 の段は、チョコレートやひよこ豆、フルーツと餡を組み合わせたモダンな和菓子が丸い器に入って並びます。通常の和菓子ではあまり合わせることのないチョコレートやレモンなど洋の素材と餡を組み合わせているのが特徴です。紅葉の色紙種は、紅葉型にくりぬいた最中の生地をカップのふちに飾るというアイデアがとても斬新。秋の景色を感じさせる存在です。



<お重二段目 「さんかく」 の段>

三角稲荷寿司、スモークサーモンとサワークリームのサンドウィッチ、ライ麦パンとチキンのサンドウィッチ、野菜のフリッタータ、キュウリとグリーンオリーブ&マスタード、パルマ産プロシュート、カマンベールチーズ

二段目は、パレスホテル東京「グランド キッチン」シェフ岡村英司氏が担当するセイボリーメニュー。すべて三角形でまとめています。
アフタヌーンティーメニューでは珍しく稲荷寿司が入っているのに驚きましたが、稲荷寿司はいつものアフタヌーンティーでも定番人気メニューなのだとか。上品でほっとする味わいでした。その他にお野菜やハム、チーズなど、お酒にも合いそうなメニューが美しく並びます。アフタヌーンティーにはグラスシャンパン付きのセットもあるので、お酒好きな方はぜひ合わせていただきたいところです。



<お重三段目 「しかく」 の段>

大納言入りスコーン、マンゴ入り紫蘇のジュレ、日本酒風味の抹茶ラミントン、コーヒー風味のボンボンショコラ、プラリネ入りボンボンショコラ、カシューナッツ入り薩摩芋のキャラメリゼ、黒ゴマのフロランティーヌ、マロンケーキ、千代ちょこ

三段目は、「パレスホテル東京」ペストリーシェフ窪田修己氏が担当するスイーツのお重。遊び心溢れるしかくのお重には、バリエーション豊かなスイーツが並びます。紫蘇の風味豊かなマンゴのジュレや、抹茶と日本酒を組み合わせた和風のラミントン、まるで大学芋を思わせるカシューナッツ入り薩摩芋のキャラメリゼなど、味わいは様々。
全体的に甘さは軽めに仕上げているので、アフタヌーンティー自体のお菓子の種類が多くても飽きずに食べることができます。



  <別段 最中のお重>

空也最中、抹茶最中種、紫いも最中種、黒胡麻最中種、三角色紙種

今回のアフタヌーンティーには三段のお重に加え「別段」が添えられています。
こちらには、空也の人気商品空也最中と、最中種(最中の生地)が添えられています。
これらの最中種は、三段お重の中から好きなものを自由に組み合わせて食べていただくというものです。餡はもちろん、チーズやチョコレートなど、自分で美味しそうと思えるものを好みの最中種に合わせていただきます。
私は、三段目のカシューナッツ入り薩摩芋のキャラメリゼを黒胡麻最中種に合わせるのが好きでした。自分の好きな組み合わせで作っていく楽しさがあります。

秋のはじまりを感じる9月からスタートする 「アフタヌーンティー〜まるさんかくしかく〜」。
和と洋が融合し、味覚だけではなく見た目も楽しめる充実した内容です。
ホテルで味わう贅沢な秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。




アフタヌーンティー〜まるさんかくしかく〜 開催概要

 提供場所: パレスホテル東京 1F ロビーラウンジ「ザ パレス ラウンジ」
 提供期間: 2017年9月1日(金)〜11月30日(木)
 料金: 1名 4,600円、グラスシャンパン付き 6,600円(税込・サービス料別)
 お問合せ: 03-3211-5309




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