以前にも何度かお伝えしてきたユーハイムのコレクション発表会が、去る8月8日、丸の内テラスで行われました。 今回の目玉は、9月から店頭に並ぶ新しいコラボレーションケーキのシリーズ発表と、10月1日、表参道にリニューアルオープンするペルティエのケーキの発表です。 ちょっと遅めに訪れたにも関わらず、コレクション会場はたくさんの人であふれており、これからのユーハイムとペルティエへの期待が高まります。




「ペルティエ」は1972年、Lucien Peltier(ルシアン・ペルティエ)氏*によってパリ・セーブル通りに作られたパティスリー。日本発のショップである表参道店は1984年オープン。以来、日本各地に店舗を展開してきました。ペルティエ氏の死後、徐々に活気を失っていったペルティエでしたが、2001年、クリエーション・ディレクターにPhilippe Conticini(フィリップ・コンティシーニ)氏を迎えてリニューアルしたパリ本店は、たちまちのうちに時代の先端を行く店に生まれ変わりました。そして2002年には最優秀フーディング賞を受賞、03年にはクープ・ド・モンドでコンティシーニ氏がフランスチームのリーダーとして優勝を獲得しました。いまや新生ペルティエは、パリで最も人気があり話題にのぼる店のひとつとなっています。

そして今年10月、このコンティシーニ氏、さらにデザイナーにJoel Desgrippes(ジョエル・ディグリップ)氏*を迎えて表参道店が新しく生まれ変わります! 今回の発表会では、パリ直輸入のペルティエのボンボンとギモーヴ、そしてコンティシーニ氏のレシピによるケーキの数々がお披露目されました。 ケーキには、ハーブやスパイスを使った斬新なものが多く、お菓子というよりはもはや料理の一部といった趣。また、シンプルかつ洗練されたフォルムが美しく、たくさんのフルーツやクリームで飾るケーキが過去のものになる日も近いのではないかという予感を抱きました。

*Lucien Peltier・・・1941年仏生まれ。60〜70年代の「ヌーボーガトー(新しい菓子)」の流れを築いた中心的存在としてフランス菓子界をリードした。1981年にはヨーロッパ全体の職人菓子業界の発展を目的としたRelais desserts(ルレ・デセール)を発足し、初代プレジデントに就任。1991年逝去。早すぎる死を惜しまれた。

*Joel Desgrippes・・・1945年仏生まれ。世界的に有名なデザイナーであるとともにデグリップアンドゴーベ社の社長・創立者であり、受賞した賞は数え切れぬほど。アジアのデザイン化に深い関心を寄せる氏は1991年以降、アジアにも多くの支社を設立している。



デザイナー、ペーター・シュミット氏とマイスター安藤氏のコラボレーションによるケーキも、今回が3回目。どんなケーキが登場するのか毎回楽しみですが、今回のテーマはなんと「グリム兄弟」!聞いただけでかわいらしいケーキを想像してワクワクしてしまいます。 会場には、緑の森をイメージしたディスプレイに、これら新作ケーキが並べられていました。近づいてよく見ると、井戸の中からカエルが顔を覗かせている「カエルの王様」のケーキや、赤い頭巾を取ると中からチョコレートケーキが出てくる「赤ずきんちゃんのお菓子」などなど、思わずケーキであることを忘れてしまうようなかわいい作品ばかり。中でも感激したのが、「ブレーメンの音楽隊」。チョコレートでできた動物たちの影が、粉糖でなんともうまく作られているのです! ケーキ自体はシンプルな味わいのものが多いようなので、ぜひ子供と一緒にお話しをしながら食べてみてください!


さらに、忘れてはならない志賀シェフのパン!秋の新作は渋皮煮の栗が丸ごと2個のったカスターニエン、カラメルソテーされたさつまいものデニッシュ、バターテ、そしてアプリコット、いちじく、ジャンボレーズンなどドライフルーツがたっぷり入ったゾンネンオープストの3種類です。
どれも秋の味覚満載の実だくさんのパン!見るからにおいしさの詰まったおいしそうな焼き色で、思わず「パンの試食はないんですか?」と聞いてしまったほど。 夏でも食べたい、秋の新作パンは9月には店頭に並ぶ予定です。


ゾンネンオープスト 
¥800


カスターニエン ¥300(手前) 
バターテ ¥280(奥)


9月の新作ケーキとパン、そして10月のペルティエリニューアルオープンと、今年の秋はユーハイム&ペルティエに話題が集中しそうです。 秋になるのがいつもにも増して待ち遠しい!!