取材・文 佐々木 千恵美  


今年で18回目となるチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」がエムアイ会員ご招待会期の2020年1月26日(日)から一般会期の2月2日(日)まで、8日間に渡り開催されました。

会場はおなじみの西新宿にある新宿NSビル地階=イベントホール。
混雑と行列による混乱を避けるため、入場までの待ち時間を短縮し、会場内の混雑緩和のため、時間帯別の入場チケットを予めオンラインで購入し、QRコードで入場するシステムが導入されて3年目。世の中でキャッシュレス決済が進んだこともあり、お客様の方もだいぶ慣れた感じだったのではないでしょうか。

18回目を迎える今年のテーマは『すべては“出会い”だ!』。
カカオとの出会い、素材との出会い、人との出会い。

ひと粒のショコラを作ったショコラティエとの出会いを通じて、彼らと世界観を共有する、美味しさを進化させるパワースポットのようなサロン・デュ・ショコラ2020。

日本初上陸4ブランドを含む120ブランド以上が集結した会場にて会期の前日、1月25日の18時半からプレス関係者に向け開催された前夜祭の様子を紹介します。

エレベーター下のホールに展示された白クマは、二コラ・ベルナルデ氏制作、200kgものホワイトチョコレートを使ったピエス。パリのサロン・デュ・ショコラの会場にあったものを今回お願いしてお借りしたものだそう。


今年の前夜祭では、イートインが並ぶ中ホールの真ん中、天井からボンボンショコラの模型がかけられたあたりを中心にステージが設けられました。

天井からはボンボンショコラの模型が吊るされ、見ているだけで甘い香りが漂ってきそう!


はじめにサロン・デュ・ショコラ パリ主催、ショコロコインターナショナルのジェラルド・パラシオ氏と、三越伊勢丹の三木康史MD統括部マーケティング推進部門長からのご挨拶がありました。


ジェラルド・パラシオ氏(右)「私たちは世界各地を回っております。今後ショコラのポテンシャルがある中東3国にも進出します。」と今後の展開を語ると共に、「サロン・デュ・ショコラはショコラティエのみなさまの仕事に光を当て、世界中のバイヤー、インポーター、消費者を結びつける国際的なプラットフォームになろうとしています。これからもサロン・デュ・ショコラがショコラを愛するみなさまにとって欠かせないイベントとして存在し続けることを願います。」とオープニング宣言をした。
三木康史氏(左)「25回目開催となった昨年10月のサロン・デュ・ショコラ パリでは5日間で10万人以上のお客様が来場した。カカオの生産者とショコラティエのみなさまへの敬意、フランス食文化に根付くショコラのあるライフスタイルが会場の随所にしっかり表現されているのがパリの魅力。これは日本のサロン・デュ・ショコラがお手本にしなければならない点。」と述べ、2003年三越伊勢丹での初開催から18回目を迎え、今後は本場のパリのよいところを学びながら日本人の感性で開催したいと締めくくられた。


その後、ショコラティエやパティシエなど海外および国内から総勢79名がひとりひとりステージに登壇。L字型の階段ステージは豪華なメンバーが4列にもなり、最後は並びきれないかと思うほどにぎやかな光景になりました。


アコーディオン演奏の中、ひとりずつ名前が読み上げられ壇上へ。

今年のメンバーが勢揃い!


華やかな仕掛けとともに、カメラのシャッター音もにぎやかに。ステージとプレス席双方笑顔で第一部は幕を閉じました。


ホールの壁には、こんなおいしそうなタブレット模型が数枚飾られていた。



休憩を挟み第二部は女優の石原さとみさんが登場。
明治・ザ・チョコレートのバレンタイン限定品発表会としてトークショーが行われました。
パリのサロン・デュ・ショコラでも目玉となっているチョコレートドレスでのファッションショーをイメージし、「ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ」の土屋公二氏が制作を担当。


白いチョコレートドレスで登場した石原さとみさん。「本物のチョコレートをあしらったのは初めてだから新鮮ですね。」


「ぼくだけのアイデアでは無理だったので2人で相談して作った。」という土屋シェフに、「最初はチョコレート色のワンピースにチョコをあしらおうと思ったけれど、シェフが用意してくれたチョコレートがあまりにたくさんの種類と形で、それなら‘ザ・チョコ’のパッケージを切り抜いたようなチョコレートを活かして白色のワンピースにしたい。」と提案。


「偽物で作る場合も多いが…」と制作話しをする土屋シェフ。今回首と腰、指輪は本物のチョコレートです。


着ていると香りが甘いと石原さんのコメント通り、今回は本物のチョコレートを使った世界にひとつだけのドレスが仕上がりました。


センセーションペルーダークの入った大きなグラスを持ち鼻に近づけて香りを楽しみテイスティングした石原さん。
明治オリジナルのリッチアロマ製法でペルー産カカオのおいしさをひきたてる花のような華やかな香りのチョコレートに、「花のような香りがした。口の中で広がっていく。フローラルが途中から香ばしい味わいが出て来て甘いです。」とコメント。
ジャスミンの香り、ナッツ、最後に甘さがくる味の変化がわかるのは大人になったような気がすると、味わいに段階があることに感激した様子でした。

数量限定販売のセンセーションペルーダークからは花の香りが…。


バレンタインといえばギフト。
「自分の中では今は気軽に渡すもの。チョコを渡すってかわいくないですか!?」
チョコレートはひと口食べただけでおいしく仕事の気力にもなるし、手助けしてくれると、用意されたラッピング数パターンの中から大人っぽくてかわいいものをチョイス。サインを添えました。

仕事の現場でも差し入れチョコレートは大人気だそう。


限定感のあるペルーダークは作り手のこだわっているおいしさを感じた。そういうチョコレートに対する思いがつまったブースが集結するのがサロン・デュ・ショコラ。存分に楽しんで欲しいと締めくくりました

石原さとみさんが着用されたチョコレートドレスとサイン入りラッピングは明治 ザ・チョコレートのブースにて展示された。


また、会場内ではシェフやスタッフのみなさんがブースのチェックをしたり、試食のサービスをくださったり、久しぶりの再会を喜び合ったり、新たな交流が生まれたりと様々な光景が見られました。

プレス側は新登場のブースは必見。プレス同士での情報交換も盛んです。興奮が止まぬまま前夜祭はあっという間にクローズ時間に。何度目になってもワクワク感は失せません。

大ホールには、AからNまで14のエリアを色で識別。万が一はぐれてもわかりやすい。

Gエリアにブースを構えたマ・プリエールの猿舘シェフ。今年は古くからの友人でフランスに「BIOMOMO HASIMOTO」を展開するハシモト氏のプラリネをシェフの故郷岩手のはちみつと合わせたボンボンショコラが登場した。


女性ショコラティエの躍進や東欧、ロシアなど、これまで知らなかった国のチョコレート文化も見られるようになりました。
海外で活躍する日本人ショコラティエも参加が増え、様々な方向からショコラの世界観を感じることが出来るのはとても刺激的。
カカオから育て加工するビーントゥーバーもフィリピンやインドネシアなど、アジア地域でのプロダクトが登場するようになって身近に感じられるようになりました。
また今回はショコラそのものだけでなく、焼き菓子やケーキ、パン、料理、ドリンク、アイスクリームといった品、イートインも多くなりました。カカオのもつ多様性がクローズアップされ、今後ますますディープなチョコレートの世界が展開されそうです。


世界の選りすぐりビーントゥーバーが揃うJエリアの一角。

Gエリア、フレデリック・アヴェッカー氏のブースには干し草が! 新作「〜カマルグへ続く道〜」アソートには、この香りをガナッシュに移して作ったひと粒が入るからと用意された。

イタリアの小さな村で店を構える日本人「ユミコ・サイムラ ピッコラパスティッチェリア」のユミコ・サイムラ氏(右)とフィンランドの離島オーランド諸島からやってきた「メルセデス・ショコラトリー」のメルセデス・ウィンキスト氏。二人のショコラからは共通の何かを感じる。

「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」のルビーショコ ラタピオカ。ルビーチョコレート、あまおういちごやトレンドのタピオカを組み合わせた映えるドリンク。



パリで25周年と東京で18周年。 それぞれの良さを取り入れながら育っていくサロン・デュ・ショコラを感じとることができました。
それではまた来年。新たな出会いが待っていますね。


サロン・デュ・ショコラ公式日本語サイト
 http://www.salon-du-chocolat.jp/



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