Jean-Paul Heynard外観

バイヨンヌはフランスバスクの中心都市ということもあり、パティスリーが多くあります。
それから、スペインからフランスへチョコレートが伝わってきた際の玄関口ということもあり、チョコレートの専門店も多い街です。
運がいいことに、宿泊したホテルのすぐ近くにもパティスリーがありました。
早速皆で朝からパティスリー巡りを始めます!
まず訪れたのは、Jean-Paul Heynard。間口は小さなお店ですが、奥に長く品揃え豊富なパティスリーです。

アントルメは種類豊富


クラシックなプティガトー

店内には華やかなケーキが並びます。フランボワーズのムースやさくらんぼのタルト、杏とピスタチオのタルトなどのアントルメやフランス菓子定番のエクレア、ルリジューズ、サヴァラン、ババなどが並びます。やはり現地の方が日常的に食べたいのはこういったシンプルなお菓子なんだろうな、と思いました。

大小のガトー・バスクがずらりと並ぶショーケース


美味しそうな生菓子も気になりますが、ここはやはりバスクならではの地方菓子に注目したいところ。時に現在ではなかなか見つからない地方菓子も存在しますが、ガトー・バスクは存在感大きくずらりと並んでいました!
1人用の小さなサイズはナチュール(プレーンのカスタード)、スリーズ(さくらんぼジャム)、ショコラの3種類、大きなサイズはナチュールとスリーズの2種類があり表面の模様で区別しています。大きなガトー・バスクは、分厚くしっとりしていそうな生地の質感で食べごたえがありそう!

ベレー帽の形のベレ・バスク


ミニサイズのトゥーロン

そして、生菓子でもバスク名物の「べレ・バスク」を発見。ベレー帽の形を模したチョコレートケーキです。ベレー帽はバスク地方発祥の帽子ということがありますが、バスク地方はスペインからフランスへチョコレートが伝わった最初の土地ということもありチョコレートのお菓子になったのだと思います。

そして、あまり見かけないお菓子におやっ?…と気になったのが「トゥーロン」。カラフルなかまぼこのようなお菓子がショーケースの上に陳列されていました。
これはパート・ダマンドを着色して作ったコンフィズリーの一種で、バスク名物のお菓子です。鮮やかな色(まさに着色しました!というような色)に、日本人は躊躇してしまうところですが…実はまだこれはかわいい方で、まだまだカラフルでしかも大きなトゥーロンに次々出会うことになります。

スペシャリテのマカロン 2枚1組タイプのマカロンもありました

そして、お店のスペシャリテというマカロンは平べったくヒビがはいったタイプ。一見ロレーヌ地方のナンシーのマカロンとも似ていますね。この他に、似たような生地でクリームをサンドしたらしき2枚組のマカロンもありました。
バスク地方では サン=ジャン=ド=リュズのマカロンが有名ですが、バイヨンヌのパティスリーでもそれぞれ個性あるマカロンを見かけました。こちらのお店を訪れた時には、マカロンがスペシャリテとは気づかず実は食べていません、残念!次回バスク地方に行ったら各お店のガトー・バスクとマカロンを食べたいとひそかに思っています。

Jean-Paul Heynard
6 Rue des Gouverneurs 64100 Bayonne




Daranatz外観と店内の様子

そして、ほど近くには贅沢にもパティスリーが集中しているエリアがあります。Daranatz(ダラナッツ)は、チョコレートとトゥーロンが人気のお店。キラキラと輝く照明と、美しく並べられたショコラやトゥーロンが宝石のような高級感を感じさせる雰囲気です。特別な日の贈り物を買うようなそんなお店だと感じました。



カラフルなタブレットの包装紙が目を引きます
大きなサイズのボンボンショコラにびっくり!

チョコレートは非常に種類が多く、タブレットは産地別やフレーバーをつけたものなど種類別にカラフルな包装紙でくるっとくるまれています。高級感がありながらもよい意味での手作り感もあります。ボンボンショコラも種類が多く、選ぶのが大変なほど。
小さなボンボンショコラもありましたが、びっくりしたのはその3〜4倍ほどの大きさのボンボンショコラもあったこと!これがフランスサイズなのかしら!?とびっくりしたのを覚えています。

小さなトゥーロンの詰め合わせ 平たい大きなトゥーロン

そして、最初のお店でも見かけたトゥーロンが、こちらでも。
バイヨンヌの街並みをデザインした箱には小さな色とりどりの一口サイズのトゥーロンがぎっしり入っています。ピンクや白が主体でお祝いの時のお菓子といった印象です。
それよりも大きくて薄く作られたトゥーロンは、簡単な包装でこちらは家庭用といったところでしょうか。
このトゥーロン、バスクでは一体どんなシチュエーションで食べられているのか気になりますね。この大きいサイズをカットして食べるのか、それともこのままがぶっと一気に食べるのか?そしてどんな時に食べるお菓子なのか等バスクの方に質問してみたいですね。

トゥーロンの製造工程

お店の外の柱にはトゥーロンを作る工程を紹介したポスターのようなものが貼ってありました。
それによるとDaranatzのトゥーロンは1890年創業以来のレシピで作られており、基本的な材料は砂糖とアーモンドです。グラニュー糖を着色してからアーモンドと合わせることで色付きのパート・ダマンドができます。それらを数種類の色で組み合わせたり、ドレンチェリーやプルーンなどのドライフルーツに挟んで様々なバリエーションを作るようです。

Daranatz(ダラナッツ)
http://www.daranatz.com/
15, Arceaux Port Neuf 64100 Bayonne




Chocolat Cazenave外観

Daranatzと同じくショコラがおすすめのお店がChocolat Cazenave(ショコラ カズナーヴ)です。
1854年創業の老舗のショコラ専門店です。お店の奥にはサロンがあります。こちらで是非飲みたいのがショコラ・ショーとショコラ・ムソー(Chocolat mousseux)のチョコレートドリンク2種。ショコラ・ショーは、ねっとり濃厚ないわゆるチョコレートドリンク。ショコラ・ムソーは昔ながらの製法で泡立てて作ったというチョコレートドリンクでショコラ・ショーよりはサラッとして軽い飲み口です。たっぷりの泡が特徴的です。生クリームが添えられてくるので、好みで後から加えて味の変化を楽しめます。食器は小さなバラが清楚でかわいらしいリモージュ焼き。このカップの販売もあったので、次回訪れたら是非買いたい!と思っています。

ねっとり濃厚なショコラ・ショー たっぷりの泡が特徴のショコラ・ムソー

ガトー・バスク


ブリオッシュとクロワッサン

サロンでは、ガトー・バスクとヴィエノワズリー(ブリオッシュとクロワッサン)もいただきました。ガトー・バスクはクリームの割合が比較的多いしっとりしたタイプ。ブリオッシュとクロワッサンはもともとバターリッチなパンですがそれほどしつこさはなく、ショコラ・ムソーやショコラ・ショーと一緒に食べるのにちょうどいい感じでした。

Chocolat Cazenave(ショコラ カズナーヴ)
19, Arceaux Port Neuf 64100 Bayonne
http://www.chocolats-bayonne-cazenave.fr/



ショコラとガトー・バスクで、体全体があま〜くなってきたところですが、この後もバイヨンヌのお菓子巡りは続きます。






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