バイヨンヌの朝市を楽しんだ後、ニーヴ川沿いを歩きながら向かったのは、「Pierre IBAÏALDE」(ピエール・イバイアルド)です。


ニーヴ川沿いの街並み

生ハムを仕込んでいる看板が目印


Pierre IBAÏALDE外観


バイヨンヌは生ハムが有名な地で、このお店は生ハムをはじめ様々な加工肉を製造、販売しています。ここでは事前にお願いすれば工房見学ができるということで、生ハムの製造工程を見学させてもらいました。

パテやリエットなどの加工品がずらっと

店舗には、様々な加工肉の商品が並んでいます。瓶詰や缶詰なので、日持ちがすることから遠方のお土産としても人気です。この売り場はまた後ほどじっくり見るとして、まずは2階にある工房に向かいます。

生ハムに使用する調味料 生ハム用のバイヨンヌの岩塩


生ハムを作るには、メインとなる豚はもちろん香りと味を付ける香辛料も大切な役割を果たします。こちらでは、バイヨンヌ産の岩塩、胡椒、パセリ、エスプレット(バスク名産の唐辛子)、酢を使用しています。香辛料はバターを攪拌する装置を利用してミックスされているとのこと。
そんな説明を受けているときに、工房のはしで豚のイラストが可愛らしい塩袋を見つけました。どうやらバイヨンヌの塩でハム専用に使用されるものらしいですね。

塩と香辛料をまぶし数日間ねかせる


天井からつりさげて熟成させる

豚肉に塩と香辛料をまぶした後、冷蔵庫で数日間ねかせます。
味が馴染んだら一度洗い流し、今度は乾燥させつり下げて熟成させます。
その様子を見せてもらいましたが、天井からたくさんの豚肉がつりさげられている姿は圧巻でした。
1Kg分の生ハムを作るのに約1ヶ月間を要するので12Kgの豚のかたまりが生ハムとして完成するには1年かかるということですね。

この中から数種類試食しました

工房見学を終えて、最後に試食タイムです。
大きなテーブルには赤と緑のラインでデザインされたバスクリネンのテーブルクロスがかけられ、その上には生ハムやリエット、その他様々な加工品が並んでいました。
やっぱり食べてみないとわからないですものね! 味見をさせていただけるというのはとてもありがたいことです。

アショア・ド・ボー ピペラード

生ハムはもちろんお勧めですが、日持ちするものとして特にお勧めの2品をご紹介したいと思います。
仔牛のAXOA(アショア)。アショアはバスクの伝統的な家庭料理で、牛肉や羊肉に細かく刻んだ玉ねぎ、ピーマン、ニンニク、エスプレット、塩、コショウ等を加えて煮込んだもの。これは仔牛を使っているので仔牛のアショア「AXOA de Veau(アショア・ド・ボー)」と呼ばれています。ゆでたジャガイモやお米と一緒に食べるのが定番だそうです。

そして、こちらもバスクの定番料理 Peperade(ピペラード)。バスク風ラタトゥユです。トマト、タマネギ、ピーマン、ニンニクをオリーブ油で炒めてエスプレットで風味づけしたものです。定番の食べ方としては溶き卵をおとしたり、加熱した生ハムと合わせていただきます。そのほかに肉や魚にソースとして添えて食べることもあります。

そのほかにも生ハムやソシソン、リエットやフォアグラなど、美味しそうなものばかり! でも実はこの当時(9年前)はあまりこういった加工肉や地方料理のことをそれほど知らなかったのと、ワインもあまり飲まなかったので、あまり買い物をしませんでした。もし今の自分なら、もう楽しくなってあれやこれやいっぱい買ってしまいそうです。やはりその時の自分の興味や知識で食べたいもの、好きなものは変わってくるものですね。



Pierre IBAÏALDE(ピエール・イバイアルド)
http://www.pierre-ibaialde.com/
41 Rue des Cordeliers, 64100 Bayonne







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