ブルターニュお菓子旅行もいよいよ後半戦。
レンヌから入り、西へ西へと移動してきました。
今回はブルターニュ半島の最も西の県フィニステール県にあるカンペールを紹介したいと思います。
フィニステールは、フランス語でFinistèreと書き、直訳すると「地の終わり」ですが、最果ての地を意味するといってもいいでしょうか。ここは、フランスで最も西に位置するため、そういう名前がついているのだと思います。初めて聞いた時にはそのフィニステールの意味が興味深く、今でも強く印象に残っています。

青空に映える美しい花々 サン・コランタン大聖堂


カンペールに着いた日はとても天気に恵まれていました。
夏のフランスではよくみる光景ですが、橋には色とりどりの季節の花が美しく咲いています。特にブルターニュは紫陽花が目立ちます。土壌の成分によるものでしょうか、あちこちで美しい色の紫陽花を見かけました。またそれは今後紹介していきたいと思います。
オデ川沿いをしばらく歩くと白っぽい大きなお城の様な建物が見えてきました。
これは、「サン・コランタン大聖堂」です、ブルターニュ地方で初めて作られたゴシック様式の大聖堂です。中に入り、美しいステンドグラスを見ることもできます。


カンペール焼きをデザインしたトラム

大聖堂に近づくとこんなかわいいトラムを発見!
最近フランスの地方に行くとこういった観光トラムを見かけることが多いのですが、こちらはカンペール名物「カンペール焼き」のデザインを施したトラムです。まだこういうトラムに乗ったことはないのですが、一度チャレンジしてみたいものですね。


マカロンが人気のパティスリー

カンペールの街歩きをしていたら、早速パティスリーを発見。ブルターニュの民族衣装を着た女性の人形が目印です。

中に入ると、やっぱりありました!ブルターニュの郷土菓子クイニーアマン。
大きなサイズはクルクルっと巻いた生地が4つつながった様な形。初めてこの形のクイニーアマンを見た時には驚きましたが、ブルターニュ地方ではこの様式が定番。日本に伝わったクイニーアマンは、確かピエール・エルメが洗練されたクイニーアマンを作ったものがベースになっているので表面がフラットで飴色艶々なものが主流ですよね。同じお菓子でも解釈の仕方や伝わり方でこんなにも変わるんだなぁ!と驚きました。

定番のクイニーアマンは定番 小さなクイニーアマンも何種類か


小さなお店ながらたくさんのお菓子が並んでいました。
私が気になったのがポメというお菓子。食べてないのですがおそらくフィユタージュ生地でりんごをサンドしたお菓子です。りんご栽培が盛んなブルターニュらしいお菓子ですね。そして、定番ファーブルトンも大きなサイズでどんっと構えていました。

りんごのお菓子ポメ プラム入りファーブルトン

カラフルなマカロンが何種類も!

こちらのお店、看板に「マカロン」の文字が入っていたのでマカロンがスペシャリテだと思います。地方のマカロンかな?と思いましたがカラフルなマカロン・パリジャンでした。私としては地方にきたら、その地方のマカロンを食べたいと思い、購入はしなかったのですが、きっと現地の方にはお土産ものなどに人気なのでしょうね。


Maison Georges LARNICOL外観

続いて、またお菓子屋さんを発見!小さな田舎のお菓子屋さん風ですが、各地に店舗展開している「Maison Georges LARNICOL」です。パリにも何店舗かありますね。MOF職人のお店です。ショコラやクイニーアマン、サブレなどが人気です。珍しいのがクイニーアマンのミニサイズ「Kouignettes」(クイネットと呼ぶのかな?)があることです。ピスタチオやシトロン、フランボワーズ、ショコラ味など、バリエーション豊富です。それからブルターニュ特産のそば粉を使ったサブレもあります。フランスには珍しく包装されたお菓子が多いのでお土産ものとして重宝しますね。

カラフルメレンゲやサブレ 小さなクイニーアマン クイネット


パティスリー巡りの後に訪れたのはこの辺りで美味しいと評判のクレープリー「Crêperie Sucré-Salé」。木骨組の伝統的な建物のお店です。とてもカジュアルなお店で比較的広かったのでふらっと訪れてもOKな雰囲気のお店です。まずメニューを見ると…あまりにもメニューが多すぎて選ぶのが大変!生地のベースは同じでも上にのせるトッピングが何種類もあるので悩む悩む…
結局私が選んだのは、スペシャリテメニューの1つにあったトマト、ベーコン、シャンピニオンのクリームソースのガレット。結果とても美味しかった!
レンヌのクレープリーで食べたものとはまた生地の感じが違います。薄めで少しモッチリ感があるような気がします。

Crêperie Sucré-Salé


メニューがありすぎて迷います!

定番のハム、チーズ、卵のガレット・コンプレもやっぱり一度は食べておきたい一品。
デザートにはバターとグラニュー糖をかけたシンプルなクレープを頂きました。
全体的にお値段もとても安く(デザートのクレープはなんと2.3ユーロ!)、お食事系でも大体6ユーロ前後なので、かなりのお得感があります。
これならついついシードルやらデザートなど色々と頼みたくなっちゃいますね。

ガレット・コンプレ バターとお砂糖のクレープ

ランチ後、またまた街巡りでパティスリーを発見。その名もAu Bon Vieux Temps(オー・ボン・ビュー・タン)!日本にも同名のパティスリーがあるのでビックリしましたが、多分つながりはないと思うのですが、ついついテンションがあがってしまいました。

Au Bon Vieux Temps外観

お店は素朴なお菓子やサンドイッチが並ぶ、地元に根ざしたパティスリーです。
たっぷりのミルティーユや苺がのったフルーツのタルト、大きなガトー・ブルトンやクイニーアマン、具沢山のサンドイッチなどが並びます。

フルーツのタルトやサンドイッチ


ガトー・ブルトン

お店の前にはアイスのワゴンがあったので、食後のデザートということで、アイスを頂きました。私が選んだのはフレーズ・デ・ボワ&ヨーグルト。フレーズ・デ・ボワは日本では野いちごとか、森いちご、と訳されますが、とても小さな苺で、ヨーロッパでは人気のフルーツです。日本ではあまり食べる機会がないのでこちらをセレクト。ヨーグルトの爽やかさとあいまって甘酸っぱい風味が美味しかったです。

フレーズ・デ・ボワ&ヨーグルトのアイス

食べ物の話ばかりが続きましたが、カンペールといえばやはり陶器の「カンペール焼き」です。私たちはHenriot-quimper(アンリオ・カンペール)を訪問しました。アンリオ・カンペールはルイ14世の時代に王家に設立された300年以上続く歴史があり、まず入り口入ってすぐの壁にずらっと並べられたカンペール焼きのお皿が出迎えてくれます。
カンペール焼きは、人や動物、花や草をモチーフにしたもので、ブルーやイエローを使った明るい色合いのものが多い印象です。もちろんいろいろなシリーズがあるのでピンク一色のものもあったりしますが、私の中でのカンペール焼きはそういった印象です。
南仏の陶器にも似た雰囲気がありますが、大きく違うと感じるのは人物の顔がちょっと寂しそうなところ。眉が下がった表情なのが気になります。これには何かのストーリーがあるのかな?と思うのですが、そこがブルターニュらしい何かが秘められているのでは?と想像しています。



Henriot-quimperのショップ
カンペール焼き

少し寂しげな表情は何を物語っているのでしょうか


一緒に訪れたカフェを経営する女性は、贅沢にもお気に入りのシリーズ一式揃えて購入していました。陶器なのでとても重いのですが、旅行に慣れて英語もフランス語も堪能な彼女は、配送手配をお願いしました。さすがですね。ちなみにもちろんお値段は高くなりますが日本にも代理店があるのでオンラインで購入することができます。
買わなくともブルターニュに関係する飲食店にいけば、もしかしたらカンペール焼きに出会うことがあるかもしれませんね。ちょっと覚えていていただけると嬉しいなと思います。



Maison Georges LARNICOL
  http://www.chocolaterielarnicol.fr/
Crêperie Sucré-Salé
  6 Rue du Salle, 29000 Quimper
HENRIOT-QUIMPER
  Place Bérardier - Locmaria 29000 Quimper
  http://www.henriot-quimper.com/






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