クイニーアマン発祥の地「ドゥアルヌネ」から海を眺めながら東に向かい、次の目的地「Locronan(ロクロナン)」を目指します。



車で20分ほど離れたところに、ロクロナンはあります。
まるで中世の時代から時が止まったようなその町は、石造り(花崗岩)の建造物が荘厳な雰囲気を醸し出しています。この日は幸運な事にとても良いお天気で、雲ひとつない真っ青な空にロクロナンの町並みが非常に美しく映えていました。

案内版の文字も中世を感じさせる雰囲気


小さな小さな村ですが、ロクロナンは「フランスの美しい村100選」の1つにも選ばれていて、フランス人にも人気のスポットになっています。
6世紀にアイルランドからキリスト教を広めるためにきた修道人「ロナン」の名に由来するロクロナンは、15世紀以降この周辺でとれたヘンプ(亜麻)を使った帆布づくりによって繁栄しました。その栄えた当時の教会や建築物が美しく保存されており、当時の町並みそのままを感じる事ができる貴重な村です。

村の中心部にあるのは、15世紀に作られたというサン・ロナン教会。
それほど大きくはないのですが、中に入ると美しいステンドグラスやゴシック様式ならではの高い天井、そして横たわっている聖ロナン像を見ることができます。

まっすぐな一本道の先に堂々とそびえ立つのは、サン・ロナン教会


現在は観光地として人気ということもあり、中世の趣を残しつつも観光客向けのショップも多くあります。インテリア系の雑貨屋さんやブーランジュリーなど、昔の建物ながら現在のお店をしっくりと合わせているところがフランスらしく素敵ですね。

歴史ある建造物を活かしたお店が数多くあります


ブルターニュを訪れる前から聞いていたお菓子屋さんにも行きました。
ここは、クイニーアマンを中心にブルターニュのお菓子(主に焼き菓子)を売っているお店です。以前カンペールのレポートの際にも紹介した「Maison Georges LARNICOL」と同じ系列のお店です。
ここではアルミ皿で焼いた大きなクイニーアマンや小さなクイニーアマン「クイネット」、そば粉を使ったサブレなど、ブルターニュらしいお菓子が数多く並んでいます。

小さな村ロクロナンにもお菓子屋さんがあります!


大きなクイニーアマンは、直径18cmくらいでそれほど大きすぎないのでお土産にも良さそうです。こうやってアルミ皿で焼かれるととても素朴で家庭的な雰囲気ですよね。

アルミ皿で焼いた大きなクイニーアマン


小さなクイネットは、一口サイズで色んな味があるのが魅力的。
この時は、プレーンの他にサクランボ、ココナッツ、アプリコット、塩キャラメル、ラムレーズンなどの味がありました。

ミニサイズのクイニーアマン「クイネット」


そして、大きなチョコチップクッキーの様なお菓子「La Torchette」はスペシャリテなのか、かなり目立つように色んな箇所に置かれています。袋入りだったりカゴ入だったりサイズも色々あります。
説明を見ると、アーモンド、ヘーゼルナッツ、レーズン、卵白などを使ったガレット。卵黄やバターは不使用とのことなので比較的リーンな生地なのかな、と思います(クロッカンに近いのかもと想像しています)。こちらのお店はパリにもお店があるので、次回訪れる機会があればこのLa Torchetteも食べてみようと思います。

素朴な焼き菓子 La Torchette


ロクロナンを散策していて、古い町並みと同じくらい強く印象に残ったのは紫陽花の美しさ。日本でよく見る紫陽花にくらべ、非常に色が濃くてまた違った美しさ。
何枚も写真を撮りたくなるほど、美しいその色彩は今でもブルターニュ旅行の大きな思い出となっています。

ブルターニュのあちこちで紫陽花を見かけましたが、特にこのロクロナンの情緒ある光景の中で見る紫陽花はまた格別だな、と思います。

ロクロナンの町並みに紫陽花の鮮やかな色彩が映えます


さて、このブルターニュのお菓子旅もロクロナンが最終の地ということで、少し南下しカンペールの駅に移動しました。カンペールの駅では、名物のカンペール焼きのお土産なども並んでいます。カンペールを訪れたのはロクロナンを訪れたわずか一日前だったのですが、旅行中は朝から晩まで色んなところを訪れては食べているので、もっともっと日が昔のことのように錯覚してしまいます。

カンペールの駅に到着


黄色い刻印機にチケットを入れるのを忘れずに!

駅のお土産屋さんには、カンペール焼きが並ぶ



ブルターニュを後にしてTGVで向かうのはパリ! これからパリのお菓子旅が始まるのです。車内ではドゥアルヌネで購入したガトーブルトンとクイニーアマンを食べながら、次はいつブルターニュに行けるかなぁ…なんて考えつつブルターニュの思い出に浸るのでした。

ドゥアルヌネで買ったガトー・ブルトン(左)とクイニーアマン(右)



ブルターニュのお菓子旅はこれで終了ですが、次回レポートではこれまでのブルターニュ滞在で出会った印象的なお菓子をご紹介していきたいと思います!



さよならブルターニュ! TGVでパリへむかいます。






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