前回のレポートで、ブルターニュ地方のお菓子の旅はひとまず終わりましたが、今回は旅の途中で食べたお菓子や、お土産として持ち帰ったお菓子達をダイジェスト版的にご紹介したいと思います。

まずは、レンヌのパティスリー「ル・ダニエル」にて。
ル・ダニエルを訪れたのは、ブルターニュへ降り立って最初の頃。
ずっと行きたいと思っていたパティスリーなのでやや興奮気味にお店に入ったことを思い出します。お店で買ったお菓子たちをお店の外にあるテーブルに広げてわいわいと撮影会をしました。ガレット・ブルトンヌや、焼きっぱなしのマドレーヌ、マンディアンのタブレット、ヌガー・モンテリマールなどなど。さすが地方菓子好きなメンバーばかりなのでセレクトが渋い!小さなお菓子も多く、しっかり個包装されているのでお土産にも活躍しました。

ル・ダニエルのお菓子たち マンディアンのタブレット・ショコラ


ル・ダニエルでは郊外のラボでお菓子も教えて頂きました。
その時教わったのがガレット・ブルトンヌとパレ・ブルトン。
どちらもブルターニュ地方らしく、バターリッチで甘じょっぱい味。これは帰国後自分でも何度か作りましたが、発酵バターで作るととても香りがよくザクザクっとした食感がたまりませんでした。

ガレット・ブルトンヌとパレ・ブルトン



ル・ダニエルの近くの朝市で偶然見つけたこのお菓子も地方菓子好きには見逃せませんでした!
チーズ専門店で売られていたこの真っ黒なお菓子!ブルターニュ地方の南方にあるポワトゥー・シャラント地方の郷土菓子「Tourteau fromage (トゥルトー・フロマージェ)」。
高温で焼くことで表面を真っ黒に焦がしたチーズケーキです。こんなに真っ黒なので食べるはちょっとドキドキ…。しかしながら見た目のインパクトとは裏腹にあっさりさっぱりした優しい味でした。
ブルゴーニュ地方でこのお菓子が食べられるとは思わず感激した覚えがあります。

トゥルトー・フロマージェ 真っ黒な焼色にびっくり

朝市では、コンフィチュールの専門店「 La Cour d'Orgeres」もありました。
ブルターニュ地方は野菜やフルーツの栽培も盛んだということも関係するのでしょうね。
旬のフルーツを使ったコンフィチュールがずらっと並び、色々と試食もできたので楽しかったです。ここではハチミツを購入しましたが、とっても美味しく帰国後大切に少しずついただきました。次回はコンフィチュールも購入したいなと思っています。

レンヌの朝市でみつけたコンフィチュール専門店



ブルターニュ地方は、美味しい焼き菓子が多いな、と感じました。キブロンのパティスリー「メゾン・リギデル」では、四角い焼き菓子「ガレット・リギデル」やふんわり軽い「ファー・ブルトン」、薄くてバターリッチな「クイニー・アマン」など地方色豊かな焼き菓子が勢揃い。地元のお客さんに愛されているのを感じる素朴なお店でした。



キブロンの漁師をデザインした包み紙
ガレット・リギデル
ふわっと軽いファー・ブルトン



旅の後半では、クイニー・アマン発祥の地を目指して「ドゥアルヌネ」へ。
お菓子の発祥の地を目指す旅なんて、お菓子好きならではですよね。
ここでは、日本で見かけるクイニー・アマンとは全く違う元祖クイニー・アマンに出会いました。なんだかペタッとして表面の生地が重なりあった質感ですが、じわっと染み出てくるバターの旨味を感じました。そして同じお店には珍しく四角にカットしたガトー・ブルトンもあり、興味をそそられました。

ドゥアルヌネのクイニー・アマン 四角いガトー・ブルトン



日本に持ち帰ったお土産で皆さんに喜ばれたのがこちら。
カンカルのパティスリー「グラン・ド・ヴァニーユ」で購入したガレット・カンカレーズ。バターたっぷりの生地はサクほろっとしたもろい食感で、あとから塩味がじんわり広がります。
たくさん入っているので人が集まるところへのお土産にも向いていますね。でもついつい一人占めしたくなる美味しさだったりもします…。

ガレット・カンカレーズ


バターリッチな味わいです

同じくグラン・ド・ヴァニーユのパウンドケーキ。
数種類ある中からジャンジャンブル(生姜)とキャラメルのパウンドケーキをセレクト。
このぷくっと大きくふくらんだ生地がなんとも愛らしいですよね。すこしキメが粗く、どっしりしたところがフランスらしくてとても好みの味でした。

ふっくら浮いた姿に惚れぼれ キャラメル生地に生姜のコンフィ入り



そしてこちらもお土産として活躍したお菓子。
ブルターニュ地方をはじめフランス各地に店舗がある「Maison Georges LARNICOL」の焼き菓子です。これは、ブルターニュ特産のそば粉を使ったサブレと、ショコラのサブレです。
パティスリーのお菓子ですが、結構素朴な風合いで親しみやすい味でした。
そば粉はバターと相性がいいなぁ!と改めて感じさせてくれました。

たくさん入っているのでお土産にもおすすめ


そば粉とショコラのサブレ

一口サイズのクイネット



私達日本のスイーツファンにとっては、ブルターニュといえば真っ先に思い浮かぶのが「アンリ・ルルー」かもしれませんね。
塩キャラメルの魅力をフランスのみならず日本にも伝えたブランドです。
キャラメルがとても有名ですが、それと同じくらいショコラも上質で美味しいことで人気の高いアイテムです。
やはりここで買ったおみやげはタブレット・ショコラとキャラメル。
キャラメルは、そばのフレーバーとデモンストレーション研修で教わったピナコラーダ味のものを、ショコラはキャラメリゼしたアーモンド付きと、サクサクしたクレープ・ダンテル入りのシンプルなものを購入。
今や日本でも幾つかのアイテムは購入できますが、キブロンの青い海を思い出しながら頂くとまた格別です。

アンリ・ルルーのタブレット やはりキャラメルは外せません!

パティスリーというよりは、カフェやクレープリー、家庭で気軽に食べるデザートが「クレープ」。日本だと生クリームやフルーツをぐるぐる巻いて…というスタイルが人気ですが、ブルターニュ地方では、バターとお砂糖をざっとかけたシンプルなものが主流です。
なんといっても粉やバターが美味しいので、これだけでも充分なのです。お酒が飲めればブルターニュ地方名産のシードルと合わせるのもいいですね。

シードル博物館にて クレープリーでデザートに頂いた一枚

現地で楽しみたいのはクレープの他にもアイスやデザートなど。
パティスリーでは夏の間自家製のアイスを出しているところが多いので、一度は食べたいですね。バニラやピスタチオなどのクリーム系も好きですが、私はフランスの美味しいフルーツを堪能したいので、フランボワーズやアプリコットなどを選ぶことが多いです。その土地の景色を楽しみながらアイスを食べるのは、本当に贅沢な気分です。

フルーツの美味しさを堪能!



振り返ってみると、ブルターニュ地方は、他の地域に比べバターや粉が主役の焼き菓子が多いですね。そしてその土地ならではのそば粉やりんごを使ったお菓子もあり、郷土色豊かな土地です。クイニー・アマンやガレット・ブルトンヌなど、比較的日本でも親しまれている焼き菓子も、現地で見て食べると見た目も味も全く違う印象があり、それもまた楽しく貴重な機会となりました。

お菓子以外にもブルターニュの青い空と青い海、そして美しい紫陽花の光景は今でも目に焼き付いています。

海に突き出たブルターニュ半島は自然の豊かさと自然の厳しさを感じる土地でした。その土地で育まれた食材と、その食材で作られたお菓子や料理に出会え、ほんのわずかですがブルターニュを理解できたような気がします。

ただ、まだまだ知らないこともいっぱい。というか、まだ知らないことのほうがいっぱいです。次ブルターニュに行くのはいつだろうか、と楽しく考えながら今回のブルターニュお菓子旅のレポートを終えたいと思います。
次回は番外編、パリでめぐったパティスリーをご紹介したいと思います!






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