ドゥー・シュークル
佐藤 均 さん
 
<経歴>
調理師学校卒業後、「軽井沢万平ホテル」に入社。
料理人を志していたが、デザート担当になったのがきっかけでお菓子の道へ。
「和光ケーキショップルショワ」で勤務し、ベルギー、ルクセンブルグ、フランスで3年間の修業を経て帰国。
「ル・フォワイエ」のシェフパティシエを勤めた後98年に独立。

   




都心ではなく、平井というこの土地にどうして店をもったのか。よく聞かれる質問ですが、自分ではあまり下町という意識はありません。地域性としては、年齢層の幅が広いな、と感じます。新しく移り住んできた人も多い町なので一人暮らしや新婚の方も案外多いんですよ。



「ル・フォワイエ」にいた7年間は、ヨーロッパにいた頃の味をそのまま作っていました。
でもこちらに移ってきてからは、定番商品は全てゼロから見直しました。
レシピから材料に至るまで、何度も変えては試しましたよ。
例えば焼き菓子には一部国産小麦を使うようにしたら、シュー皮のふくらみもよくなったし、焼き菓子の味わいにも深みが出るようになりました。たかが粉なんですがね。
うちのシュークリームは、出来立てよりも1時間たったくらいが一番おいしいんです。
クリームを味わうお菓子だと思っているので、皮とクリームに境目がなく一体感があるのが理想なんです。皮は前日によく焼きこんで、当日もう一度焼き直すという作り方にしています。上に白ごまをのせたのはフトした思いつきからです。アーモンドダイスじゃありきたりだし、と思ってふってみたらこれが評判よくって。「ごまシュー」なんて勝手に呼ばれていますよ。週末には400〜500個売れる人気商品になりました。

ガトーショコラは過去には作っていなかった商品です。何か定番のチョコレートケーキを、とオープンの時に考えたのですが、フォレノワールのようなものより、チョコレートと生クリームをひとつの生地に合わせてしまったものにしようと生まれたんです。そのうちアレンジしようと思いつつ、よく売れるのでずっと当初のままの形で残っています。
他の生ケーキについても、「ル・フォワイエ」時代と同じものはひとつもありません。
焼き菓子に関しては、ひとつの生地にいろいろなフレーバーを加えればヴァリエーションは無数に広がりますが、そういうのは好きじゃないんです。
やはりひとつの焼き菓子にはそのもの本来の味というのがあるはずですから、それを変にアレンジせずに作りたいですね。

今はショーケースが狭いのですが、もう少し長くしてあと10種類は多く揃えたいです。長さにして1mくらいでしょうか。そしてイートインスペースもつくりたいんです。今1Fにある厨房を少し残して移動して、店内からも少しオープンキッチンで見えるようにして、とまだまだ夢はつきません。



取材日2003年2月24日
ドゥー・シュークル
東京都江戸川区平井4-8-8
03-3636-3103

佐藤さんの秘密