「セ・ジュール」 藤田 剛(ふじた たけし)氏


藤田さんをクリックすると声が…

東京都狛江市出身。千歳烏山の「たちばな」百合ヶ丘「ニコラス」で修業。23才のときセ・ジュールを開店。



ケーキを食べること、そしてものを作ることが好きだったという藤田さん。祖師ケ谷大蔵の菓子店「ニシキヤ」さんで働いていた先輩から仕事の話を聞いているうち「お客様に喜んでもらえる、芸術的な職業」と思い、この仕事を始められたそうです。

若くしてお店を持ち、現在16年目という藤田さんが、お菓子を作るときに大事にしているのは"心をこめて丁寧に、大切につくること"。「心づくし」がポリシーです。そしてお客様には常に新しいものを提供したいと思っているそうです。以前、セ・ジュールでケーキを買ったとき、一つひとつ大事そうに箱に詰めてくれる藤田さんがとても印象的だったのですが、それは「家に帰って箱を開けたとき、ケーキが出来るだけそのままの状態であってほしい」という願いからのことでした。

お店の宣伝もあまりハデにせず、人づてに広まっていくのが理想だそう。そのほうが本当にセ・ジュールのお菓子が好きな、いいお客様に来ていただけると考えているそうです。そうした常連さんが毎年心待ちにしているのは、冬季のみ作られる生チョコレート。他店では10月頃から売り出されるようですが、セジュールでは、その年の気候によって作る時期を変えています。「口どけを大事にやわらかく仕上げているので、寒くならないと作らないんです。」と昨年は10月まで暖かく、時期がだいぶずれ込んでしまい、お客様は首を長ーくして待っていたようです。3月末頃までの限定なのでお店に急いで!!

藤田さんの一番の夢は、ワンフロアで工場が見えるお店にすること。店舗を増やすのではなく、お客様から作っているところが見えて、また作っている側からもお客様が見える…お菓子を焼いているにおいや雰囲気が伝わるようなお店にしたいそうです。

いつもお客様のことを第一に考えている藤田さんのお菓子は、優しさにあふれ、食べた人をふっと和やかな気持ちにさせてくれます。
取材日 1998年




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