頑固一徹!安全・安心をテーマにケーキづくりを貫く


LA TERRE(ラ・テール洋菓子店) 中村逸平さん
僕がお菓子の世界に足を踏み入れたのは、近所の店を手伝いはじめた小学6年生の頃でした。家計を助けるためのいわば、今で言うバイトです。1日お駄賃程度の80円だったかな。掃除から天板拭きまで、雑務全般何でもやりましたよ。もう40年も前の話になるかな―。


その後、本格的に洋菓子に携わるようになって、常に考えてきたのはお客さんに安心して食べてもらえるお菓子を作りたいということ。独立するにあたっては、まず安全・安心をテーマにしようと決めて、お菓子づくりの基本である卵、牛乳、小麦粉などに気を配りました。特に小麦粉は国産モノにこだわりたかった・・・。グルテンが強くてお菓子づくりに向かないと言われていますが、子供からお年寄りまでが安心して食べられるケーキを作りたい一心で、全国から取り寄せては試作を重ねて、現在使用する農林61号という品種に出合った訳です。


できる限り有機や無農薬もしくは減農薬でと思うと、使いたい素材が使えない場合もありますが、アレルギーをお持ちのお子さんにも食べてもらいたいじゃないですか。美味しさを追求するのはむろんのこと、第一に新鮮な食材で安全・安心をコンセプトにする洋菓子屋があってもいいでしょう。添加物や色素も使わずに、いくら食べても胃にもたれない、素材の旨味を生かしたお菓子が理想です。苦労は多いんですけど、生産者側と手を結んでお菓子づくりをしていければいいなと思っています。お客さんに選ばれる"私の店"にならなければね!。ただ夢のある仕事だから楽しみながらやっていますよ。(笑) 食べる鮮度も重要ですね。店ではテイクアウトするにあたって、持ち帰りの時間や、車で自転車、徒歩など詳しくお客さんに伺うのも、ベストな状態で食べてもらうために必要なことと考えています。

最近は国産の小麦の味がシンプルに生かせるパンづくりにも興味があって、この秋に洋菓子店の目と鼻の先に食事パンを中心にした本格的なベーカリーを出店する予定です。焼き立てのバゲットを朝食に食べてもらいたいから、営業は朝6時から。それぞれの独立性を高めあう存在になれればと思っています。






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中村さんの秘密