リトル トリー 高木 康弘さん
<経歴>
1973年生まれ、相模原出身。
大学卒業後しばらくして「サンレモ」で働く。
6年いた後、サンレモの支店をまかされる。
店が立ち退きになるまでの半年を勤め、
その後ここの準備にあたり、2001年12月開店。
僕、皮膚がとても弱かったんです。それで、大学卒業後は勤めずに温泉治療をしていました。そんなとき「サンレモ」で働いていた友人が、「おまえもサンレモで働いてみたらどうだ」って勧めてくれたんです。パン屋になるつもりはなかったけれど、温泉の交通費くらいは自分で稼がなくちゃと思うじゃないですか。「治療の温泉に行くための交通費を稼ぎたいから」と正直に店に伝えて働かせてもらったのがこの世界へのきっかけです。

そこで使っていたのは、国産小麦、天然酵母。これが、体にいいばかりか、思いのほか美味しかったんですね。それですっかりはまってしまって、結局6年そこで働いていました。その後、この近くにあったサンレモの支店を任されていたのですが、そこが閉店するときに独立を決めました。

ほんとは独立はまだ5年先くらいかなと思っていたのだけれど、物件など色々なタイミングが重なって、今こうしてやっています。サンレモ支店時代のお客様がそのままついて来てくれるのが一番心強いですね。それから、サンレモの好意も心強い。レーズンの酵母は自分で起こしていますが、玄米酵母はいまだに週に1度、サンレモから譲ってもらっているんです。無農薬の小豆で作ったアンコもです。

できる限り添加物のないもの、と選りすぐっていると、どうしても原価が上がってしまい、パンの単価にも反映されてしまいますよね。それもあるのか、お客様は年配の方が多いです。でも、若い人にこそ健康なものを食べて欲しいという気持ちもあるので、もっと客層が広がるといいと思っています。


今、店は週休2日です。火曜と水曜が休み。水曜は翌日の仕込みがあるので、実質の休みは一日。それでも他のパン屋と比べると大名商売だねと言われることもあります。確かに、週の休み以外に、年に2度は10日や2週間という長い休みも取る予定でいます。パン屋って、休まずやるのが美徳、みたいに思われているところありませんか? でもそうではなく、たくさん休みをとったっていいんだよ、やっていかれるよ、というのを示してみたいと思うんです。

作っているパンは食パン、カレーパン、あんぱんとオーソドックスな日本人好みのパンが多いと思います。これからは定番商品とは別に、長い休みをとって海外旅行に行った時に学んできた海外のパンを、本格的な味わいは残しつつ、国産小麦と天然酵母でアレンジして、紹介していきたいと思うんです。休んでもこういう形で還元して、お客様にも楽しんで喜んでいただく。そんなパン屋があってもいいと思うんです。

まだオープンして半年だから、学んできた海外のパンは一つだけ。インディアンのタコスです。ラップサンドのような感じでなにかいいアレンジができそうだという手応えですから楽しみにしていてください。


リトルトリーの基本素性

天然酵母を使用します

外国産小麦は使用しません

白砂糖・精製塩は使用しません

水道水はそのまま使用しません

ショートニングは使用しません


リトルトリー
町田市玉川学園2-8-28
042-728-5561

高木さんの秘密