「Noliette」 永井 紀之 氏 |
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1961年、東京・世田谷生まれ。 コック志望で杉並のレストランに勤務。 約半年後レストランの閉店を機にお菓子の世界へ。 オープン当時の「オーボンヴュータン」で2年修業後、渡仏。 ヴァランス「ジロー」、ジュネーブ「ホテルインターコンチネンタル」で6年修業。 ‘93年秋、独立。 |
休日に自転車でふらふらしていて目に留まったお店、ノリエットとの出会いは4年前。「下高井戸にもこんなお店ができたんだぁ」と思っていたのも束の間、今では雑誌のおいしい店特集には必ず顔をだし、ホームページ上の数々のランキングでも上位を占める人気店に。しかし永井シェフは「自分でつくったもの、自分の好きなものを並べる」という姿勢を崩さず、完成度の高いお菓子を作っている。 パティスリー、ヴィエノワズリー、コンフィズリーと総合的な品揃えにまず驚き、「うちは機械を使わず手で作ってます」という永井シェフの言葉にまた驚き... 渡仏経験の長いシェフいわく「日本ではお菓子をプラモデルっぽく作っているところが多い」と。フランスでは菓子作りの技術的なことだけでなく、食文化の奥深さ、人生の価値観をも学んだという。 「やりたくないことはしない」がポリシー。例えば、素材を選ぶ時は値段をできるだけ見ないで、自分でいいと思ったものを使っているそう。「それをつくるために必要ならば仕方ない」と割り切っているが、スタッフからは「ヤバイですよ」と言われることもあるとか。 永井シェフのお菓子はきっちりした甘さながらやさしい味というのだろうか?そして素材の組み合わせがよく考えられていて、複雑なお味。「菓子の素材としてチョコレートは非常によい」というように「ショコラプラリネ」「セシル」「ザトーマルジョレーヌ」店名と同じ名前の「ノリエット」などチョコを使った生菓子も数種ある。 今後の展開としては、今の状態が思い描いているものの100%ではないので、自分の理想に近づくよう時間をかけてやっていきたいそうだ。が、あくまでも「自分の目の届く範囲以内で…」と商売よりも自分でつくることにこだわる永井シェフ。 「 幸せだなぁと感じるときは?」の問いに「朝、全部のものが揃って店に出てくるのは気持ちの良いことで、ものを並べた店内にお客様が来てさらに活気づくのを見たときはうれしいなぁと思います。」と語る目が印象に残った。 取材日 1997年
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