プルクワ 神田 淳 シェフ   経歴

ブローニュ木村屋にて4年間修業、その後 デリベイク明治屋、ダロワイヨなどを経て1992年からプルクワでシェフを務める。

   



ここは私が小学校の頃、父が開業した店なんです。子供の頃から見ていたので、パン屋になることは割と自然な流れでした。まず1992年にこの店を大々的に改装するということが先に決まり、それを目標にして色々な店でパンを勉強させてもらいました。 パン屋になることを決めてから、まず当時都心の大型店として人気だった『ブローニュ 木村屋』に入りました。プルクワの場所は虎ノ門という都心のオフィス街の中と決まっているので、それに似ている立地条件で色々なことが勉強できるお店を選びました。基本的なことから全体的な店の流れなど、自分で店をやる上で必要なことを勉強できたと思います。休みの日には、自分がおいしいと思っていた千葉の『シャラント』までパンを教わりに行ったりして、自分の目指すパン屋の土台作りに専念していました。 その後は、新プルクワのオープン前にできるだけ幅広くパンを勉強しようと、短期間で色々な店を回りました。


そして、1992年 新プルクワオープン。改装を機に世代交代という形で、パン作りを一手に任されるようになりました。店名は以前から『プルクワ』だったのですが、パンの品揃えをガラっと変えたんです。人気の高かった2品くらいを残して、全部新しいアイテムに変えました。 基本的に自分が「おいしい」と思うものは何でもやってみたいので、フランスパンやベーグル、惣菜パン、サンドイッチなど現在トータルのアイテムは120種類位あります。1日にお店に並ぶパンは70種類位ですね。

自分としてはフランスパン類をもっとやりたい気持ちもあるのですが、場所柄、住民の方よりはサラリーマン、OLの方が多いので 惣菜系のパンがメインになっています。でも最近はフランスパンを使ったサンドイッチや惣菜パンの人気が高いので、私としても嬉しいです。 「おいしい」と言えば、『メゾン・カイザー』のパンのおいしさに感動して昨年の5月からカイザーと同じルヴァン種を使うようになりました。元々、天然酵母を使っていたのですが、ルヴァン種は粉本来の旨みが強く、香りが非常に良いパンが出来るので全部ルヴァン種(小麦と水で作った自然酵母)に切り替えました。いずれ『プルクワ』のオリジナル酵母ができればいいなと思います。


今の夢は『プルクワ』の地下をイートインスペースにすることです。朝食やランチ用にパンを買いに来るお客さまが多いので、ちょっとしたカフェのようなスペースを提供できたらいいな、と思っています。これからも自分が「おいしい」と思うものをどんどん取り入れて、みなさんに喜んでもらえるパンを作っていきたいです。(2003年6月17日取材)


プルクワ
東京都港区虎ノ門3-2-7
03-3431-1458

神田シェフの秘密