実際に粉を使う立場のパン職人の方に伺ってみると・・・

「うちでは、群馬県の農林61号を粒の状態で購入し、石臼で挽いて使っています。神奈川県の小麦があると聞いて、今日はお店を閉めて来ました。ニシノカオリがおいしかったので、ぜひ使いたいです!」

と「カノムパン」の内藤さん。

◆ナンブコムギ:独特の旨みと香りが特徴。元々は麺用なのでタンパク質量が低い。
◆ニシノカオリ:比較的新しい品種。パンに適した高タンパク品種として注目が高い。
◆あやひかり:粘弾性が上がり、モチモチとした食感が特徴の「低アミロース小麦」。特にうどんに最適。
◆農林61号:関東から九州まで幅広く栽培されている品種。分類としては中力粉。


「プルクワ」の神田さんも、

「実際に神奈川県産小麦のパンをテスト販売してみたら、すごく反響があったんです。問題は価格かなぁ」

と味や作り方の面では概ね好評。でも、国産小麦を作る上ではずせないのが価格の問題です。

辻堂「プルクワ」の神田さん。
県産小麦にはかなり興味がある様子

国の補助がつきにくい小規模生産者の立場からすると、原麦で150円(1kg当たり)、粉で400〜800円(1kg当たり)は欲しいところなのですが、現在は約42円(1kg当たり)で種すらも買えない状況なのだそう。ただ、外国産小麦(粉)の平均価格(100円/1kg当たり)からするとかなり高くなってしまうため、作り手も買い手も敬遠しているというのが現状なのです。