昭和初期までは東洋系メロンである「マクワウリ」が主でしたが、昭和37年に、西洋系メロンと東洋系のマクワウリが交配され、雑種が誕生。これに、皇太子ご成婚にちなんで付けられた名前が「プリンスメロン」でした。ここからメロンが大ヒットし、高級フルーツとして地位を高めました。
では、なぜメロンは「高級」なのでしょうか?マスクメロンなどのアールス系とよばれる温室メロンが日本では高価に売られますが、それもそのはず。温度や湿度、水などの管理を徹底しなければならず、しかも、一株に一個しか実を結ばないようにと残りの果実を摘み取ったり、一個の果実に注ぐ手間ははかりしれません。このようにしてできたメロンはもはや芸術品の域。さらに、マスクメロンは、果皮のひび割れ模様がある「ネット型」ですが、このネット模様が均等であればあるほど、さらに商品価値は高くなります。
日本では、温室メロンとハウスメロンに大きく分けられますが、ハウスメロンも品種改良が進み、外観や品質とも温室メロンに近づきつつあります。今では、おいしいメロンが随分と身近な存在になりましたが、さらにおいしく食べるためには「食べごろ」の見極めが必要。収穫日から5〜7日が目安で、香りが強くなり、お尻の部分が柔らかくなったら食べごろです。



【種類】

◆プリンス型メロン
日本のマクワウリと南ヨーロッパのキャンタローブの雑種。果皮はノーネットで灰緑色。果肉は淡緑色で甘味が強い。品種改良されて栽培が広がり、メロンを庶民的なものとしたさきがけの品種。

◆温室メロン
〔マスクメロン〕
果皮はネット状で、果肉は追熟するととろける様に甘く、麝香(ムスク)臭がすることから、マスクメロンといわれます。正式な品種名は「アールスフェボリット」。
〔ハネデューメロン〕
ノーネット系で乳白色ですべすべした外観が美しく、果肉は甘く多汁。日持ちに優れています。アメリカやメキシコから輸入される露地ものが主に出回っていますが、国内では岡山県で高級品として少量の栽培があります。

◆ハウスメロン(ネット型)
〔アンデスメロン〕
名前の由来は、害虫がつきにくく栽培しやすいことからついた、「安心ですメロン」というネーミングから。栽培が難しい温室メロンのアールスフェボリットを、ハウスで簡単に栽培できるようにした品種。密にネットが入る高級感のある外観で、日持ちに優れています。
〔アムスメロン〕
やや楕円形の果実の表面には縦筋が入り、荒い網目が特徴的。外見は野性味がありますが、淡い緑色の果肉は高糖度でやわらかく、甘さの中にさわやかな味わい。果汁も多く、ジューシーです。

◆ハウスメロン(ネット型赤肉系)
〔夕張メロン〕
いわずと知れた、北海道のブランドメロン。アメリカの赤肉系メロンと、アールスフェボリットを交配した品種で、正式品種名は「夕張キング」。“夕張メロン”の名は、登録商標にもなっており、夕張市農業協同組合に集荷され、厳正な検査に合格したものだけが名乗ることができるという、厳しい規制があります。芳香に優れ、甘味も強いのが特徴ですが、日持ちが良くないのが難点。

◆ハウスメロン(ノーネット型)
ネット型に比べて種類は少ないですが、マクワウリやハネデューなどの品種改良が行われ、多くの品種が育成されました。白皮白肉で糖度の高いホームランスターや、黄皮白肉でさっぱりとした甘さのキンショーが主です。




【製菓材料】

基本的には、生の果実を使用しますが、ゼリーやムース、アイスクリームなどの冷菓の風味付けや色付けに、メロンの爽やかな香りや風味を再現した、メロンエッセンスやリキュールが使われます。また、生のメロンをそのまま使用した冷凍メロンピューレや、球状にした冷凍メロンボールなどもある。





【パナデリアのおすすめ“メロン”スイーツ】

メロンのショートケーキ 
¥400
(ア・ポワン)
ココナッツメロン
¥450
(アテスウェイ)
大ぶりのマスクメロンは、とろけるような甘い香り。ジューシーなメロンの果肉を引き立てる、ミルキーな生クリームとふんわりしたジェノワーズが、口の中で優しく溶け合います。ほんのりメロン色のクリームと、シンプルな外観が清楚で、思わず食べるのをためらってしまうほど。

完熟メロンのジューシーな角切り果実、フレッシュな香りを閉じ込めたメロンゼリー、ココナッツ風味のミルキーな味わいのメロンクリームと、メロン三昧の贅沢なグラスデザート。メロンクリームの部分は赤肉メロンを使用し、ほんのり自然なオレンジ色が優しい色合い。
※季節限定




【ショップデータ】

ア・ポワン 東京都八王子市追分町23-15
TEL:0426-22-0333
アテスウェイ東京都武蔵野市吉祥寺東町8-8-3
TEL:0422-29-0888





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