島津睦子先生主催の研修ツアーに参加してきました!ウィーンのお菓子や街の様子などをお伝えします。





ヨーロッパの歴史はハプスブルグ家の歴史であると言っても過言ではないほど、その存在は大きなものです。オーストリアにはあちこちに、そのハプスブルグ家の全盛期のなごりが今でも残っています。ウィーンの街を歩いていると中世にtime tripしたような、そんな気持ちにさせられます。教会をはじめ、手の込んだ彫刻がほどこされた当時の建物がそのまま立ち並び、お店や住居として今も使われています。初めてヨーロッパを訪れた私は、その街並みに驚き、教会や宮殿ではその細かな造りの外観、内装、高い天井に描かれている絵にいたるまでとにかく圧倒され、どうやって?昔の人はほんとにすごい!と驚いてばかりいました。

ここには多くの観光客が訪れ感銘をうけています。でもその裏側には、住民の協力があるということも感じました。宮殿や街のいたる所で常に修復工事が行われており、街全体でこれらの歴史的なものを大切にしている、という姿勢を強く感じました。




11月下旬のウィーンの街は、クリスマスに向けて日に日に華やかに変わってきます。
店のショーウィンドウはクリスマスデコレーションに変わり、通りには大きなツリーが飾られ、シンプルな飾りつけには品の良さを感じます。
市庁舎前ではクリスマス市が始まり、大勢の人で賑わっていました。クリスマスツリーの飾りやクッキーなどのお菓子はもちろん、クリスマスらしくない普通のおもちゃや雑貨などもずらっと並んでいます。ホットワインで暖をとりながら、綺麗なイルミネーションの下で会話を楽しんでいる人もたくさんいました。

街を歩いていると、店のショーウィンドウのいたるところに"赤鬼"を発見。これが日本の鬼と良く似ているのです。中には相当不気味なものもあります。クリスマスに赤鬼?ととても不思議になり、後で通訳の方に伺ってみたところ、オーストリアには12月5、6日にクランプスというお祭りがあるそうです。悪霊(=赤鬼、クランプスという)が街を歩き、悪い事をした子供や女性達のところに来て小枝を束にしたムチでお尻をたたく、といった、まるで日本でいう"なまはげ"のようなものです。やがてこのクランプスを追い払う役のニコラウス(サンタクロース)と呼ぶ、キリスト教の司祭が登場するようになり、キリスト教の行事としても継承されるようになったそうです。どちらかというとこのお祭りの方が盛り上がり、クリスマスは日本のお正月のようなもの。お店も半日で閉まり、皆家族で静かに過ごす事を好むようです。

今回の旅行はお菓子を教えていただいた島津睦子先生主催の研修ツアーに参加したので、ウィーンの国立製菓学校で学ぶ事ができました。午後はフリーだったので、有名なお菓子屋にも行っていろいろ食べてみたいと思っていたのですが、午前中のデザート三昧でさすがに食べられませんでした。それでもホテルザッハのザッハートルテはいただきました。やはり元祖というだけあって、その味は格別でした。見た目のどっしりとした感じとは違って生地は柔かくてコクがあり、口の中ですっと溶けます。アプリコットの甘酸っぱさもアクセントになっています。そして何と言ってもチョコレートの香りの良いこと。これに上掛チョコのしゃりっとした食感も加わって絶妙なバランスの取れたお菓子でした。

ウィーンのお菓子にはそれぞれ歴史や文化と深い関わりがあり、それにまつわるストーリーがあります。それらの説明を聞くたびに、歴史がわかっていたらもっと面白いな、と感じました。歴史に弱い私は、旅行に行く前に本を読んだりして知識を詰め込もうとしましたが、やはり一夜漬けでは物足りなかったようです。また学校では通訳がつきましたが、それでも言葉がわかったらいいな、とつくづく思ったものです。
1週間という短い旅行でしたが、とても刺激的で良い経験ができたと思います。また是非訪れてみたい国です。ウィーン熱は当分冷めそうにありません。


※このページは2000年12月に作成されたものです。