今から約4年半前、友達に連れて行ってもらった『パーラー江古田』
"パーラー"と聞いて「フルーツパーラー?」と思ってしまいましたが、沖縄ではちょっとした飲食ができるお店をパーラーというそうで。
(店主の原田浩次さんは沖縄とイタリアが大好きなんですよね)
そういうお店を目指していると当時おっしゃっていたような。
美味しいパンとコーヒー、お酒やスイーツもちょっぴり、そしてなんといっても店主・浩次さん自身がお店の魅力になっている!
それが素敵なお客様を引き寄せ、店にいい雰囲気を作る・・・またあの狭い空間がスタッフ&客同士の距離を近くし、社交場みたいになっていると感じています。
そんな『パーラー江古田』さんが今年の5月に2店舗目となる『まちのパーラー』を小竹町にオープン!
“パーラー=浩次さん”というイメージが強すぎて、「浩二さんは1人しかいないのに、もう1店舗って??」と思いました。
パーラーさんのブログを読むとわかりますが、小竹町に今年の春オープンした保育園の敷地内にカフェを作り、子ども達と町のつなぎ目になってほしいという提案があり、引き受けたとのこと。
ちょっと面白い保育園ですよねぇ。私も小竹町のあたりに住んでいて、子どもがまだ小さければ、入れたいと思ったかも。
このおしゃれな外観の保育園の中に『まちのパーラー』はあります
パーラーの入り口。こんなかわいらしい落書きが
ほほえましくて、心がポッと温かくなります



そんな要請に一肌脱いだパーラーさん。スタッフも増強して始まったわけですが、『まちのパーラー』は江古田店に比べるとかなり広く、また営業時間も長め(7時半〜21時)。
浩次さんは基本的に『パーラー江古田』(江古田店の営業時間外はまちのパーラーへ)、『まちのパーラー』は奥様を筆頭に数名のスタッフで営業されています。
2店の間は歩いて15分もかからない距離なのに、パンの売れ筋が微妙に違うという話を聞きました。面白いものだなぁと思います。
店に入ってすぐのところには、美味しいオーラを放ちまくりのパンがずらりと並んでいます

パンの品揃えや食べられるものはほぼ同じですが、営業時間が長い『まちのパーラー』は朝・昼・ティータイム・夜とそれぞれの時間帯で違う楽しみ方ができるのが魅力!
まずは朝。
パンの盛り合わせにサラダとドリンクがつくトーストセットもいいですが、トースト1枚からオーダーできるのは沢山食べられない時には嬉しい。
基本は角食ですが、私は粉の味をシンプルに味わえる山食の方が好きなので、山食で1枚お願いしました。
別料金でトッピングが数種類あります。チーズか黒糖か、それとも塩バター+はちみつか・・・と悩んでいたら「ハーフ&ハーフもできますよ。でも料金はハーフにはなりませんが(笑)」と。
結局、黒糖トッピングでお願いしました。(トーストにバターを塗って、粉末状黒糖をまんべんなくふりかけたもの)

外側さっくり、中はしっとりモチーーッ!と引きが強い生地。家で食べるよりさらに美味しく感じるのはなぜ?と、パーラーでイートインする度に思います。
あと、焼きたてバケットが自然に冷めた頃が一番食べ頃の"バターサンド"
冷たいバターをたっぷり&塩を挟みます。冷たい状態でバターを食べてほしいので、パンを温めなおしできないのです。
バター好きさんには絶対食べていただきたい!
山食で作ってもらったトースト+黒糖。表面はバリッと、中はしっとりモチッと引きが強い!
ドリンクも丁寧に入れてくださっていて、とても美味しい☆

ランチタイムはサンドイッチ類や自家製サルシッチャやトリッパのセット。
(江古田店は野菜サンド・チキン舞茸サンド・両方はさむ全部乗せの3種類のみですが、まちのパーラーはさらにローストポークとトマトチーズがあります)
毎月1日しか登場しなかったサルシッチャやトリッパ(正確に言えば、必ず毎月登場していたわけでもないし、用意できる数量も少なかったので、幻の品でした)も『まちのパーラー』ではほぼ毎日用意されているんです。


ローストポークのサンドイッチ。この時はイチジク入りのパンで作っていただきました
トマトとチーズのサンドイッチ。
カリッと焼いたチーズと粗挽きの胡椒が美味しさのポイント☆


ティータイムはタルトやパウンドケーキ、カスタード+フルーツをのせて焼いたふわふわブリオッシュを。
イートインの場合は温めたりリキュールをスプレーでシュッと吹きかけたり、アイスクリームを添えたりして提供してくださいます。


季節モノの柿のブリオッシュときのこのキッシュ。
ちなみに定番キッシュは、ほうれんそうとリコッタチーズ
いちじくタルトをイートイン。温めてアイスを添えて

18時からはイタリアンをベースとしたお料理とワインとパンで。
(遅い時間になるとパンが売り切れている場合もあるので、食べたいパンがあればあらかじめ予約しておいた方がいいです)
ワインはイタリアの自然派ワインを揃えていらっしゃって、グラス売りも赤・白3種類ずつくらいあるので、いろいろ試せます。
また豊富な食後酒、さらには泡盛まで・・・ここは店主の趣味のコーナーでもあるらしいです(笑)
ワインの他、豊富なアルコール類!

こんなふうに一日を通していろんな表情を見せる『まちのパーラー』
昼のみor夜のみの品もありますが、「こういうふうにしたら美味しいんじゃない?」とか「こんなふうに食べたい!」というリクエストがあれば、お願いしてみるのも手。
(私の場合はカポナータをサンドイッチ仕立てにしてもらったり、ローストポークサンドをドライフルーツ入りのパンで作ってもらいたい・・というアレンジをお願いしました)


念願叶って夜パーラー。左から野菜のピクルス、パン盛り合わせ、パテ・ド・カンパーニュ


ところで、パーラーさんに行くようになって4年以上ですが、今でも「このパン、また進化して美味しくなっている?!」と感激することがあります。
常に「もっと美味しく」と粉や製造工程を見直していらっしゃって、頭が下がります。
全粒粉は『まちのパーラー』に置いてある大きな石臼で挽いて使っていらっしゃるし、さらにいい小麦はないか?と探してもいらっしゃるようですし。
ハード系のベースとなる粉は、オリジナルブレンド粉を製粉会社に作ってもらうほどの粉マニア(?)
以前「角食と山食は使っている粉も違うんですか?」と聞いたことがあったのですが、「どちらも数種類ブレンドしているけれど・・・あ、ひとつとしてダブっている粉は無いなぁ」という答えにびっくり。
私自身が油脂や砂糖などがなるべく入らない粉主体のパンが好きなので、パーラーさんの粉マニアっぷりはツボに入りまくりです。
店内にある石臼。ちょっとピンボケになってしまいましたが、ちょうど粉を挽いているところです

副都心線に乗れば渋谷から小竹向原まで乗り換え無し。個人的には江古田駅に行くよりずっと楽で、『パーラー』は以前より身近な存在になりました。
パンだけ買って帰りたい時や、豊富なメニューから選びたい時、数名でイートインしたい時は『まちのパーラー』へ。
誰か話し相手が欲しい時や、夏限定の沖縄ぜんざいが食べたい時は『パーラー江古田』へ。
また、食事は『まち』で、その後デザートは『江古田』でとハシゴするという手もあったり。
あなたなりのパーラーの楽しみ方を探してみてください!


まちのパーラー
住所:東京都練馬区小竹町2-40-5
TEL:03-6312-1333
営業時間:7:30〜21:00  7:30〜18:00(月のみ)
定休日:火曜

パーラー江古田
住所:東京都練馬区栄町41-15
TEL:03-6324-7127
営業時間:8:30〜18:00
定休日:火曜



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