4月、新しい季節の始まり。入学式、入社式・・・たくさんのドラマが始まるこの季節。いったい何を思って、その始まりの一日目をエイプリルフールなどと言ったのでしょうか。まぁ、日本人が言い始めたわけではないから、仕方ないのですが。でも、しょっぱなからジョークで始まる4月、なんだかちょっぴり気が抜けるようで楽しいですよね。さて、フランスではこの日「ポワソン・ダブリル(4月の魚)」といい、お魚をモチーフにしたパイやチョコレートが食べられます。かの「ラデュレ」でも4月のコフレ(毎月デザインが変わる楽しいコフレ)は、お魚模様だったり、4月と魚は密接な関係がありそう。さて、そこで湧き出る疑問は、当然、「何で魚なの?」ってこと。うん、それは私も知りたい!どうやら諸説あるらしく、いろいろな由来がある中で、とりあえずどれをご紹介しようかと思ったとき、パナデリアが気に入った由来のひとつはこれ。まず「昔フランスでは4月1日が新年だったんだけど、それをシャルル9世が1月1日に変更。でも、新年の贈り物を4月にする習慣が残り、そしてそれがいつしか、『人をだましたり、からかって笑ったりする』ための贈り物になった」っていう説。おっと、それじゃあ、やっぱり何で魚なの?っていう疑問が、まだ残っていますが、それは「その時代の贈り物には食べ物が多かったんだけど、その季節がキリスト教の四旬節にあたり、お肉は食べない時期なので、お魚になった」という説や「魚(どうやら鯖らしい)は、あまり頭が良くなくて(いやぁ、頭のいい魚もいるんですかね?)、ルアー(疑似餌)だけで簡単にだまされて釣られてしまう、これを4月の魚とよび、人をだましてもいい日になった」という説などもあるようです。どちらにしても、なんとなく、わかったようなわからないような由来ですが、何はともあれ、フランスではこの日、魚の絵を書いた紙を人の背中に貼ってふざけたりして楽しむという習慣も残っているらしいし、まぁ、深く考えずにこの行事を楽しむのも悪くありませんよね。
・・・ということで、まだまだ日本では馴染みのない「ポワソン・ダブリル」のお菓子を探してみました。
しかし、正直言って、本当に日本のお菓子屋さんではなかなか探せないものですね。電話で確認している最中にも、ポワソン・ダブリル自体がわからないお店も多々あり、ちょっとびっくりしました。作っているお店でも、注文すれば作ってくれるという形が多かったのですが、今回のパナデリアの目的は、その時期ちゃんと店頭に並んでいるお菓子。誰でもが自然に「ポワソン・ダブリル」を楽しめるようなもの。それにしても、あまりにも少ない! 面白かったのは、「お魚のご用意は、ちょっとないんですよ」という売り子さんの丁寧なお返事。うーん、確かにお菓子屋さんにお魚はないよなぁ・・・と。なぁーんて、納得している場合じゃなく、想像以上に日本には浸透していないものなんだと、改めて実感の結果でもありました。来年はもう少し、お魚ものが増えていることを願いつつ、今年の「ポワソン・ダブリル」を終了!です。(2008.4)

※ほとんどがこの季節だけの限定品となりますので、すでに店頭から消えているものもあります。お楽しみは来年に!ということで、ご了承下さい。




サブレポワソン ¥100

ほんのりスパイシーな感じのするしっかり焼きこまれたサブレは、どこか懐かしい味わい。卵のやさしい香りとバターのミルキーさ、それなのに力強さを感じるところが、アミティエの三谷シェフらしい。小さいけど、粉のうまみ、バターのコク、どれもが本格的なサブレです。



パティスリー サロン・ドゥ・テ アミティエ
住所 東京都新宿区築地町8-10 プリモ・レガーロ神楽坂1F
TEL03-5228-6285





ポワソン ダブリル ¥945

見た目がすっと美しい魚の形は、さすがチョコレートのテオブロマ!そのパリッと割れる薄さの中から、ピンクのハートが出てくるところが、土屋シェフの粋なところ。このハートはヴァレンタインデーにもぴったりかも。一緒に入っている聖人のチョコが、あなたの間違いを諌めてくれる?・・・なんてね。



ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ
住所 東京都渋谷区富ヶ谷1-14-9
TEL03-5790-2181





ポワソン ダブリル ¥1050

ショーソンオポムのお魚版。ヒラメみたいな形がかわいらしい。軽めのパイは、つやつやサクサク、ざっくりとした食感が楽しい。ミルキーで食べやすいパイと、しっとりやわらかいりんご、酸味のあるレーズンのバランスも良く、おいしい!



ル・ププラン
住所 東京都多摩市関戸4-7-8
TEL042-376-0970





ギャレット ポワッソン ¥1890

ぷっくりとしたかわいいお魚の形のガレット・デ・ロワっていう感じ。黄色みが強く、厚めのフィユタージュは、一見かたそうに思うけど、ふわっと軽く仕上がっていてサクサク。中にはラム酒の効いたアーモンドクリームがたっぷり入っています。




ショコラ ポワッソン(小) ¥1575

がっちりと分厚いチョコレートの中に、たくさんのかわいいお魚が入っていてうれしい。どちらかというとクラッシックな味わいのカカオ風味の強いチョコレートが、懐かしいおいしさです。



フランス菓子 16区
住所 福岡県福岡市中央区薬院4-20-10
TEL092-531-3011





プワソンダブリル ¥630

かわいらしいお魚のマカロンの中には、チョコレートクリームとフレッシュなフランボワーズがサンドされています。さらにチョコクリームの中からは赤いフランボワのジュレと白いギモーヴが顔を出し、色合いも春らしい。ル・ポミエでは、この他、お魚の形のチョコレートも発見。さすが、フランス人シェフだけあり、フランスの季節の行事を、きっちり日本に伝えてくれています。



パティスリー ル・ポミエ
住所 東京都世田谷区北沢4-25-11
TEL03-3466-3730





サブレ ポワソン ¥840

魚の形のサブレは、見た目のがっしり感とはうらはらに、軽くサクサクっとしたもの。バターの香りと甘さがありながら、しつこくもなく、甘すぎもせず、パクパク食べちゃいそう。1ケースに、11枚のサブレが入っています。ちょっとかわいそうだけど、頭からパクついちゃおう!
(余談ですが、あの銘菓“ひよこ”や“鳩サブレ”、頭から食べることに罪悪感があるのは、私だけ?)




フリチュール ¥630

ミルクチョコと、スイートチョコが、それぞれ、魚や亀や海老になって登場!魚はフランスっぽいけど、亀や海老はなんとなく日本っぽい? パリの老舗パティスリー「ダロワイヨ」がやるだけに、ギャップがあって楽しいかも。甘くてガツンとくるミルクチョコと、ちょっぴりビターなスイートチョコ、どちらもスイス系のチョコレートの味で、どこか懐かしい。



ダロワイヨ 銀座本店
住所 東京都中央区6-9-3
TEL03-3289-8260




☆その他、数店でこの時期限定の「ポワソン・ダブリル物」を発見。今回はご紹介できませんでしたが、「日本ではなかなか売れない」という現状を乗り越え、ぜひ来年も作ってください。楽しみにしています!



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