今年で12回目を迎える、伊勢丹新宿店の「サロン・デュ・ショコラ」 改めて回数を聞くと、驚きます。 すっかり定着した伊勢丹でのこのイベントですが、少しもみんなを飽きさせることなく、それどころか刺激的。今年もどんなことが始まるのかと、わくわくしながら開催前日のお買いもの(アイカード会員限定)と、シェフたちのインタビュー、そして、近くの映画館で行われた前夜祭、プレスプレビューのイベントに参加したパナデリアです。 早速ご報告を! 前日のお買いものは、とにかく大勢の人、人、人……。6階の催物場、そして今年からは7階の催物場もサロン・デュ・ショコラの会場となりましたが、どこも人でいっぱいでした。「本日分は完売」の商品も続出し、高額のチョコレートも飛ぶように売れる! 明日からの6日間、今年も大盛況のイベントになると確信したのでした。 そしてパナデリアがインタビューしたかったショコラティエが2人。 「ダヴィド・カピィ」のカピィ氏と、「ティエリー・バマス」のバマス氏です。 どちらのお店も、サロン・デュ・ショコラに初出店! M.O.F.を獲得しているパティシエです。早速、ブースを訪れてみました。 カピィ氏は、フランス・ボルドー地方にご自身のショップをかまえる、2007年にM.O.F.を獲得したショコラティエ。ブースを訪れ、ショーケースの中で目を引いたのは、ホワイトチョコレート? いや、白ではありません。でもミルクチョコレートにしては色が薄すぎる。淡いキャラメル色をしたタブレットでした。食べると、ミルクジャムのような濃厚な味、そして強いバニラ、香ばしい香りもします。思わずとまらなくなる味! シェフに、まずこのチョコレートについての話を聞いてみました。 |
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ダヴィド・カピィ氏 |
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右側のキャラメル色のタブレット、「コンフィチュール レ」。実は失敗からこの味わいを発見したという |
「使っているのはヴァローナ社のクーベルチュール「イヴォワール」。バニラはタヒチ産。130℃のオーブンに溶かしたものを入れ、5分ごとにかき混ぜながら40分。その結果、出来上がる味なんです。このキャラメル色は、メイラード反応によるんですよ」(メイラード反応とは、たんぱく質と糖が、熱と合わさった時にこんがり美味しそうな色になる反応)
他に、ブラックのタブレットも並んでいました。 「これはペルー原産のカカオを使ったタブレットです。酸味と苦みのバランスがちょうどいい。特徴としては、ザクロのような酸味です。ボルドーの店には、タブレットだけで40〜50種類ありますよ」 カピィ氏の使うクーベルチュールは全てヴァローナ社のものだそう。自分のところでクーベルチュールを作るほどの規模はないとのこと、いろいろ試した結果、ヴァローナ社以上のものには巡り合えなかったとのことです。ご自身も、2005年から2012年までヴァローナで働いていました。 次に訪れたのは、「ティエリー・バマス」のブース。バマスシェフは、2011年にM.O.F.を獲得した、フランスのバスク地方にある「アングレット」に店を持つシェフです。 |
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ティエリー・バマス氏 |
「バスクには、料理、お菓子、スポーツ、言葉、建築……、その他いろいろな独自の文化があります。日本にちょっと似ていますよね。そういう伝統を守っていきたい」 そうした姿勢が、ショーケースの中からも伝わりました。まずは、バスクのエスペレットという街でとれる大きな唐辛子をきざんでふんだんに散らしたショコラが。これは、辛みが少なく甘味の強い唐辛子で、香りは強いけれどスパイシーではないとのこと。また、パウダー状にする前のフレッシュな状態の唐辛子をピュレにして詰めたボンボンショコラもありました。イザラという地酒を使ったボンボンも。ショコラではありませんが、バイヨンヌのマカロンも発見! わたしたちの知るマカロンとは全くの別物で、アーモンドをたっぷりと使い、かりっと焼いてあるそうです。16年前にお店をオープンさせた時から続く定番商品ときけば、地元バスクへの愛を強く感じます。 |
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バイヨンヌの伝統的なレシピを受け継いで作られた「バイヨンヌ マカロン」も気になる一品 |
「日本のサロン・デュ・ショコラのあまりの人の多さに驚いています。チョコレートに皆さんが強い興味を持っていることにも。そして、日本をはじめ、世界のいろいろなショコラティエに会えるのも嬉しい」 と、初めてのサロン・デュ・ショコラの感想を述べてくれました。 さて、ほかにも何人かのシェフにお話しを聞きました。 「ジャン=シャルル・ロシュー」のロシュー氏は、桜のタブレットをショーケースに並べましたが、あっという間に完売。 「塩漬けのさくらの塩を少し落として使っています。京都のお茶と合わせているよ」 このタブレット、本国フランスでも人気だそうです。 |
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すでにサロン・デュ・ショコラではおなじみ、ジャン=シャルル・ロシュー氏 |
レモンとイチゴをリアルに形どったユニークなチョコレートもありました。鮮やかな赤と黄色(笑)! でも、食べると意外な味がするそうですよ。イチゴの粒の部分はバジルで、オリーブオイルも入っているとか。 他に、キルシュやコニャックなど、リキュールの入ったボンボンも発見! なんだか懐かしい! 「確かにクラシックだよね。いいキルシュが入ったので作ってみたんです」 とのことです。 はちみつも今年のテーマのようで、凱旋門の近くでとれたはちみつを使ったボンボンショコラには、みつばちマーヤの絵が入っていました。今年のロシューは、ショーケースを見ているだけで楽しい! |
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「クリスチャン・カンプリニ」のブースには、 「調香師とコラボして作ったんだ」というショコラの詰め合わせが。他にも「5月のローズ」なんていうロマンチックな名前の付いたパートダマンドがあったりして、女性の心をくすぐります。 |
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クリスチャン・カンプリニ氏 |
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調香師とのコラボで作ったという「ショコラアソート ドーム」 |
日本勢も頑張っていました! 「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」の土屋シェフは、カカオ豆を仕入れ、製品までを自分のところで作ったショコラを販売。中が白い“カカオブラン”というペルーのカカオを使って、このカカオと砂糖のみで作っています。 |
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土屋公二氏 |
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幻のホワイトカカオともいわれる希少性の高いカカオで作られた「カカオブラン ピウラセレクト」 |
「マ・プリエール」の猿舘シェフは、グラナデンシロップとビールのカクテルをガナッシュにしたボンボンショコラや、キルシュと赤ワイン、いちじく、カシスの味わいをバニラの香りで一つにつなげたボンボンショコラといった、個性的なものを登場させていました。カバーのチョコには、ミルクもビターも5種類をブレンドしているそうです。インパクトだったり、余韻だったり、それぞれ意味のある5種類を合わせることで、一粒の最初から最後まで心地よく食べられるようにしたとのことでした。 |
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猿舘英明氏 |
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個性的な8粒が並んだ「マ・プリエール」の「2014年セレクションボックス」 |
もっともっといろいろな方に話を聞きたかったのですが、7時に近付くと、映画館に会場を移しての前夜祭にショコラティエたちが移動を開始し始めました。パナデリアも慌ててその後を追い、伊勢丹を後にしたのでした。
会場につくと、セレクションボックスに入ったショコラを中心としたショコラと、カカオで作った赤白ワインが振る舞われました。 そして席についてレセプションのスタート。パリのサロン・デュ・ショコラの主催者であるフランソワ・ジャンテさんとシルヴィー・ドゥースさんや、三越伊勢丹HDの代表取締役社長からの挨拶もありました。大西社長の、 「始まった2003年は、バレンタインデーをうけてのイベントでしたが、今やバレンタインデーとは全く別のショコラの祭典として独立したことが嬉しい」 というお話が印象的でした。確かに、チョコレートと言えば絶対的にバレンタインのものだったのに、このサロン・デュ・ショコラの歩みこそが、みんなのその意識を変えたてきたんですね。なんだか感慨深い。 |
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フランソワ・ジャンテさん(右)とシルヴィー・ドゥースさん (左) |
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三越伊勢丹HDの代表取締役社長からのご挨拶 |
そして、今年のサロン・デュ・ショコラに出店しているパティシエが、舞台に大集合しました。 |
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約40名のショコラティエ、パティシエなどが大集合。圧巻です |
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今年のSDCの目玉のひとつ。人気コミック「失恋ショコラティエ」のショコラをリアルに再現したチョコレートコレクションが販売。そのコミックの作者の水城せとな氏と、ショコラを再現した「テオブロマ」の土屋シェフからのご挨拶も |
そして、一斉に 「サロン・デュ・ショコラで会いましょう」 の合い言葉を口にし、金銀のテープが飛んで、今年の「サロン・デュ・ショコラ」が開幕! 今年のテーマは「La Magie(ラ・マジ)」。マジックです。さて、ショコラはあなたにどんなマジックをかけてくれるのでしょう。 |
<特設会場でのサロン・デュ・ショコラは27日(月)までですが、半分近いブランドは2月14日まで地下一階で引き続き購入が可能です。くわしくは伊勢丹HPなどで> http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shinjuku/foods/event/1401valentine/index.jsp ■ サロン・デュ・ショコラ日本公式サイト http://www.salon-du-chocolat.jp/ |
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