東京を代表するレストランのひとつ、「ベージュ アラン・デュカス 東京」。 多くの人の憧れの店で、銀座の名所でもあるここで、毎年「ランデヴー」というイベントが開催されています。日仏の出会いや、伝統と進化をテーマに、例えば過去には、日本料理店や、モナコにあるデュカス氏の店からシェフを招いてコラボレーションするといった試みを行っています。 毎年のユニークなテーマにそって作られるコースは、限定されたその期間しか食べることのできない貴重なもの。食いしん坊たちを大いに刺激してくれるこのイベントも、今年で6回目を迎えます。そして、発表された今回のテーマは、なんとスイーツ! 「魅惑のスイーツとの出会い」なんて、パナデリアが放っておくはずのないテーマだったのですよ。感激。 |
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(c)Pierre Monetta |
イベント開催に先立って、4月4日にプレス向けの会が催されました。 当日は晴天に恵まれ、ウエルカムシャンパーニュが屋上のテラスでふるまわれました。余談ですが、このテラスは、レストランを利用しなくても訪れることができる魅力的な場所。あまり高いビルのない銀座にあって、ここは街の最上階と言っていいほど眺めもよく、贅沢感に溢れた、本当に素敵な空間です。食前酒をここで楽しんでから次の店へという使い方もできるので、まだ行ったことがないという方は、是非一度訪れてみてください。 |
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さて、シャンパーニュをいただいた後は、ひとつフロアを降りて、レストランに移動です。
来日したアラン・デュカス氏が、「ベージュ アラン・デュカス 東京」の総料理長である小島景氏、同レストランのシェフ・パティシエ、ジュリアン・キンツラー氏とともに、今回のテーマで選ばれた、第一線で活躍中のお菓子職人3名の紹介をしました。 一体どんなお菓子職人とコラボレーションするのでしょう。 気になるその3名は? まずはショコラ部門から。 今年2月にパリにできたばかりの、アラン・デュカスによる初のチョコレートショップ「ル・ショコラ アラン・デュカス マニュファクチュール・ア・パリ」のシェフ・ショコラティエであるニコラ・ベルジェ氏でした。 「ジャン=ポール・エヴァン」「ラデュレ」「ピエール・エルメ」といったパリの名店のほか、イタリアやニューヨークでも研鑽を積んでいる人物で、「ル・ショコラ アラン・デュカス マニュファクチュール・ア・パリ」のオープンに際しては、アラン・デュカス氏とコンセプトからともに作り上げたそうです。 パティスリー代表は、「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」の青木定治氏でした。デュカス氏は青木氏を、「日本の感性を持ちつつも、フランスのことを理解している人」と紹介しました。 パリから来ていた青木氏は、「僕がパリに行って25年が経ちますが、当時から変わらずフランス料理界のトップにいるアラン・デュカス氏とコラボできることはとても光栄。東京を任されている小島シェフとも、修業時代にスイスで会って以来、20年のつきあいなので、一緒に仕事できるのは本当に嬉しい」 と、笑顔を浮かべてお話ししてくれました。 そして、今回一番の驚きといえば! なんと、和菓子界とのコラボレーションがあったこと。京都の「御菓子司 末富」の山口祥二さんがその方でした。ニューヨークやパリでもデモンレーションを行い、その他の海外でも講義をするなど、インターナショナルに活躍して和菓子の魅力を伝えている山口さん。 京都から駆け付けて、 「アラン・デュカス氏とは20年前に京都で自分のお菓子作りを見てもらって以来の縁。和菓子の素材を大切に、おいしいお菓子を作りたい」 と真剣な表情で意気込みを語りました。 |
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左からジュリアン・キンツラー氏、小島景氏、山口祥二氏、青木定治氏、アラン・デュカス氏 |
和菓子とのコラボレーションは日本人としては嬉しいところです。でも、実際のところ、フランス料理に和菓子がどうやって寄り添うのだろう……と思っていたら、お食事がスタートしました。
ひと皿目は、「オマール海老とアオリイカのポワレ 野菜、チョコレートを加えたオマールエビのジュレ」。 甘いオマール海老やアオリイカはもちろんおいしいのですが、やはりこのお皿の目玉とも言えるのは、チョコレートを使ったジュレ。オマールの出汁をベースに、100%のカカオを使っているとのことでした。不思議なほどすっと溶けるジュレそのものは甲殻類の味なのですが、後味はまさにカカオ。ほろ苦さが心地よく残ります。料理全体を支配することのない上品なカカオの使い方が印象的な一皿でした。 |
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オマール海老とアオリイカのポワレ 野菜、チョコレートを加えたオマールエビのジュレ |
メインの料理は、和牛です。「九州産和牛ヒレ肉のロースト、アーティーチョークとフェンネル オレンジとチョコレートのマーマレード」 深い色のソースにチョコレートが入っているのかなと思いきや、 「最初はそれも考えたのですが、牛肉のジュをベースにしたポワブラードソースはカカオを入れなくても充分なものだったので、あえてやめました。オレンジのマーマレードに、ひと皿目と同じく100%のカカオを入れています」 と小島シェフ。なんといってもお肉がおいしく、そしてカカオがアクセントとなったマーマレードが品よくそれを引き締め、引き立てます。 |
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九州産和牛ヒレ肉のロースト、アーティーチョークとフェンネル オレンジとチョコレートのマーマレード |
プティフールには、青木さんのマカロンとエクレアが並びました。得意の抹茶味で、日仏のランデヴーを盛り上げます。
つまんでいたところに運ばれたデザートのお皿は、和菓子とのコラボレーションでした。 向かって右手には、和菓子そのものが。桜の型で抜いたのは、薄力粉とあんこを練って蒸したもの。その上には、つくね芋とあんこを蒸してつくった錬りきりが。都の春をイメージして作ったとのこと、一保堂のお茶と合わせると、コーヒーで食後をしめるのとはまた違う、ほっと体が緩んでいくような気分になりました。そして、その隣に並ぶ2つの作品は、ジュリアン・キンツラー氏が「末富」を意識して作ったもの。まず、中央のグリオットとパイのデザートは、サクサクの香りのよいパイといい、想像通りのおいしさ。それから意外だったのは左手。バニラかしらと何気なく口に運んだ白いアイスクリームは、桜の葉の味でした。下にはグリオットのコンフィがしいてあります。 |
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プティフールには、青木シェフの抹茶の味わいのエクレアとマカロンが |
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和菓子とのコラボがたのしめる春らしいデザートのひと皿 |
清々しく新鮮な驚きを引きずりながら、塩味のきいたキャラメルやシャネルマークのチョコレートをつまみながら、テーブルで出会った初対面の人たちとのおしゃべりも弾み、気づけば終わりの時間に。
小島シェフから、 「今回の料理はまだ試行錯誤中です。ランデヴーというテーマの中で、いろいろな料理を作れることは楽しいし、いろんな人たちとコラボレーションしたり、多くのお客様に食べていただくことは、まさに自分にとってのランデヴー(出会い)そのもの。イベントが始まるのが楽しみです」 |
特別協賛のシティカードジャパン株式会社のオスカー・マンジニ氏からは、「ダイナースクラブ(シティカードジャパン株式会社)ならではのユニークな食のサービスを提供したい」とのお話しがありました。まさに「ランデヴー」は、それにふさわしい、驚きと楽しさのあるユニークなイベント。 お菓子職人ごとに3期間に分かれての開催は、合計たったの12日間です。どうかお早めにご予約を! |
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