取材・文 佐々木 千恵美  


銀座のど真ん中、銀座通りの4丁目に、2023年9月にオープンしたベルギー発のチョコレートショップ「BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)」が1周年を迎えました。
やっと暑さも落ち着いたチョコレートシーズン開幕の時期に、ファンにとってはうれしい初上陸品、1周年記念限定品や特別メニューが登場しています。


「BENOIT NIHANT GINZA (ブノワ・ニアン 銀座)」は三越より松屋に向かう銀座通り沿いに位置。1階がブティックで地下1階がカフェとなっている。


1階ブティックの様子。ブランドロゴマークのインスピレーションにもなっている望遠鏡がイメージディスプレーに。


地下1階カフェのカウンター席。



元エンジニアという異色の経歴を持つカカオ職人BENOIT NIHANT(ブノワ・ニアン)氏は、「単一農園」「単一品種」でこだわりのビーン・トゥー・バーのタブレットを作り上げることで知られていますが、今回2016年に開設したペルー・サンマルティン県の自社農園「フィンカ ルイ デ シサ(シサのルイ農園)」での初収穫のカカオ豆から作ったタブレット「FINCA LUIS DE SISA(フィンカ ルイ デ シサ)」が、 9月20日(金)から日本で販売をスタートしました。


販売開始に合わせて来日したブノワ・ニアン氏


「FINCA LUIS DE SISA(フィンカ ルイ デ シサ)」。シサが村地区の名前でフィン カが農園、そしてブノワ氏の息子ルイにちなんで(シサのルイ農園)というネーミン グに。
2016年に植えたこの地に適したトリニタリオ種のカカオ苗は1200本。かつては麻薬の違法栽培地となっていた土地が、「持続可能な森林再生」という野心的なプロジェクトに挑んだことで、オオハシ、ヘビ、蝶、ハチドリもこの地域に戻るなど、かつての生態系が息を吹き返し、カカオ豆が収穫できるまでには 7 年の歳月が費やされました。


FINCA LUIS DE SISA 72%(フィンカ ルイ デ シサ 72%)

価格 :5,400円(税込)
発売日 :9月20日(金) 1日10枚限定。
販売店舗:BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)
 ブノワ・ニアン公式オンラインショップ

ペルーの自社農園「FINCA LUIS DE SISA」で2023年に初収穫されたカカオ豆を使用。1940枚のうちのシリアルナンバー入り。日本に何枚入ってきたかは非公開ですが、かなりレアなものであることは間違いないです。
口に含んだ最初の印象はジャスミンを思わせる花の香り。その後プラムやチェリーのようなフルーティーな香りが広がり、ラストはスパイシーな香り。
正直初めての収穫で初めての商品化されたものとは思えないほど、とても複雑で繊細なニュアンスを感じられ驚きました。土地の個性を引き出した発酵と乾燥は、経験に基づいたブノワ氏の感性で計算されたものだそう。


「FINCA LUIS DE SISA」のパッケージには手書きのシリアルナンバーの他、農園のある場所が経緯度で示されているので、地図検索してみると位置が示される。日本からも遠いカカオ農園に思いを馳せながらいただくと一層深く浸れます。


その記念として9月22日(日)からは、ブノワ・ニアン 銀座にて期間・数量限定のカフェメニュー「Cours au Pérou(コース オ ペルー)」が登場。ブノワ氏が農園に巡り合うまでたどり、魅了された南米ペルーのアンデス山脈麓の起伏に富んだ険しいながらも美しい風景と、生活する人々の温かさを、ペルーの伝統的な料理のエッセンスを盛り込みながら6品のコースに仕立てられています。
昨今注目されるペルー料理を食べたことがある方なら、あっこれは!という覚えがあるのでは。コースには自社農園初収穫のカカオで作ったタブレット「FINCA LUIS DE SISA 72%」を使用したクッキーも含まれるので更なる特別感もあります。1日8名限定の事前予約制なので、早めの計画をおすすめします。


Cours au Pérou(コース オ ペルー) 1日8名限定のコース料理。

価格 :平日 6,300円(税込)、土日祝 6,800円(税込)
提供期間: 9月22日(日)〜10月31日(木)
 事前予約制:14時30分〜16時の回
 (最終予約受付 ご予約日の2日前20時まで)

販売店舗:BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)


コースの一部を紹介しましょう。




Entrée au marché(アントレ オ マルシェ)

ペルーのマルシェから農園を目指して出発!豆の形をモチーフにしたライム香るクリームチーズのムースにクプアスと桃のコンフィチュール入りのチーズケーキ。
クプアスとはカカオの親戚のような植物の実で、ほんのり酸味があります。上にはカカオの葉をイメージしたチョコレート、その下にはセミドライバナナのコンフィチュール、お皿の手前にはドライバナナのコンフィチュールを配した、カカオ農園に縁のある食材を使った一皿。スタートにぴったりなフルーティーで軽やかな口当たり。



Route escarpée(ルート エスキャペ)

お米を使用したペルーでポピュラーなスイーツ「アロス・コン・レチェ」風に仕立てた一皿。農園へ向かう険しい道中で、お米が入ったこのスイーツがパワーチャージになるイメージだとか。ベルギーでもお米のスイーツ(リオレなど)は思い出の味だからつながりを感じるのかもしれません。
チョコレートのふたをスプーンで割ると、ココナッツソース、プディングの真ん中にカカオカボスの形に絞ったライスジュレ、カカオニブとシナモンパウダーのトッピング姿があらわれサプライズ! 細かい舌触りのお米の甘みにニブのアクセントと、添えてあるクリスピーなビスケットで、変化に富んだおいしさが味わえます。険しい道も楽しく通過できそう。



FINCA LUIS DE SISA (フィンカ ルイ デ シサ)

ついにペルー農園に到着!「FINCA LUIS DE SISA 72%」を使用したビスキュイが、カカオポッド型のチョコレートの器に入っています。
卵をホイップした生地は、ボウロのような軽い食感。このチョコレートの繊細な味わいがふわっと思いだされます。それを包んだ薄いチョコレートの器もおいしく、余韻に浸れます。




Café après le repas(カフェ アプレ ルパ)

食後のコーヒードリンク。ペルーではエバミルク(無糖練乳)を入れて飲まれていることから、別添えはエバミルク。お好みで注いで混ぜて、いつもとはひと味違ったまろやかさを楽しみます。なんと氷までコーヒー豆の形のコーヒー! 最後まで味わいが薄まりません。


この他に、Route(ルート)という、フィヤンティーヌショコラで凸凹道を表現した温かいショコラショをかけていただくチョコレートアイスと、Rivière(リヴェール)という、川を渡って農園に向かう様子を、舟の形にしたポテトスイーツで表現した、ペルーのポテトサラダ「カウサ」に着想を得た一皿が間に入ります。
ひととおり終えたころには、一緒にペルー農園へ訪れた気分になれそうなストーリー性満載のコース。ぜひお試しください。



さらに1周年を記念した特別な詰合せの「Anniversary Box(アニバーサリー ボックス)」など、いくつかの魅力的な新商品も登場しています。


Anniversary Box(アニバーサリー ボックス)

価格 :5,500円(税込)
発売日 :9月20日(金) なくなり次第終了。
販売店舗:BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)
 ブノワ・ニアン公式オンラインショップ

1周年を記念して焼き菓子やボンボンショコラを詰め合わせた数量限定の特別なアソートBOXが登場。ビターなカカオの風味を楽しめるフィナンシェ、しっかりとしたカカオの風味を感じられる「リオ ドゥルセ」と、コース オ ペルーのメニューにも入っている「フィンカ ルイ デ シサ」の2種類のビスキュイ、ハート型ボンボンショコラと、3 月に発売後 2 週間で完売となったピーカン ブリトールが詰合せに。チョコレートが大好きな方へのギフトにも喜ばれそうな内容です。


タブレット FINCA ORQUIDEA 74%(フィンカ オルキデア 74%)

価格 :2,376円(税込)
発売日 :9月20日(金)
産地 :ベネズエラ
コンチング :65 時間
品種 :ポルセラナ

サヤの色が磁器色であることからポルセラナ(磁器)とネーミングされた、ベネズエラのマラカイボ湖の南で収穫されたカカオ豆を使ったチョコレート。ビスケットとホットチョコレートの香りがするユニークな風味が特徴です。
タブレット「SAN JOSé DE BOCAY 73%(サン ホセ デ ボカイ 73%)」と「CUYAGUA VILLAGE 74%(クヤグア ビレッジ 74%)」も同時発売。



TABLETTE FOURRÉE(タブレット フレ)
プラリネアーモンドエシトロン
プラリネノワゼットフルールドセル

価格 :5,400円(税込)
発売日 :9月20日(金)

タブレットの中にプラリネを入れた、タブレット フレは、本物のチョコレートバーの体験と、昔ながらのプラリネの美味しさを組み合わせたチョコレートバーをお客様に提供したいという想いから生まれました。




オランジェット

価格:2,800円/40g(税込)

パンプルムース

価格:2,400円/40g(税込)

ジャンジャンブル

価格:2,100円/40g(税込)

厳選された香り高い砂糖漬けのオレンジピールをニカラグア産ダークチョコレートで薄くコーティングしたオランジェットは、しっとりやわらかな食感とパリっと繊細なチョコレート層のコントラストが魅力的。
オランジェット(オレンジ)の他、パンプルムース(グレープフルーツ)、ジャンジャンブル(ジンジャー)も9月20日から同時発売されています。



店内壁にはカカオ農園の様子がパネル展示されている。


1周年の銀座店で雰囲気ごとBENOIT NIHANTを味わうのも素敵ですし、オンラインショップでお目当ての品をお取り寄せしたり、贈り物にしたりもできます。カカオへの探求心とセンスあふれるチョコレートの世界をぜひお楽しみください。



BENOIT NIHANT GINZA(ブノワ・ニアン 銀座)

所在地 :東京都中央区銀座 4-6-18 ギンザアクトビル 1F、B1F
アクセス:銀座線・日比谷線・丸ノ内線 銀座駅徒歩1分
営業時間:11:00〜21:00
定休日 :なし(年末年始休)※休業日・営業時間が変更になる場合があります。

o 公式オンラインショップ:https://benoitnihant.jp/
o ブノワ・ニアン 銀座1周年記念スペシャルサイト:https://benoitnihant.jp/pages/ginza1st
o 予約ページ :https://benoitnihant.jp/pages/store-ginza
o 公式 Instagram:https://www.instagram.com/benoitnihant_japan/
o 公式 LINE :https://lin.ee/jssY1Lt


BENOIT NIHANT (ブノワ・ニアン)について

 BENOIT NIHANT(ブノワ・ニアン)氏
近年ベルギーで注目を集める「BENOIT NIHANT(ブノワ・ニアン)」は、元エンジニアという異色の経歴を持つカカオ職人 “ブノワ・ニアン氏” が 2005年に立ち上げたチョコレートブランドです。自ら農園を訪れて最高級のカカオだけを選定。「単一農園」「単一品種」にこだわり、昔ながらのヴィンテージマシンで長時間かけて丁寧につくられたショコラは、カカオ豆の個性が最大限に引き出された純粋な香りと、繊細な味わいが魅力です。また、ペルーに保有するカカオ農園では、環境に配慮した農園作りやカカオ生産者とのフェア・トレードに取り組んでいます。






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