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取材・文 佐々木 千恵美 |
BVLGARI Salone del Cioccolato 2019
ブルガリBVLGARIのチョコレートブランド〜ブルガリ イル・チョコラートの、2018〜2018クリスマス&バレンタインコレクションのプレス発表会にお伺いしました。 昨年と同じく、会場はブルガリ・イル・チョコラートのジェムズが作られるラボ。コミュニケーションが取りやすいなどの理由で、ブルガリ銀座タワーからアクセスのよい都心のビル内に3年前開設された、空調も整った清潔なラボです。 イタリアならではの食材・異素材に日本の食材を組み合わせ、職人が丁寧に仕上げたチョコレート・ジェムズ(宝石)。 「完成するまでのプロセスを実際に見て、聞いて、体験することで、どれだけ大変な手間と熟練が必要かを知っていただければ。」と、メートルショコラティエの齋藤香南子さん。 |
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メートルショコラティエの齋藤香南子さん。この仕事を始める前は各国料理人、そば打ちなど、様々な食の現場を経験。2007年にブルガリ ホテルズ & リゾーツ・東京レストランに入社。2016年1月、メートルショコラティエに就任。 |
作業は、薄くコーティングされたディスク状のセンターを一粒ずつエンローバーにくぐらせ、出てきたところで転写シートをのせ、専用のスティックで水平に押しつけていくというもの。 なでるだけでは転写がうまく行かず、エッジのきれいな仕上がりになりません。体験の後でスタッフがいつものお手本をみせてくれました。きれいに、かつスピーディーに、4人がエンローバーの各ポジションにつき、1分間で50個ほどのペースで、どんどん製造されていきます。 |
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エンローバーにかけられたチョコレートに、ロゴ入り転写シートを素早くのせ、上から適度な力で押さえつけ美しくフラットに接着させる。 |
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スタッフ4人。エンローバーに入れて行く人、ホワイトチョコレートを絞り出す人、転写シートをのせる人、スティックで押さえつける人。 |
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ある程度できたらまとめて保存。 |
しかし、ジェムズはこれで完成ではありません。転写をかけてから一日落ち着かせたら、仕上げのデコレーションに入ります。まず周囲の余分なチョコレートを美しく削ります。次に接着のアメを絞った上にピンセットでオレンジピールを接着、さらに金箔をふわっとのせます。思い切って一度にやらないと綺麗にのらないのが難しい! この作業、スタッフ4人で1日1万個分を飾るのだとか。一粒のジェムズが完成するまでには、ガナッシュ作りに1日、コーティングに1日、デコレーションに1日と、かかる日数は計3日。こうやって体験してみると、気の遠くなる話に思えてきます。 |
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余分な周囲をナイフで丁寧に削る。削りすぎてエッジがなくなりすぎないように、加減が難しい。 |
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アメを絞りピンセットでオレンジピールを接着。 |
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最後に金箔をひと思いにのせる。 |
この日作業体験したのは「ナターレ・ボックス2018」の新フレーバー「クロッカンテ」。ローストしたシチリア産アーモンド、ゴマ、砕いたキャラメルで作ったクロッカンテをミルクチョコレートでコーティングした、イタリアの同名のスイーツをイメージしたジェムズです。
「実は今年のナターレ・ボックスは、イタリアで冬に好んで食べられるスイーツをチョコレートで表現したものです。」と齋藤さん。 定番人気の「パネットーネ」をはじめ、いちじくやレモン等のドライフルーツとシナモン、クローブなど4種類のスパイスで風味付けたジャンドージャ入りの「パンフォルテ」、ピエモンテ産ヘーゼルナッツとミッレフィオーリのはちみつを使った自家製トローネ(ヌガー)をビターチョコレートでコーティングした「トローネ」、アーモンドとブランデーのビターチョコレートガナッシュをミルクチョコレートでコーティングした「アーモンド&ブランデー」の5種類が、2粒ずつの10個入りと、「パネットーネ」と「トローネ」が2粒ずつの4個入りが登場します。ブルガリのモチーフ、八角形の星(エイトポイントスター)をデザインしたボックスもすてきです。 |
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年が明けるとバレンタインはすぐ。毎年恒例の限定チョコレート・ジェムズ「サン・ヴァレンティーノ2019 “ルイ・エ・レイ”(彼と彼女)」(San Valentino 2019 “Lui e Lei”)は、ノーブルなアメジストカラーに白いロゴのボックスに、イタリア産のサフランとヴィンコットを使った華やかなラウンドの2粒が入ります。 |
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“ルイ・エ・レイ”に使われるイタリアと日本の厳選素材。 |
「ルイ(彼)」は、イタリア・マルケ州のサフランと、長野県産のくるみで作ったミルクチョコレートガナッシュを、アーモンド風味のホワイトチョコレートでコーティングし、金箔とコーンフラワーでデコレーション。伊日のとっておきの素材が香る、とてもデリケートな味わいです。
「レイ(彼女)」は、ヴィンコットと呼ばれる甘みのある濃厚なぶどうを煮詰めた液体とセミドライいちじくのガナッシュを、ビターチョコレートでコーティング。トップのデコレーションは、金箔とローズペタルとドライいちじくで情熱的。いちじくのプチプチ感と甘酸っぱさは、間違いなく女性を虜にする組合せです。 |
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この2粒入りに加え、2つのフレーバーを加えた4粒入りスペシャルボックスも登場。
昨年好評だったオリーブオイルのガナッシュをリニューアルした「オリーブオイルとトマト」は、シチリア産の青みのある香りが特徴のエキストラヴァージンオリーブオイルと北海道産フルーツトマトで作ったトマトジュースを絶妙なバランスでブレンドしたホワイトチョコレートガナッシュを、ビターチョコレートでコーティング。ナッティで甘みがあり、繊細な香りの変化を楽しめる一粒は、齋藤さん曰く、最初の一粒として食べるのがおすすめだそう。 甘味のあるピエモンテ産ヘーゼルナッツをふんだんに使ったミルクチョコレートプラリネをミルクチョコレートでコーティングした「ヘーゼルナッツのプラリネ」は、サクサクした音とほんのりきかせた塩味が心地よい。 この4粒入りに「ピスタチオ」を加え、5種類を2粒ずつ入れた10個入りも初登場。贅沢なバレンタインをお二人で分かち合ってはいかがでしょう。 |
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最後に紹介するのは、ブルガリ銀座タワーのブルガリ イル・チョコラートのために特別に作られた「クオーレ・ディ・サン・ヴァレンティーノ2019(Cuore di San Valentino2019)」。 昨年の10周年記念ボックスを手掛けたブルガリレストラン ペストリーシェフ、ファブリツィオ・フィオラーニ氏による、エレガントで独創的なチョコレートです。 イタリアでハートを意味するクオーレの形は、ブルガリ イル・チョコラート初のハート形チョコレート。しかもリング状で真ん中に穴が開いています。 「昨年は中心に穴の開いたリングのチョコレートを作りました。今年は愛を形にしたかったのですが、このハート形に至るまで6カ月かかりました。」と語るフィオラーニ氏。 |
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2015年ブルガリ東京・大阪レストランのペストリーシェフに就任したファブリツィオ・フィオラーニ氏。本質をつきつめた、日本の鮨のシャリと魚の関係を自分のチョコレートにも取り入れたいそうだ。 |
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ハートの中心の穴から覗いてみて。 |
丸いボックスにはソルティ―ピーナッツのクレミーノを包んだ「オーロ(ゴールド)」1粒と、ヘーゼルナッツとラズベリーフレーバーのクレミーノをビターチョコレートで包んだ「ロッソ(赤)」7粒がリング状に美しく並ぶ、まさに宝石のようなボックス。ジェムズより小さいので濃厚で強いフレーバーを表現したというクオーレ。ロッソは香ばしいナッツの食感にラズベリーの果実味が絶妙です。 100個限定でなくなり次第終了なので、気になる方はお早めに。 |
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「ロッソ」(左)と「オーロ」(右)の断面。コーティングを薄くするのが難しいそう。 |
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*販売期間、店舗など詳細は下記サイト等でご確認ください。 |
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