ロールケーキの名作「フロール」に、タルト専門店「Bonne Tarte! ミディ・アプレミディ」。 津田陽子さんの独特の発想やこだわりから生まれるおいしさは、 日本全国のスイーツ好きを惹きつけてやみません。 そんな津田陽子さんのお菓子を、 “食べ” “学べ” “買える”という夢のようなお店が、 9月1日、東京・紀尾井町にオープンするとの情報が。 さっそく、そのお披露目会にうかがってきました! |
都内の一等地でありながら、爽やかな自然に囲まれた、クラス感ただよう場所、紀尾井町。 「ホテル ニューオータニ」のある紀尾井町通りを少し上ると見えてくる、シンプルな白い外観と“45°”のロゴマークが「CENT QUATRE VINGTS(サンキャトルヴァン)」の目印です。 |
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京都生まれの洋菓子作家 津田陽子さん |
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広々としたショップ。スタイリッシュな雰囲気ながら、 店内は木を使った心地よい空間になっています |
期待に胸をふくらませ中へ入ると、最初に出迎えてくれたのは、ほっこりやさしい表情のタルトたち。 そうです。津田陽子さんと聞くと、あの、京都「ミディ・アプレミディ」の名作「フロール」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、2007年には焼き立てタルトの専門店「Bonne Tarte! ミディ・アプレミディ」をオープンするなど、タルトのおいしさでも有名。わざわざ京都まで行かずに、都内で焼き立てを食べられるなんて、関東エリアのスイーツファンには本当に夢のようです。 |
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ところで、「サンキャトルヴァン」には、キーになる2つの数字があります。 それは、店名の“180”(サンキャトルヴァン)とロゴマークの“45”。お菓子を作る方ならピンと来たかもしれませんが、焼き菓子を焼くのに基準となるオーブンの温度は“180”℃。つまり、“おいしい魔法をかける数字”ということで、店名になったのだそうです。 |
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“パン・オザマンド”、“マーブルのサブレ” などの焼き菓子は、テイクアウトも可能 |
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店内には「ロミ・ユニ コンフィチュール」のコンフィチュールも。テイクアウトのほか、カフェでは、焼き菓子と一緒にいただける“サブレセット(コーヒー付き ¥880)”もあり
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コーヒーハンターの異名をもつ「ミ・カフェート」の川島良彰氏が、「サンキャトルヴァン」のタルトに合わせて、厳選し、焙煎したコーヒー豆。カフェでは、タルトとコーヒーの最高のマリアージュが楽しめます
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そして、もうひとつの"45"は、さまざまなところに散りばめられています。 |
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例えばタルトは、18cmの型で焼き上げ、“45°”にカット。大きく焼いて細くカットするよりも、丸みがあって食べやすい印象になっています。 |
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きっちり45°!
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それから、味の異なる8種類をつなげてホールのようにした“TARTE45°huit”は、パッチワークのようなかわいらしさがあり、ちょっとしたお持たせに重宝しそう! ちなみに、後からわかったそうですが、実はこの“45”、津田陽子の“ヨーコ(45)”でもあり、住所も“4-5”・・・と、不思議な縁のある数字なのだそうです。 |
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洋梨のタルトとコーヒーのセット
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それでは、さっそくタルトをいただきましょう。
・・・ん?フォークがない。 そうなのです。津田陽子さんのお菓子は、“大人のおやつ”。家庭で食べるおやつの延長と考えているので、そのままパクッと食べてほしいのだそう。 “パクッ” 45°の三角にかぶりつくと、ふっくら、しっとりとしたクレームダマンドと、サクッとした生地の食感が楽しく、バターとアーモンドの香りが口いっぱいに広がります。確かに、この方がおいしい! |
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カフェスペースは14席。こだわり抜いたタルトと コーヒーのマリアージュをぜひ |
ところで、このタルト。実は、津田さんがここにたどり着くまでには、相当な苦労があったのだそう。 「ヒントは、フランスで食べたクロワッサン・オザマンドなんです。私は、クロワッサン・オザマンドが大好きでよく食べるのですが、アーモンドクリームがカリカリッと焼けたところがとってもおいしい。それを考えていたら、パッとひらめいて」 |
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9月の焼き菓子教室のメニューにもなっている「田舎風りんごのタルト」。シナモンが香るクランブルとしっとりとしたリンゴ、サクッとした生地の組合せ
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クロワッサン・オザマンドは大好きなのに、実は、ガレット・デ・ロワのなかのアーモンドクリームがあまり好きでない、という津田さん。直接焼ける部分が多い方がおいしいと気付き、まわりのタルト生地をなくし、底の部分だけに。それに合わせて、セルクルもより効果的なものを、と、ムース用セルクルの約半分の高さのものを特注するなどして、今に至っているのだそう。 「フランスのように大きなタルトだったらいいですが、小さなタルトだと、中のクリームとタルト生地とのバランスも悪くなりますしね」 |
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特別に開発したセルクル。通常のセルクルの半分ほどの高さ
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さらに、かのこや大学芋といった和素材のタルトで気になるのが、“白あん入り”というコメント。 「白あんはほっこりさせるために入れています。良い製餡業者がいる京都ならではの素材力だと思っているんですよ」 驚くほどのしっとり感と、どこか軽さのあるやさしい味わいの秘密はここにあるようです。 |
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五色かのこのタルト。白あん仕立てのクレームダマンドは、コクがあるのに軽さがあり、いくらでも食べられそうなおいしさ
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そんな津田流のアイデアとテクニックが詰まったタルト。自分で作れたら嬉しいですよね? その夢を可能にしてくれるのが、ショップとカフェの奥にある“WORK SHOP”で開催される焼き菓子教室。まさにラボという名前がぴったりな、広くて洗練された雰囲気が魅力です。 「普通のお菓子教室と違う、開放的な雰囲気にしました。タルトを買いにいらしたお客様にも、教室の様子が見えたり、お菓子の焼けるいい香りがしたり・・・。そんなスタイルにしたいと思っています」と、「サンキャトルヴァン」の運営をしているカフェ・カンパニー、広報担当の伊原さん。 |
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焼き菓子教室では、タルトはもちろん、なんと、あのフロールやケイクも習得可! “ふんわり”食感のフロール、“しっとり”食感のケイク、“さっくり”食感のタルトという3つのプログラムを通して、津田流のお菓子作りを学ぶことができます。 |
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そして、ここにも“45°”の法則が。 「これは“45°で学び合う”正方形のテーブル。45°の関係は、お互いの手元が見え、自然に会話が生まれるのにちょうどいいんですよ」 なるほど! たしかに、初めての方と横に並んだり、正面に向ったりするのは、ちょっと緊張するもの。ナナメだったら、自然に学びあうことができそうですね。 レッスンの内容ももちろん、「サンキャトルヴァン」ならでは。 一般プログラムの「焼き菓子教室」では、まず正面の大型モニターに流れるDVDでじっくり手元の様子を学んでから、自分のお菓子を作っていきます。指先のアップや、大切なポイントが大画面で紹介されるので、実際のデモンストレーションを見る以上に、勉強になるはず。 |
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大きな画面に、手順がアップで映し出されます
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そして、嬉しいのが、1人1台のお菓子を作り、持ち帰れるところ。インストラクターの直接指導のもと、1台を1人で完成させることで、全工程をしっかりマスターできるというわけです。 (パナデリアも、近々レッスンを受ける予定。追って、様子をご紹介します!) |
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オーブンは全部で6台。自分のペースで 焼くことができるのが嬉しい |
もうひとつ興味深いのが、会員限定の「津田科学クラス」! 素材の性質やおいしさの秘密を、科学的な裏付けをもって、津田さんが直々に解説、指導するという内容です。独自の視点からお菓子を見つめ続けてきた津田さんだからこその“科学”。きっと、目からウロコになること、間違いなしです!
ちなみに、基本的に1回ずつの申込みになっているので、大好きな“フロール”を狙い撃ち、なんてことも可能。お友達と参加するもよし、東京見物の予定に組み込んでもよし。男性がふらりとタルトを習うなんていうのも素敵ですよね。 焼き菓子、カフェ、そして教室。 様々な魅力が詰まった「サンキャトルヴァン」。 津田陽子さんのかける、180と45の魔法を ぜひ、ご自身で感じてみてはいかがでしょうか? (2010.08)
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店名: |
CENT QUATRE VINGTS(サンキャトルヴァン)
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住所: |
東京都千代田区紀尾井町4−5紀尾井町ケルトンビル
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TEL: |
03-3288-6755
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営業時間: |
〈SHOP〉 平日 11:00〜20:00/土日祝 11:00〜18:00 〈教室〉 10:30〜21:00(2時間半/1レッスン) |
定休日: |
火曜
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席数: |
SHOP 14席/教室 定員12名
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アクセス: |
赤坂見附駅 D出入り口より徒歩約5分
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URL: |
http://www.45cqv.com
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