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取材・文 下園 昌江 |
茨城県守谷市に店を構えるスペイン菓子専門店「ドゥルセ・ミーナ」。日本では珍しいスペイン菓子の専門店です。まだまだ日本に浸透していないスペイン菓子を、本場を学んだシェフが、現地のお菓子の特徴を活かしながら日本人にもなじみやすいサイズや味に仕上げたお菓子が評判を呼んでいます。なかでも、ほろっとした食感のポルボロンや、優しい味わいのバスクケーキが定番人気のお菓子です。 |
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ドゥルセ・ミーナ外観 |
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シェフの藤本恭子さん |
シェフを務めるのは藤本恭子さん。OL生活を経て2004年にスペインに渡りレストラン、パン屋、アイスクリーム屋での修業を経てスペイン王室ご用達のパティシエ、パコ・トレブランカ氏に師事、本格的にスペイン菓子制作を学びました。 4年後に帰国し、スペイン料理教室・スペイン料理店などでの勤務を経て、2012年11月にお菓子工房ドゥルセ・ミーナをオープン。 スペイン菓子を初めて食べたときにその美味しさに衝撃を受けて、この道に進んだという藤本さん。次第にスペイン菓子には地方色がある事に気付き、スペインの地方菓子についても精通しています。 今回新登場するのは、「パナジェッツ」というお菓子。日本では聞きなれない名前ですが、このお菓子はスペインの伝統菓子で、主にカタルーニャ地方、アラゴン地方、バレンシア地方で食べられています。 |
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パナジェッツの詰め合わせの赤いBOX |
11月1日(カトリックにおける諸聖人の日)とその翌日に食べるのが一般的だそうです。 そのパナジェッツの詰め合わせを、と藤本さんが構想3年を経て完成したのが、今回ご紹介する「バルセロナの宝石 パナジェッツBOX」です。 |
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カラフルなパナジェッツの詰め合わせ |
赤い箱を開けてみると、色とりどりのパナジェッツが可愛らしく入っています。 直径3〜4p程度のパナジェッツが、4種類×2個ずつ入っています。バルセロナの宝石とうたわれるように、素朴な中にも美しさが感じられます。 定番のもの1種とドゥルセ・ミーナオリジナルの進化形パナジェッツ3種が入っています。これから全4種類のパナジェッツを詳しくご紹介していきます。 |
松の実のパナジェッツ |
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スペインでは定番のスタイルで、多くの店で見られるようです。アーモンドとさつま芋をあわせたホクホクの生地の周りにはたっぷりの松の実がはりつけられています。香ばしい松の実と、アーモンドのコク、さつま芋の優しい甘さを感じます。 |
フランボワーズのパナジェッツ |
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ラズベリー風味のアーモンド生地に、パッションフルーツのジャムをあわせたパナジェッツ。表面にはラズベリーのパート・ド・フリュイをのせておめかし。ピンク色が愛らしく、ほんのり酸味を感じるのが魅力です。 |
メンブリーリョのパナジェッツ |
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表面の白いココナッツがふわふわと優しい雰囲気のパナジェッツ。一見中華菓子の様なほのぼのした愛らしさがありますね。 マルメロ(西洋カリン)を甘く煮詰めたジャム「メンブリーリョ」を使用しているのが特徴。そのジャムをアーモンド生地で包んでいます。白い生地に赤いジャムのコントラストが印象的です。アーモンドのコクに穏やかなマルメロの風味、ココナッツの甘い香りが漂うパナジェッツです。 |
チョコレートのパナジェッツ |
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カカオを使ったアーモンド生地の中にヘーゼルナッツや砕いたクッキーを混ぜ込んでいます。表面のデコレーションにはスペインで 100 年以上続く老舗・チョコヴィック社のチョコレートを使用。アーモンドとヘーゼルナッツ、チョコレートの相性は抜群。濃いめのブラックコーヒーと合わせたくなります。 |
パナジェッツは、フランスでいうところのマジパン菓子に相当するものだと感じました。 アーモンドと砂糖が作り出す、ストレートな美味しさを味わえるお菓子です。 ただ、それだけではなく、チョコレートやラズベリーなど他の食材で風味や色をプラスすることで、見た目にも楽しく、味の変化を楽しめるところがいいですね。 |
日本ではなかなか出会えることのないパナジェッツ。 興味のある方は是非、ドゥルセ・ミーナでお取り寄せしてみてはいかがでしょうか? |
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