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取材・文 佐々木 千恵美 |
牛乳、バターと、乳製品に北海道とつけば、思わず涎がごっくん。目を閉じれば北海道の牧草地が広がります。 みなさんは酪農王国北海道にチーズは何種類あるかご存知ですか? 正確に何種類かはわかりませんが、北海道にはナチュラルチーズを生産するたくさんのメーカー、工房があります。ミルクランド北海道のwebサイトに掲載されている工房を数えたら80軒以上ありました。実は近年日本におけるチーズの総消費量は4年連続で過去最高を記録していて、全国のチーズ工房の数もここ10年全国で約2倍に増加しているのだそうです。 |
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北海道地チーズのイメージ |
そして10年の間に、国産ナチュラルチーズのスタイルにも変化がありました。先駆者から受け継いだ伝統と作り手の創意工夫、土地の風土を活かしたチーズ作りによって、昨年10月にイタリアで開催された世界的なチーズコンテストであるワールドチーズアワードでは、3804点におよぶ世界のチーズの中、北海道産のチーズを含む日本のチーズが数多く入賞するなど、国産チーズの品質、評価は高まってきています。
とはいえ、普段スーパー等に並ぶ北海道産チーズは大手メーカーのものくらい。ナチュラルチーズは圧倒的に海外からの輸入物が多く、それを当然のように買うことになってしまうのですが…。 小規模少量生産の工房も多いので、現地に行かなければ味わえないであろう北海道の地チーズたち。食べてもらいたくてもなかなか外に出られない作り手の想いのこもったチーズたち。もっと知ってもらいたい北海道のチーズの魅力を体感できるイベント「北海道地チーズ博 2020」が、ホクレン農業協同組合連合会主催のもと、2月13日(木)〜2月16日(日)の4日間、表参道ヒルズ本館B3F スペースオーにて開催されました。 |
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同イベントは、北海道産ナチュラルチーズをより身近に感じ、その魅力とブランド価値が伝わるよう、昨年「北海道地チーズ博」と命名。2回目となる今年は北海道地チーズをさらに多くの人に体験いただけるよう4つのテーマ「出会う」「知る」「試す」「比べる」を掲げ、食べ比べやトークショー、ワークショップなど多彩なプログラムを企画しました。 |
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ミルクランド北海道アンバサダーを務める女優の黛英里佳さん。2月13日のオープニングセレモニーでは、「北海道地チーズ博 2020」の楽しみ方を紹介してくれました。 |
今回の目玉は「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」で、45種の中から好みのチーズ・気になるチーズを5種セレクトし500円で食べ比べが楽しめるというもの。昨年の40種から5種増えて選ぶ楽しみがアップすると同時に、5つに絞り切れない悩みも増えるというおまけつきです。 |
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「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」500円。 |
ボードの一覧や、冊子とにらめっこしながら行列の順番を待つのですが、その結果オーダーシートが訂正だらけになる可能性も。そのくらい興味をそそるチーズが揃っているのです。友達と相談しながら決めてシェアするのも手ですね。 冊子にはチーズの説明とともに生産者の情報を検索できるQRコードが付いていて、気になるチーズはもっと知ることだって可能です。 |
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45のチーズ工房による45種のバラエティに富んだチーズの中から好みのチーズを5種類選ぶ。 |
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セレクトに悩み抜いたチーズ5種。 |
また、イベント最終日には、この「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」で食べ比べたチーズの中から、来場者が気に入ったチーズ1つを投票し、投票の多かったチーズを選ぶ「北海道地チーズセレクション 2020」が開催され、今年は旭川あらかわ牧場チーズ工房の「和乾酪(わのチーズ)昆布だし」が、グランプリに輝きました。 |
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対象45種類のチーズの中から、NO.1に選ばれた旭川あらかわ牧場チーズ工房の「和乾酪(わのチーズ)昆布だし」 |
販売ブースには、来場の生産者がいるブースもあり、直接質問したり、他の種類のチーズを試食、購入することもできます。集まった北海道地チーズは約320種。セレクト5にはなかった希少なチーズもあり、チーズ好きにはたまりません。 |
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北海道の生産者と直接話をしながらチーズを選ぶ楽しみも。 |
ひと昔前の国産ナチュラルチーズといえばフレッシュチーズやカマンベール、ゴーダ、モッツアレラといったソフトで癖のないタイプばかりでしたが、最近は青カビや長期熟成のハード、ヨーロッパの模倣タイプではなく、昆布や味噌など日本独自の風味づけをしたタイプも登場し、ナチュラルチーズのニューウェーブと言われるのもわかります。 また原料となるミルクにこだわって、夏の放牧乳だけで作った熟成チーズや北海道のエゾ松の樹皮で巻き熟成させたモンドールのようなタイプ、熊笹で巻いたものなど、北海道ならではの土地を感じるチーズにはドキッとさせられました。これぞ世界に誇れるクオリティーとオリジナリティなんですね。 フレッシュな北海道産ワインとともにペアリングも堪能しました。 |
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個性豊かで希少な北海道地チーズの販売も。 |
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北海道産ワインは赤、白、ロゼ、スパークリングの5種類が登場。外国産ワインやビール、ソフトドリンクもあり。 |
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今回は開催期間に2月14日を挟むためバレンタインギフトにぴったりな北海道地チーズも登場。甘いものが苦手な方に、いつもと趣向を変えたものはいかが。 |
北海道地チーズがスイーツに変身!? 北海道の牧場めぐりに欠かせないもの。それはソフトクリーム。今年は北海道産ナチュラルチーズを贅沢に使った「北海道地チーズソフトクリーム」が登場しました。これ、ただのチーズソフトクリームではなく、トッピングにも北海道地チーズやドライフルーツを日替わりでかけた、ここでしか味わえないオリジナル。その場ですりおろしたチーズ工房アドナイのミモレット・アドナイをかけたソフトクリームは、ミルクの甘みとチーズの旨味が口の中で混ざり合い幸せ気分に。 |
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「北海道地チーズソフトクリーム」500円 2月13日ゴーダ(新札幌乳業 北海道小林牧場物語「カリッとゴーダ」:手前)、2月14日ドライフルーツ(小島屋「ドライフルーツ」:奥)、2月15日ミモレット(チーズ工房アドナイ「ミモレット・アドナイ」:左)、2月16日セミハードチーズ(足寄町農業協同組合 あしょろチーズ工房「大(DAI)」:右) |
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カリっとゴーダチーズ チーズのおせんべいのようなチーズを砕いてトッピングしたソフトを試食した黛さん。「ミルクの濃厚な甘い香りとチーズのちょっと爽やかな酸味がとてもよくあっている。ありそうでなかった組み合わせでトッピングの食感も楽しい。」 |
また、開催会場である表参道ヒルズの飲食店のうち7店舗ではイベントと連動して1月24日(金)から2月16日(日)の期間&数量限定で「北海道地チーズMENU」を提供しました。昨年好評だったため今年も新たなメニューで展開されたそうです。料理になった北海道地チーズ、どんな感じだったのでしょうか。来年はぜひ体験したいものです。 |
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「北海道地チーズMENU」でコラボした白子のグラタン(バール ア ヴァン パルタージェ)。北海道地チーズは2種類を使用した。 |
一軒一軒なかなか行くことのできない作り手の北海道地チーズがたくさん集まった貴重なこのイベント、来年もぜひお会いできることを願っています。 |
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