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取材・文 佐々木 千恵美 |
8月29日、今年も佐藤浩一ペストリー・ベーカー料理長率いるハイアット リージェンシー 東京のクリスマスケーキの発表会が行われました。
外はまだ残暑厳しいこの季節、シックなクリスマスデコレーションの施された会場に着くと、一年って本当に早いなあとしみじみ感じます。 そしてすぐに目に飛び込んだのが、緑のマスクメロンまるごとのケーキ! 高級フルーツ店に陳列されている堂々とした姿と、半割りになった断面に目が釘付けです。マスクメロンだけでもめったに食べられない高級品なのにその中身がケーキになっているなんて夢のよう。 |
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「ホールメロン」(直径約18cm×高さ約20cm)¥18,000(税込19,440) サンタさんものぼるのが大変なマスクメロン。カットした時のみんなの驚きが楽しみ。 |
果肉を丁寧にくり抜き、スポンジ生地と生クリームを詰め重ねたショートケーキは、チョコレートビスキュイで出来た切り株の台座に置かれた新作「ホールメロン」。 見た目と素材にこだわったという今年のテーマとホテルのクリスマスケーキにふさわしい風格です。 メロン=夏、クリスマスケーキ=いちごのショートケーキという概念をひっくり返した発想にびっくり。でもどちらも赤と緑のクリスマスカラーのひとつが入っているのだから、使わない理由はないですよね。パーティーが盛り上がること間違いなしです。 |
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マスクメロンを使い、シロップ等は打たずとも、メロンから滴る天然果汁がシロップ代わり、とてもしっとりコクのある味わいのジェノワーズに。それでいて軽い食べ心地。シャンパーニュにもぴったり。 |
新作はもうひとつあります。 今年のバレンタインで話題を集めた第4のチョコレート、ルビーチョコレートを使った「ルージュ ノエル」。 天然のピンク色と酸味を活かしたルビーチョコレートのムースに合わせる素材は桃とパイナップルのコンポートとマリアージュ フレールの「マルコポーロ ルージュ」。それにピスタチオビスキュイの層とサクサクのフィヤンティーヌが風味と食感のアクセントに。 |
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「ルージュ ノエル」(縦約10cm×横約17cm)¥4,800(税込5,184) キュートな色の甘酸っぱいルビーチョコレートに、フルーツの瑞々しさと紅茶の渋みがほどよく、バラン スの取れた美味しさです。 |
3年前に登場して以来毎年人気No.1、雪だるまが並ぶ「スノーマン」はすっかり定番となりました。
7体のスノーマンの中は、ホワイトチョコレートのムースとラズベリームース、ジュレ入り。ピスタチオクリームのマフラーのグリーンと鼻の赤が白い雪の上でかわいらしく並びます。アーモンドビスキュイのサクサク感と風味づけのライムが爽やか。どこを取り分けるか、どうやって食べようか、みんなで悩み楽しむケーキです。 |
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「スノーマン」(縦約8.5cm・横約27.5cm)¥4,800(税込5,184) 小鳥のように表情の違うスノーマンが並んだ姿は“カワイイ!”という声を浴びること間違いなし。 |
昨年好評だった「ルドルフ」が今年も登場。
クリスマスソングに出てくる赤鼻のトナカイ、それがルドルフ。日本語の歌詞に名前は出てきませんが、暗い夜道を照らすルドルフの赤鼻が先導したから、みんなの家の煙突を目指すことができたんですね。 食べるのが勿体なく思えるほどかわいいトナカイたち。中にヘーゼルナッツとチョコレートのクリームとサクサクのフィヤンティーヌが入り、チョコレートとヘーゼルナッツのハーモニーが濃厚。大人から子供まで大好きなイタリアのヌテラやクレミノを思わせるナッティでミルキーな美味しさが病みつきになります。 |
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定番中の定番といえば、そう、いちごをたっぷりと使った「クリスマスショートケーキ」。
縦8cm×横12cmと小ぶりなサイズなので、カップルや少人数の家族にもぴったり。蜂蜜入りのスポンジ生地はしっとり、なめらかな生クリームとふんだんに使ったイチゴでバランスのとれた美味しさに。 |
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焼き菓子はこれもすっかり定番、アルザスのクリスマススイーツが登場です。
クリスマスツリー発祥の地として知られるフランス東部・アルザス地方。ここでは毎年クリスマスの一ヶ月前から町の広場でクリスマスマーケットが開かれ、オーナメントやお菓子、ホットワインなどの売店が並びます。人々はクリスマスに必要な物を買い、ホットワインを片手に暖を取り仲間と語らいます。今では世界中から人々が集うクリスマスのアルザスで、昔から大切にされてきたスイーツ達。身体を温め、邪気を払うスパイス、ドライフルーツがふんだんに使われ、クリスマスシーズンにいつでも食べられる、素朴だけれど香り高いスイーツばかり。 「バニラ・キプフェル」。キプフェル=三日月型に作るのが本流ですが、ハイアット リージェンシー 東京では現代風に正方形に仕上げています。バニラ香るクッキーは、厚みはあるのにホロホロサクサク。ひとつ食べたらもうひとつと、つい手がのびる美味しさです。 ブリオッシュ生地の中にレーズンを混ぜ込み、陶器のクグロフ型で焼き、グラニュー糖を塗したパティスリーならではのリッチなお祝いの発酵菓子「クグロフ」。 洋梨をはじめ多種多様なドライフルーツとナッツ、スパイスを、少しのパン生地でつなぎ焼いた「パン・ド・ノエル」。 蜂蜜とスパイス、ライ麦をベースにした歴史ある焼き菓子「パン・ド・エピス」は、シャンパーニュ産多種花の蜂蜜をたっぷり使い、日本人の口にもあうようにしっとり仕上げたオリジナルレシピによるもの。そのまま食べるだけでなく、チーズやワイン、フォアグラと一緒に、トーストしても味の変化が楽しめます。 ドイツのクリスマス菓子「シュトレン」。洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツを練り込んだ生地は、シナモン等スパイスの香り高くホロホロの食感。クリスマスに向け、一切れずつゆっくり味の変化を楽しんでみては。 |
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また今年は特別なシュトレンも登場します。第14回キリ クリームチーズコンクール焼菓子部門の最優秀賞作となった向慶一ペストリーシェフの「Stollen ARIMA(シュトーレン アリマ)」が、ハイアット リージェンシー 東京の「ペストリーショップ」で販売されることが決定しました。
兵庫県出身の向シェフが、有馬温泉で有名な有馬に古くからある有馬山椒の粗挽きを使った球形仕立てのシュトレンです。中はクリームチーズを使ったベイクドチーズ。シュトレン生地には和素材の和三盆やドライみかんにクランベリー、レーズンを入れ、シナモンはスティックでフルーツにつけて山椒の繊細な香りを生かすようにしたそうです。フルーティな後味が特徴の有馬山椒が所々でほんのり香り、クリームチーズのコクと絶妙なバランスです。これはお酒にぴったりな予感。オーナメントボールのような形もすてきです。 |
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「Stollen ARIMA(シュトーレン アリマ)」 価格等はお問合せください。 |
焼き菓子の一部はオンラインショップでの購入も出来るので、遠方の方や贈答にもぴったり。
ケーキの予約受付は10月18日(金)から12月17日(火)まで。詳細は下記またはホテルのサイトでご確認ください。 |
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佐藤浩一 ペストリー・ベーカー料理長(左)と向慶一ペストリーシェフ(右) |
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