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取材・文 佐々木 千恵美 |
洋菓子の世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」といえば、スイーツファンなら一度は聞いたことのある権威あるコンクール。国別に3人1組でチームを組み、課題テーマに沿って会場で時間内に制作。完成した作品の見た目、味覚、技術、スピード、芸術性を競い合います。 日本チームは1989年の大会スタート以降毎回エントリーしていて、優勝2回、直近では5回連続2位という輝かしい実績を残しています。 現在、日本で活躍するトップパティシエの中には、2年に一度フランスで開催されるこの大会に出場した方が多く、若手の登竜門にもなっています。 そして2021年9月に開催された17回目の大会に出場し、2位に輝いた日本代表チームの一人が帝国ホテル 東京 ペストリー課スーシェフの赤羽目健悟氏。 |
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洋菓子の世界大会で赤羽目氏が披露したアイスケーキをアレンジした「Jardin ジャルダン」 |
世界11か国のチームが参加した今大会では「すべてのアートは自然のイミテーション」をテーマに、3人で仕上げる飴とチョコレートのピエスモンテ(大型工芸菓子)の他、個人制作のアントルメ・ショコラ(チョコレートケーキ)、アシェット・デセール(皿盛りのデザート)、アントルメ・グラッセ(アイスケーキ)の3つの部門を競いました。赤羽目氏はアントルメ・グラッセの素晴らしい作品を考案、制作されたのです。 |
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大会で制作したピエスモンテ |
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大会で赤羽目氏が制作したアントルメ・グラッセ |
作品のタイトルは「Jardin(ジャルダン)」
フランス語で「庭」を意味する「ジャルダン」は、自然が作り出す流れを表現したS字のフォルムで、フルーツを存分に味わえるアイスケーキ。 ライム風味の白いミルクアイスの中には、生の果実で作った苺のソルベ、その周りには、まるで本物と見紛うようなブルーベリーとフランボワーズをかたどったクーリー(素材をペースト状にしたもの)、ピスタチオのアイスクリーム、ジェノワーズ生地を飾り、サクサクのサブレ生地の上にのせ、上部にはキリンの網目のようなデザインを施した、エレガントで緻密な高い技術の光る作品です。 この受賞作をベースにアレンジした大胆な一皿を、日本で味わうチャンスがやってきました。 帝国ホテル 東京 本館 1 階「ランデブーラウンジ」にて、2022年2月28日(月)までの期間限定です。高い技術と表現力が求められるコンクール作品ならではの、手の込んだ作品を食べられる機会はめったにないことですからぜひ。 |
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ジャルダンにナイフをいれたところ。ライムの爽やかな風味、クーリーのみずみずしいフルーツ感が口に広がる。薄いサブレの香ばしさもアクセント。軽やかだがフルーツの余韻が続く。 |
■Jardin(ジャルダン) 概要 |
期間: 2021年12月26日(日)〜2022年2月28日(月) 場所: 本館1階「ランデブーラウンジ」 料金: 3,000円 ※ コーヒーまたは紅茶付(消費税込・サービス料別) お問い合わせ:「ランデブーラウンジ」 TEL.03-3539-8045 詳細:https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/rendezvous/plan/jardin.html *詳しくは帝国ホテル 東京のwebサイトなどをご参照ください。 ![]() 帝国ホテル 東京 公式サイト:https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/index.html Instagram:https://www.instagram.com/imperialhotel_jp_official/ |
「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2021」概要 |
「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」 (https://www.cdmp-japan.jp/)は、1989年に M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)の称号を持つガブリエル・パイアソン氏と、フランスのチョコレートメーカー ヴァローナによって設立された世界を代表する洋菓子のコンクールです。最も作品レベルの高い国際大会のひとつとして、世界大会が2年ごとにフランスで開催されています。各国の代表チームは、アントルメ・ショコラ、アシェット・デセール、アントルメ・グラッセの各部門を勝ち抜いた計3名で編成されています。
2021年は、11カ国のチームが出場。課題として設定された「すべてのアートは自然のイミテーション」をテーマに、アントルメ・ショコラ、アシェット・デセール、アントルメ・グラッセ、ピエスモンテを制作し、味・技術・スピード・芸術性を競い合いました。 |
赤羽目 健悟 氏プロフィール | ![]() |
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