取材・文 下園 昌江  


「バレンタインのショコラをホテルで選ぶ」

このシチュエーションを想像しただけで、ちょっと贅沢な気分になりますよね。
ここ数年ホテルのショコラは、作り手の個性が感じられるものが多くなりました。
特に今年は帝国ホテル東京「ガルガンチュワ」のショコラに注目!
今まで食べたことのないような素材を使ったものや、職人の技術が活かされたショコラが揃います。

正直私は今まであまり帝国ホテルのショコラを食べる機会がなかったのですが、今回バレンタインに先駆けて数多くのボンボン ショコラを試食させて頂きました。「え!?こんなチョコレートの表現もあるんだ!」と驚きの連続でした。そして「これはまだ味わったことない方には召し上がって欲しいな!」というショコラも多く、興奮気味の試食会でした。
そんな注目のショコラの中から、特にお薦めの詰め合わせをご紹介したいと思います。

美しく華やかなボンボン ショコラ


今回、帝国ホテルのショコラティエ 市川幸雄シェフにショコラのお話を伺いました。2015年11月に9種類の新作フレーバーを発表し、それを含めた16種類のボンボン ショコラを5つのテーマにあわせて詰めたボックスが登場しています。今回パッケージも新しく作ったとのことで、黒と赤で構成されたまるで漆器のような艶のあるパッケージを見せて頂きました。シックで上品ですがパッション(情熱)も感じるデザインです。ショコラだけではなく商品全体を通してショコラの持つ魅力を伝えようという意気込みを感じました。

市川幸雄シェフ


それぞれの詰め合わせにテーマがある、というのが興味深い帝国ホテルのショコラですが、まずは「エスプリ」から。エスプリとは、フランス語で「機知、才気」の意味。紅茶にジンジャーとシナモンを加えインドの「チャイ」をイメージしたものや、レモン&タイム、ライム&バジルなど、ハーブを使用した個性的なショコラが入っています。食に好奇心のある方に是非召し上がっていただきたい一箱です。
中央に並んだ3粒は厚手の書籍をイメージした形状のボンボン ショコラ。この形もユニークで「エスプリ」の名前にぴったりですよね。

エスプリ 2,700円


「アソルティ レ」は、ミルクチョコレートベースのボンボン ショコラの詰め合わせ。バナナやライチ、キャラメルなどのミルクチョコレートと相性の良い素材がそろっています。特にバナナ味の「バナーヌ」の味わいに感動。自家製のバナナコンフィチュールはねっとり濃厚な味わいながらフレッシュ感もあります。シナモン風味のガナッシュと合わせて、単純ではない奥深いバナナのボンボン ショコラに仕上がっています。

アソルティ レ 2,376円


1月26日より発売の新商品「ミニョン」は、フランス語で「可愛らしさ」という意味。和素材を使ったボンボン ショコラをベースに人気のボンボン ショコラの詰め合わせ。和素材のショコラは、抹茶のガナッシュときな粉のマジパンをあわせた「テ ヴェール」、生姜をきかせた日本酒のガナッシュと柚子が香る苺のコンフィチュールを重ねた「大吟醸」の2種類。「大吟醸」は、どこか甘酒を彷彿させるフルーティーで優しい味わいです。

そして、こちらも注目して欲しいのが3粒入っている黄色い球体のボンボン ショコラ。これは昨年の新作「クルスティアン セレアル」。なんとポップコーンをイメージしたボンボン ショコラなんです!スイートコーンのガナッシュに塩味のシリアルを合わせてホワイトチョコレートでコーティングしたもの。まったくポップコーンは使用していないのですが、口に入れると不思議とポップコーンを食べているような錯覚に陥ります。甘いトウモロコシの風味、そして程よい塩味とサクサクしたシリアルの食感が、ポップコーンをイメージさせるのです。「これはやられた!」と思う一品。まだ食べたことない方にはぜひお試しいただきたいです(こちらのクルスティアン セレアルと、クルスティアン セレアル キャラメルを組み合わせた「バル」という詰め合わせ2,268円もあります)。

ミニョン 2,916円


今まで紹介してきたボンボン ショコラとは、また違った趣向の詰め合わせが新作のボンボン ショコラ「ガトー」。
その名前の通り、ガトー(お菓子)をイメージしたボンボン ショコラです。
艶やかなしずく型のチョコレートの中はどうなっているのか?とても気になるところですよね。

ボンボン ショコラ「ガトー」は、「フレーズ」、「マロン」、「ティラミス」の3種類が揃い、それぞれショートケーキ、モンブラン、ティラミスをイメージしています。

「フレーズ」は、バニラ香るホワイトチョコレートのガナッシュ、マラスキーノ(サクランボのリキュール)で香り付けしたマジパン、セミドライの苺を混ぜた苺のコンフィチュールと組み合わせ、帝国ホテル伝統のショートケーキを表現。
「マロン」は、バニラ香るホワイトチョコレートのガナッシュとブランデー風味のマジパン、刻んだマロングラッセ入りのマロンクリームの組み合わせで、モンブランをイメージ。
「ティラミス」は、バニラ香るホワイトチョコレートガナッシュとコーヒーリキュール風味のマジパンでティラミスを表現。カカオニブのカリッとした食感をアクセントに加えています。

ショコラを食べながらも、口の中でケーキを感じるそんな素敵な詰め合わせです。

ボンボン ショコラ「ガトー」 2,592円


市川シェフはボンボン ショコラを作る際、2種類以上のクーヴェルチュールチョコレートをブレンドするそうですが、実際にブレンドする前に頭の中で「このチョコレートと、あのチョコレートを組み合わせれば、多分こういう味になるだろう」と想像するのだそうです。実際ブレンドしてみると、大体その想像通りか近いものができるそうで、その事にも驚きました。
味の複雑なチョコレートながら、きっと数えきれないほどの経験を重ねてご自分なりの基準ができているのだろうと思います。

そんな市川シェフの作るショコラの数々。
パッケージも美しく、味もバリエーションに富んでいて美味しいので、もちろん本命としてお薦めですが、個人的にはスイーツファンの皆さんには是非自分用チョコレートとしても味わって頂きたいと思います。



ボンボン ショコラ概要
 販売場所:帝国ホテル 東京 本館1階 ホテルショップ「ガルガンチュワ」
 営業時間:8:00〜20:00
 お問い合わせ:TEL.03-3539-8086(ガルガンチュワ直通)
 販売日:ミニョンのみ1月26日(火)より、その他商品は現在販売中。
 ※価格は全て消費税込みです


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