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取材・文 佐々木 千恵美 |
2021年7月27日(火)、今までにないスタイルのカフェが日本橋島屋S.C. 新館に誕生しました。エスカレーターを上がって4階、突き当りに位置する「黒澤文庫」は、たくさんの本とレトロ雑貨に囲まれた雰囲気が懐かしい、「本と珈琲とインクの匂い」を感じる文庫カフェです。 |
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都心の百貨店内に落ち着ける文庫カフェが誕生! |
ブラウンを基調とし、丸いランプが下がる入り口をくぐると、茶色いテーブルに昭和っぽい壁掛け時計や置物、ところどころに本が配置され、どこか懐かしい雰囲気。すぐに遊び心が掻き立てられます。 |
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古本屋と雑貨店とギャラリーがミックスしたようなどこか混沌とした雰囲気が面白い。 |
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壁にかけられた古時計たち。時刻はまちまちに。 |
何かが起こりそうな仕掛けは置物だけではありません。 20ページ以上におよぶイラスト付きメニューは最後まで読みたくなる、まるで一冊の本のよう。その解説は難しい内容ではなく、ひとことでやさしく語りかけてくれるもの。 |
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黒澤文庫のメニューは大きくて厚い。けれど楽しい。 |
例えばコーヒー。 見出しは、Hand Drip Coffee コーヒー 赤い枠内には大きく ‘お時間がかかります’ ミルで豆を挽いてから丁寧に一杯ずつ淹れるための時間、ゆっくり楽しんでみてはと語りかけられます。 |
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オリジナルブレンドをドリップで。 |
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一杯一杯丁寧にドリップ。他に月替わりの豆を使ったサイフォンで淹れるコーヒーもある。「珈琲農園の作業着」をイメージしたつなぎのユニフォームがクール。その日の天気や気温で色が変わるサプライズも。 |
そして頁下には、‘コーヒーミルお貸しします’ の文字。 カフェで自分の飲むコーヒーの豆を自分で挽くなんて、ちょっとわくわくしませんか? しかもミルは昔ながらの木製手回し。 一杯分ならと気楽にチャレンジしたら、想像以上に時間がかかるし力も要ります。普段は電動ミルに任せているから気づかなかったことです。 挽き終わった豆でスタッフが丁寧に落としてくれた1杯は、いつもと少し違うしあわせの味。 |
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この頁を見たら試さずにはいられない、でしょ!? |
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レトロなミルでキコキコ音と香りを楽しみながら、でも力を振り絞りながら回す。挽いた豆を見て思わず微笑みがこぼれます。 |
黒澤文庫ブレンドのコーヒー豆の種類は3つ。 グッドモーニングブレンド、アフタヌーンブレンド、ナイトブレンドで、お客様が選ぶのではなく、訪れる時間帯によって変化する香りをイメージしたブレンドを提供しています。 しかもコーヒーハンター Jose(ホセ)・川島良彰氏とのコラボレーションによるミカフェート監修によるもの。ここでしか味わえない黒澤文庫のオリジナルブレンドです。 |
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大きなお皿をソーサにして出してくれて贅沢気分。 「黒澤文庫ブレンド」 1杯 ¥660(税込) |
美味しいコーヒーと一緒にいただきたいのが、フードとスイーツ。 こちらも朝から夜までシーンにぴったりのラインナップ。 なんと朝はドリンクを頼むとトーストやサラダなどが付いた「グッドモーニングセット」が無料でいただけます。こういうサービス、懐かしく思う方もいますよね。 |
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ドリンクだけの料金でいただけるグッドモーニングセットは毎朝10時半から11時までの30分。「グットモーニングトースト」、「ハニートースト」、「月替わりチーズトースト」の3種類から選べる。 |
お昼や夕食なら、そば粉のガレットや焼きカレーはいかが? |
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店内で生地から焼き上げた「100%蕎麦粉のガレット コンプレット」 ¥990(税込) |
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卵、ソーセージ、ブロッコリー、チーズ等を入れ、オーブンで仕上げた「焼きカレー」 ¥935(税込) |
シフォンケーキや醤油を隠し味にしたオリジナルの珈琲醤油小豆ロールケーキ、コーンごとのせたソフトクリームが大胆に映えるクリームソーダ、秋田の風物詩を復活させた夏限定の「こおり水」など、懐かしくて新しい感覚のスイーツがいろいろ。こちらは迷う時間が長くなりそうです。 |
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ボリュームたっぷり「ストロベリーシフォンケーキ」 ¥638(税込) ごろんと大きな苺のコンポートの甘酸っぱさにタカナシ乳業スーパーフレッシュ生クリームとマスカルポーネのコクが癖になる。 |
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「珈琲醤油小豆ロールケーキ」 ¥440(税込) 醤油と小豆の組み合わせにコーヒーと生クリーム、スポンジ生地が懐かしい洋菓子の味かと思えば、もっちりとした食感のクレープ生地に塩気が和菓子をも連想する。 |
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本の森の小人たち? ソフトクリームをまるごとのせた「クリームソーダ」 ¥880(税込) |
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秋田を本拠地とする文庫カフェならではのメニューがこおり水。 画像は「コーヒーこおり水」 ¥825(税込) |
![]() | 「こおり水」とは昭和初期の秋田にあった老舗の夏の名物です。廃業した後にそのレシピを受け継ぎ、ふんわりきめ細かな「こおり水」を忠実に再現しました。老舗の製法をご教授頂き、少し溶け始めた貫目氷を使い、薄く削ることでふわふわとした氷の食感と、老舗伝統の優しい甘さが特徴の白滝シロップを混ぜたシロップを使い、昔懐かしい昭和の「こおり水」を復活させました! 「あずき白玉こおり水」などの定番メニューに加え「コーヒーこおり水 」「レモンこおり水」など、自家製シロップを合わせたこおり水もお楽しみいただけます。 |
セルフのカフェが主流となっている今、あえて人の手間をかけてもてなす黒澤文庫は、会計も席で行います。お店を出るまでゆったりと心解放される雰囲気を楽しんでください。 |
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テーブルにはさまざまなメッセージが。昔の喫茶店であったような、冷めてしまった飲み物の温めなおしサービスもあります。 |
イラスト付きメニューは黒澤文庫のwebサイトからも確認できます。でもきっと、お店で紙のメニューをのぞき込んでしまいますよ。 |
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オリジナル紙のブックカバー。 |
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貸本コーナーもあるので、くり返し来てしまいそう。 ※新型コロナウィルス感染拡大防止の為しばらくの間、貸本サービスは休止中。 |
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