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取材・文 佐々木 千恵美 |
フランス・パリから東京・表参道に、スターパティシエとして活躍するクリストフ・ミシャラク氏のパティスリー「MICHALAK PARIS(ミシャラク パリ)」が上陸、10月5日に「MICHALAK OMOTESANDO(ミシャラク 表参道)」としてオープンしました。 |
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ミシャラク氏のフランス国外店舗となる「MICHALAK OMOTESANDO(ミシャラク 表参道)」は神宮前交差点からすぐ、キディランドのある通り沿いにある。 |
「MICHALAK OMOTESANDO」のコンセプトは「ロック&ラグジュアリー」。常に今ではなく明日、未来のパティスリーを考え、現代のライフスタイルに寄り添った、甘さと脂肪分、粉は控えめで美味しい、かつアーティスティックでどこにもないスイーツを生み出してきたミシャラク氏。初の本国外出店である表参道店でも、スタイリッシュでわくわくする日本限定スイーツを考えてくれるなど、ここにしかない楽しみがたくさん。 |
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では一体どんなスイーツが楽しめるのか、ミシャラク氏とは? まずは簡単にご紹介しましょう。 |
Christophe Michalak(クリストフ・ミシャラク) プロフィール | ||
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プラザ・アテネ以前にはピエール・エルメ氏の元でも働いた経歴のあるミシャラク氏。だからでしょうか、パティシエは美味しいだけではなく感動するお菓子を作らなければならないというエルメ氏の哲学が、一足先に伺ったプレスお披露目会のお菓子からピピッと感じとれました。 |
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ショーケースに並んだMICHALAK OMOTESANDOのケーキたち |
どこにもない、オリジナリティを追及したというお菓子ですが、ラインナップをみていると、昔からあるフランス菓子が根本にはあり、それを自身の思う未来形に創り上げていったように思いました。 例えば「ルリジューズ RELIGIEUSE」。修道女のイメージが名前となったシュー菓子で、伝統的にはフォンダンとバタークリームでデコレーションするところを、フランス人が大好きなキャラメルクリームをたっぷり詰め、クッキーシューと美しいイエローのドレープをまとわせ、ミシャラク流ロックな見た目の修道女に仕上げられています。今にも歌い踊りだしそうですね。 |
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「ルリジューズ RELIGIEUSE」 キューブ状のファッジがトップにのったキャラメルがテーマのスイーツはプラザ・アテネ時代からのシグネチャーメニュー。 |
他に「パリブレスト PARIS BREST」、「モンブラン MONT BLANC」などストレートなネーミングのお菓子もありますが、個人的に面白い!と思ったのは、ネーミングのスペル。普通は「C」で始まる言葉を、フランス語の辞書には1〜2ページしかない「K」に換えているところ。 自分の名前を冠した真っ赤な花の形のムース、「ミシャラクモンクール MICHALAK MONKOEUR」。情熱的な‘愛(ハート)’を表す、Mon Coeur のCoeurがKoeurになっていたり、クッキーとブラウニーを組み合わせたオリジナルのハイブリッドスイーツを「クーニー KOONIES」 と名付けたり、今回の目玉、モバイルスイーツの「コスミック KOSMIK」(cosmique)も、サンダル型の「クラケット KLAKETTE」(claquettes)も、語源はCで始まる単語と思われます。 |
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「パリブレスト PARIS BREST」 フランス伝統菓子のパリブレスト。ピエモンテ産のヘーゼルナッツを使ったプラリネクリームとクルスティアンのカリカリ食感とのコントラストも楽しめます。 |
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「ミシャラクモンクール MICHALAK MONKOEUR」 プラザ・アテネ時代に生まれた「モンクール」。真っ赤なビジュアルに情熱的な愛(ハート)を感じます。ショコラ・ユズ・パッションフルーツの、甘みと酸味、ほろ苦さのバランスにノックダウン。 |
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「クラケット KLAKETTE」 ミシャラク氏の楽しかった子供の頃のバカンスの想い出を再現したサンダル型チョコレートは全部で3種類。フレーバーの違うチョコレートとトッピングのドライフルーツ、ナッツとのアンサンブルを楽しんで。 |
ロゴはイニシャル「M」を鼓動のようにデザインしたと聞いていますが、「K」はまるでミシャラク氏のしり取りのよう。フランスでは目立つ「K」をお菓子のネーミングに使うことで、オリジナリティを表現しているようで、思わずくすっと笑ってしまいました。ご本人に確認したわけではなく勝手な想像ではありますが、フランス人のユーモア、ブランドコンセプトの作り方にはとにかく感心します。
そんなオリジナリティ溢れるミシャラク 表参道のスイーツのいくつかを、もうちょっと具体的に見ていきましょう。 はじめに紹介したいのが持ち運びのできるモバイルスイーツ、「コスミック KOSMIK」。透明のジャーにムースやフルーツソース、ナッツ、チョコレートなどを重ね、何通りもある味と食感を楽しめるフレーバーは5種類。全てのテクスチャーの違いを考慮しながら、最高のコスミックにたどり着くまで3年かかったといいます。蓋をし、スプーンをつけたスタイルで、どこでもお店のデザートのようなスイーツが味わえるのはうれしいですね。小さなジャーに込められたミシャラク氏の‘宇宙’を感じてください。 |
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持ち運びの出来るモバイルスイーツ「コスミック KOSMIK」が5種類のフレーバーで登場。遊びごころ満載のスイーツには、20年前、日本で働いていた時に知ったユズを使った‘タルトユズシトロンヴェール’(右手前)、‘チーズケーキポワール’(左手前)、‘ヒステリックショコラ’(中)、フランスの定番お米のミルク粥を入れた‘リオレ’(右奥)、フルール・ド・セルがアクセントの‘キャラメルアマンド’(左奥)。 |
このコスミックをカスタマイズできるオーダーメイド版コスミック「マイコスミック MY KOSMIK」が日本限定で登場。オーダー方法はMICHALAK OMOTESANDO公式アプリから。質問に従ってその日の気分をタップすれば、アプリのAIが自動的にレシピを組み立ててくれます。ちょっと変更したいなと思ったらそれもOK。クランブル、ホイップ、フルーツ、ソース、アイス&ソルベの5つのパーツを自在に組み合わせれば、あなただけのマイコスミックが完成します。モバイルアプリでモバイルスイーツを手に入れる。レシピをアプリ上でシェアする、保存する、ミシャラク氏とつながる…これからのパティスリーを予感させる楽しみ方ですね。 |
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公式アプリのマイコスミックオーダー画面。 | 5つの質問に答えるとミシャラクAIによって今の自分にぴったりなレシピが登場。お店でオーダーを送信します。 |
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オーダーレシピに従って店内でマイコスミックが作られる。 |
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マイコスミックの一例。クランブル、ホイップ、フルーツ、ソース、アイス&ソルベ、それぞれ5種類フレーバーの中から選んだ5層で構成される。 |
パリでは今、買ったらすぐに食べられるスイーツがもてはやされているそうですが、「パブロバモナカ PAVLOVA MONAK」はまさにそんなスナッキングスイーツ。ケーキとしてもお店に並ぶミシャラクのパブロバを一回り小さくし、日本の最中の皮でサンド。ミシャラク氏が日本側とアイデアを出し合って生まれた日本限定スイーツです。 オーダーを受けてからサンドしてくれるので、口の中でパリパリ、パブロバのサクサクメレンゲとライチのクリームのエキゾチックな香りに驚きうっとり。 パブロバはニュージーランドやオーストラリア生まれのメレンゲ&クリーム菓子ですが、フランス人の手によって軽やかに洗練され、今やパリでもポピュラーなスイーツに。それが日本の最中と出会って、また世界が広がりました。東京のトレンド発信地、表参道での食べ歩きにいかが。グルテンフリースイーツとしても注目です。 |
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「パブロバモナカ PAVLOVA MONAK」は、オーダー後に米粉でできたパリパリの最中皮にパブロバを挟んでくれる。サンドイッチやバーガー感覚で、手で持ってパクっと召しあがれ。 |
日本限定スイーツをもうひとつ。ミシャラクのトレードマークでもあるロケットをモチーフにし、感動した時に大きく波打つ鼓動の波形をイメージしたMICHALAKのロゴが刻まれた「ロケットサブレ ROCKET SABLES」は、コーングリッツ、レモン皮、バニラが入り、形、食感、風味共にブランドコンセプトを体現したサブレ。パルメザンチーズたっぷりの「サブレパルメザン」と詰め合わせれば、甘い塩っぱい両方が楽しめるお土産に。 |
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「ロケットサブレ ROCKET SABLES」 ※日本限定 ザクザク、ホロホロ食感で風味豊かなサブレ。型抜きクッキーはやっぱり楽しい。 |
26席あるイートインでは、お店のスイーツの他に、ゴルゴンゾーラとブロッコリーのキッシュにサラダとビーンズを添えた「キッシュプレート」、「プレートシュクレサレ」といったメニューもあるから、何時でもミシャラク氏の「ロック&ラグジュアリー」を体感できそうです。 |
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店内に置かれたミシャラク氏著作の書籍。 ※日本での販売は現在未定です |
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トレードマークの「ロケット」デザインが目を引くクリスマス限定のブッシュ(手前)と、キノコが生える薪型ブッシュドノエル3種類〜左からキャラメルヴァニーユ、ショコラユズノワゼット、マロンカシス。 |
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オープンのために来日したミシャラク氏。20年前に来日した時から、いつか日本にお店を持ちたいと思っていたそう。 |
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