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取材・文 佐々木 千恵美 |
フランス料理をおとくに、もっと気軽に楽しんでもらいたいと、2011年からスタートした「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」が、今年も日本全国の500店以上のフランス料理店にて、9月20日(金)〜10月14日(月・祝)25日間開催されています。 もともと食事に起源をもつダイナースクラブ。期間中は会員でない方でも、どなたでもイベント特別価格のコース料理(ランチ、ディナーともに2,500円 / 5,000円 / 10,000円 のいずれか、お店による)が楽しめる、食欲、味覚の秋にふさわしい国内最大級フランス料理イベントです。 |
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フランス料理を身近に楽しんでいただくことを目的とした、このイベントには、毎年お料理のテーマが設けられますが、2024年のテーマは「スペシャリテ」。 そのお店の看板料理ともいえる、シェフが得意とする一皿=「スペシャリテ」が特別コースでいただけるなんて夢のようです。はじめてのお店でもシェフのこだわりやメッセージが込められたお料理を堪能できるチャンスがあるのは、ダイナースクラブ フランス レストランウィークならではの魅力でしょう |
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そのお店のスペシャリテが味わえるのも今年の楽しみ(イメージ) |
北海道から沖縄まで、日本各地の参加店では、その土地ならではの地元食材や和食材をフレンチの技法で取り入れたスペシャリテがあります。それは『地元食材の美味しさを紹介したい』『地元の生産農家さんを応援したい』というシェフたちの思いが詰まった一皿。食べた人に日本の食材の魅力や生産者の思いまで伝わるようなコースをぜひ堪能してみてください。キーワードは「日本の食文化を応援! トレ・ボン日本のテロワール」ですから。 |
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日本の食材、食文化を応援したコースがいただける(イメージ) |
毎年このイベントを盛り上げる日本各地から選出されるフォーカスシェフ7名が、8月27日にアンダーズ東京にて開催されたプレス発表会で紹介され、各シェフのスペシャリテが振る舞われました。 フォーカスシェフとは、「自身のコンセプトを確立し、表現していること」「地元食材や和食材の魅力を積極的に発信していること」「未来の星つきシェフ候補」などに基づき選ばれた、今年注目すべき魅力的なシェフのこと。そんなシェフたちのスタイル、推す生産者とストーリーを感じるスペシャリテたちを紹介しましょう。 |
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■スペシャリテ
![]() 道南 昆布締めユクのロティ グランヴヌールソース ※ユクとはアイヌ語でシカを意味する
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■スペシャリテ
![]() 塩谷魚店の鮮魚を使用した「レストランカシ―の "ブイヤベース"」 藤崎町産のりんごを使用した「温かい "りんごのタルト・フィーヌ"」 はやし農園産のカシスを使用した「カシスバター」 ![]() 青森市内の塩谷魚店さんから仕入れる新鮮な魚がお店の料理には欠かせないという草野シェフのブイヤベースは、醍醐味であるスープは奥深く、お魚そのものの味も堪能できます。 ※ https://francerestaurantweek.com/restaurant/94 |
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■スペシャリテ
![]() 万吉どん玉葱のムースと白烏賊、マッシュルーム ![]() 日本の四季をテーマに、様々な食材の生産者や器の作り手の方々の思いを大切にしながら、素材の持つ美味しさを一皿に表現する杉浦シェフが推す生産者は、300品種の野菜を育てる福島県郡山の鈴木農場4代目の鈴木智哉さん。食材の端材も活用し、多くの野菜を取り入れたサステナブルなメニューにも期待したいですね。 ※ https://francerestaurantweek.com/restaurant/112 |
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■スペシャリテ
![]() 鹿のパテアンクルート ブーダンノワール フォアグラ マスタードマヨネーズ ![]() 肉や魚はもちろん野菜も余すところなく根から新芽の先まで使うことを大切にしているエストニア出身のサヴィシェフ。スペシャリテの鹿肉は、冬の食材であるヨーロッパと違い、日本では一年を通して手に入るため、特に、春や秋の食材と組み合わせた鹿肉料理は、日本ならではの希少な楽しみなのだとか。 猟歴25年、鹿肉の販売歴20年の経験を持つ北海道の馬木葉(まきば)の松野穣さんの、おいしい鹿肉を提供するための探求心あふれる仕事に注目しているそうです。 ※ https://francerestaurantweek.com/restaurant/67 |
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■スペシャリテ
![]() 福井甘海老と鴨のタルタル ![]() 海の恵みと大地の恵みを一皿で表現することを心がけている高橋シェフ。今回のスペシャリテも海の甘エビと大地のカモを甘酒とバジルの香りで深い味わいに仕立ててあります。 今年の注目生産者は福井県大野市で荒島ポークを育てる安川ファームの安川さん。脂身まで甘みがある荒島ポークはだれもが満足する味わいなのだそう。 ※ https://francerestaurantweek.com/restaurant/83 |
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■スペシャリテ
![]() カニサラダ ![]() 日本の旬の食材を使用し、フランス料理の技術で表現すること。お客様一人ひとりに感動を提供する料理にこだわり、自分の技術や経験を最大限に活かしていくという山口シェフ。 今年注目の生産者は、最高の魚を仕入れる明石のつる一、鶴谷真宜さん。 カニサラダはさまざまな食感が楽しく、見た目も華やかです。 ※ https://francerestaurantweek.com/restaurant/87 |
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■スペシャリテ
![]() Bouillon de légume 薬膳×琉球 ![]() 琉球食材とフランス料理を融合させた「和琉ようさい」というテーマで新たな食体験をと仲村シェフ。今年の注目食材は宮古島の素潜り漁師、高田さんの鮮魚です。 スペシャリテは身体の中がじんわり浄化されていくようなやさしいうま味。 ※ https://francerestaurantweek.com/restaurant/91 |
今年のイベントアンバサダーは、世界的ファッションデザイナーの森 英恵さんの孫で、フランスともゆかりのあるモデルでタレントの森 泉さん。 「子供のころから、"ママ森"(祖母:森英恵さん)や家族みんなで外食に行くときはフランス料理が多かったですね。小さい時から大人と同じものを食べるという教えもありました。本当はハンバーグとか食べたいなと思ったこともあるのですが(笑)でも、今となってはフランス料理には楽しい思い出がたくさんあります」と、フランス料理との関わりを語ってくれました。 |
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イベントのコックコートを手にする森 泉さん。 |
一児の母でもある彼女は、家で食べるときは、いい素材を、その味を活かしたシンプルな味付けで食べるように心がけ、外食は美味しいフレンチを食べ、いろいろなものを味わうようにしているそう。ママ森の教えが受け継がれているのですね。
友人や大人同士だけではなく、お子様のいるご家族でも、ぜひこの機会に、さまざまなお店の様々なお料理を体験されてはいかがでしょうか? |
参加店、メニューや予約に関することなど、詳細はイベントの公式サイトをご覧ください。 |
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