ところでこのようなチョコレート祭りが、現在パリや日本ばかりではなく、世界各地で行われているのをご存知ですか? 今回は、2010年10月に訪ねたストックホルム・第8回チョコレートフェステバルの様子をご紹介します。 私がスウェーデン・ストックホルムでチョコレートフェスティバルがあることを知ったのは2007年。現地在住日本人のblogでその様子が紹介されているのに影響を受け、一人当たり年間消費量がフランスと同じくらい多いこの国のチョコレート文化や、フランスとの違いを体感したくなり、訪問を計画したのです。
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チョコレートフェスティバルの入り口看板 |
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会場である北方民族博物館に入場するためにできた朝の列。ストックホルム中央駅からトラムで10分ほどの、博物館の多く集まるユールゴーデン島にあります |
えっ、会場が博物館って!? 驚くなかれ、ストックホルムのチョコレートフェスティバルはユールゴーデン島にあるルネサンス様式建築の北方民族博物館1階・吹き抜けホールで行われます。パリのカルーゼル・ドゥ・ルーヴル会場にヨハンソン氏が影響を受けたためかはわかりませんが、博物館内で食べ物のイベントなんて、日本ではちょっと考えられないですよね。この博物館には、16世紀から現代までの食卓、衣類、家具、農具、装飾品、玩具などが展示されていて、会期中も見学できるようになっています。甘い香り漂うチョコレート祭りを楽しみつつ、スウェーデンの生活史をもう一度振り返ってみる〜これも主催者の仕掛けなのでしょうか!? |
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北方民族博物館に入場するや来場者の多さに驚く。正面ステージ奥、スウェーデン統一の王グスタフ・ヴァーサ像が歓迎 |
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優勝したのはストックホルムのショコラティエ&パティスリー・ペーオー POのパティシエRoy Fares氏。試しに会場のPOでショコラやカカオビスコッテッィ、フランボワーズ&ショコラのペースト、マカロンを買ってみたのですが、北欧らしいデザインと味覚センスでなかなかのヒット! 時間があったらお店を訪ねてみたかったほどです。(今年2月にセムラを食べに行ったお店です。) |
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‘今年のパティシエ’受賞の喜びにガッツポーズ〜Roy Fares氏 |
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プログラムは他にもピエスモンテコンクール、‘今年のプラリネ賞’、有名ショコラティエによるデモンストレーション、エクアドルのダンスショー、テイスティングセミナー、子供のためのマジパン作り教室など盛りだくさん。スウェーデンのショコラはこうやって洗練されていったのでしょうか。 |
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ステージではコンクールの他、様々なプログラムが繰り広げられます。写真はエクアドルのチョコレートで、チョコレートドリンク作りのデモンストレーション。デモの後にはお楽しみの試食もありました |
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全て立ち見のため、背の高いスウェーデン人に囲まれると、日本人としては標準より少し大きい私でも、爪先立ちしてやっと覗けるという苦しさはありますが(笑)! |
また、スウェーデンのボンボンショコラには、ガナッシュをギターカットしてコーティングするフランス式と、型に流すベルギー式の両方が見られます。それにデザインの国らしいセンスがちりばめられた、スタイリッシュかつノスタルジックな雰囲気がします。北欧特産のベリー類〜リンゴンベリーやラズベリー、クラウドベリー風味のガナッシュを詰めたものや、日本人には馴染みのない個性派スパイス〜リコリス(甘草)風味のキャラメル入りボンボンショコラは、どのお店でも大変人気があります。 リコリスのボンボンは、甘味料としても使われる甘草の根の粉末を、塩バターキャラメルに混ぜ、チョコレートでコーティングしたものがほとんど。リコリスは日本人には馴染みがなく、ちょっと薬草っぽい香りがとっつきにくいといわれています。ところが食べてびっくり! あの黒くてしょっぱくてアンモニア臭いリコリスグミを連想して避けていたのに、この粉末リコリスは別物なのです。キャラメルやチョコレートと混ざると、アニスのような不思議な甘さに、はまってしまいそう。極端に言えば、まるでタイ料理におけるパクチー(コリアンダー)! 大嫌いからある日突然中毒に逆転したときの不思議さ。事実、日本でもフィンランドからの輸入されるタブレットチョコレートの中では、リコリス入りが人気と聞きますから、食べず嫌いは損ですね。 |
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ストックホルムのチョコレートフェスティバルは、毎年10月の第二週末に行われています。今年は記念すべき10回目が、10月12〜14日に開催されました。今後、この時期にストックホルムに行かれる方はぜひチェックしてみてください。 |
★ストックホルムのチョコレート祭り(Choklad Festival)公式サイト(スウェーデン語) http://www.nordiskamuseet.se/category.asp?cat=412&catname=WWW.Chokladfestival&topmenu=142 (★英語の概略) http://www.nordiskamuseet.se/Publication.asp?publicationid=13406&topmenu=142 (★サイト内2010年のアーカイブ写真) http://www.nordiskamuseet.se/Publication.asp?publicationid=13880&cat=488&catName=WWW%2ENyhetsarkiv%5F10&topmenu=0 |