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ストックホルム中心のパン屋にはバゲット、 アルザス風ライ麦パンなどが並ぶ |
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北欧というとオープンサンドのイメージだったのに、ここにはバゲットサンドがずらり |
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B&Bの朝食。日本のコッペパンのような白いパン、ライ麦入りのフラットな長方形パンなど。スーパーで売られている袋パンは、ほとんどが予め横にスライスされています | そういうわけで、簡単にオープンサンドができてしまいます。なんて合理的! |
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ストックホルム郊外駅のホーム広告に北極圏(サーミ)の薄くて平たいソフトなパン |
この粒々感にすっかりはまってしまった私をさらに盛り上げたのが、世界最古の野外博物館・スカンセンでの伝統パン作りの実演です。広大な敷地にスウェーデン全国から移築された1700年から1900年代の建築物を利用して、昔の生活品展示や手仕事の実演が楽しめるという、ちょうど日本の沖縄琉球村にも似たテーマパークがスカンセン。場所はチョコレートフェスティバル会場の北方民族博物館と同じくユールゴーデン島にあり、ストックホルム中央駅からバスかトラムで簡単に行くことができます。風光明媚な‘北欧のヴェニス’を存分体感できるフェリーでのアクセスもおすすめ。 それではスカンセンでのパン体験をご紹介しましょう。 |
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1830年代のパン焼き実演が行われていた木造建物 |
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1830年代、サーメ人の住む北部では、大麦だけでも足りず、樹皮を石臼で何度も挽いて混ぜていたそう。大麦はコレステロールを下げる効能があるのよと、実演女性は説明してくれた |
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このパンはシレ・ライピ Sjijle-laejpie(Glödkaor)、ごつごつ面のローラーで薄くのばした後、木の枝束で穴をあけ、 | 鉄パンにのせ、薪火で両面焼きにする |
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1867年飢饉頃、スウェーデン西南部のどんぐりの粉を混ぜた薄焼きパン。長期保存できるよう、穴の部分を竿にかけ乾燥させる |
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調理ストーブの煙突壁に立てかけてある、女性の頭の上にあるのが、穴あき薄焼きパンの抜き型。その右隣はパン生地をピケする道具 |
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1910年代の南西部、鉄のオーブンでイーストを使って焼くライ麦パンも、 | やはりレシピにはアニスとフェンネル入り。 |
1910年代の実演試食は、鉄製オーブンで焼いたイーストのライ麦パン。ここでもフェンネルとアニスは欠かせないようです。保存のためか、健康への効能を期待したためか、やっぱり味のためか、何故それを使い出したかはわかりませんが・・・。 |
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1920年代の脱穀作業を実演 |
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南部スコーネ地方の農家の家では、1920年代のサワー種ライ麦パン作りを実演中 |
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サワー種ライ麦パンの材料 |
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建物の前の庭で、石窯で焼きあがったサワー種ライ麦パンの試食、バターをたっぷりのっけて! |
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古い町並みも見事に再現されたスカンセン |
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スカンセン内で実演販売するパン屋さん。シナモンロールにパールシュガーをかけたら窯へ |
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パン屋さんの売り場も古き時代を再現。右奥の竿にかかっているのが、乾燥したフラットブレッド |
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甘いパンを実演する女性が手にしているのはスパイスミル。昔のように、作るたびにカルダモンなどをすり潰すほうが香りもよいはず |
気候的に作物の育つ条件が厳しく、決して豊かではなかったけれど、知恵と工夫で乗り越え、生まれた北欧のパン。小麦だけでなく、ライ麦、大麦、オーツ麦、その他雑穀類にスパイスetc.パンの中に感じるいろんな粒は、この土地で生き抜いた歴史の粒なのかもしれない・・・。ますます、北欧のパンが好きになりました。現代北欧料理に添えられるパンにだって、そのDNAが生きているのかも!? スカンセンはパンだけでなく、ガラス細工実演、織物実演など、スウェーデンの伝統文化を知るには素晴らしい博物館だと思います。もしストックホルムに行く機会があれば、スケジュールに組み込むことをおすすめします。クリスマスシーズンには、スペシャルなプログラムがたくさんあるようですよ! |
★スカンセンのサイト http://www.skansen.se/en/ |