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スウェーデン北極圏ユッカスヤルビのパン屋で、丸い薄焼きパンを焼く女性職人(1994年)。このパンはバターをつけたり、ハムや野菜などをくるっと巻いて食べると美味しい。 |
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オーランド島にある野外博物館の薪窯でパン焼きをする女性。焼きあがったパンは販売されている。 |
スウェーデンには昔、カフェレップ Kafferepという習慣がありました。それはコーヒータイムに友人を集めて自慢のお菓子を何種類も振舞い、おしゃべりを楽しむというものです。そしてシナモンロールをはじめ、7種類のクッキーやケーキなどを何度も作るうちに、新たなレシピも生まれていったそうです。共働きが当たり前となった今、カフェレップはフィーカ Fika(コーヒーの逆さ読みが語源)というもっと気楽なコーヒーブレイクに変化し、パンやお菓子はお店で買ったりカフェで楽しんだりすることが多くなりました。豊富な種類のスウェーデン菓子は、このような習慣から女性達によって作られていったのではないでしょうか。
今回はスウェーデン本土ではありませんが、かつてはスウェーデンに所属していたオーランド島の、女性が手がける素敵なパン・ケーキ&カフェをご紹介します。 前回のサンドウイッチケーキで取り上げたヨハンナス・ヘムバクタ Johannas Hembaktaは島でも評判のパンとお菓子の店。地元の粉や素材を使い、パンやお菓子を愛情いっぱいに作っています。昔の風車小屋のある小さな村にブレツェルの看板を見つけたら、そこがヨハンナス・ヘムバクタ。かわいらしいインテリアの店内に、パンとお菓子が立体的に並べられ、食指が動きます。 |
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迷いに迷って、レモンのムースケーキとクッキーをコーヒーと共にいただきました。スポンジ生地にレモンムースの組み合わせは口当たりも軽く、夏にぴったりのさわやかな酸味。持ち帰りにしたシナモンロールやオーランド黒パンも、フルーツ入りの食事パンも、サワー種パンも、どれをとってもどんどん食べ進んでしまう。さすがに島内の食品セレクトショップ数店で取り扱いされるだけのことはあります。彼女のパンやお菓子の虜になった島民は多いでしょうね!
◆Johannas Hembakta http://www.johannashembakta.ax/index.html |
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チョコレート系もショートケーキ系も捨てがたいけれど、ここは女王様のチーズケーキDrottning-cheesecakeをチョイス。北欧ではチーズケーキはとてもポピュラー。ベリー&クリームチーズの組み合わせは鉄板。しかも土台のビスケットには、シナモンなどのスパイスが使われていて、甘い、酸っぱい、スパイシー、なめらか、香ばしいと、調和の取れたおいしさです。
このお店の店主やシェフが女性なのかはわかりませんが、私が見た限りは女性スタッフばかり。キュートな店内やあたたかいサービスから、自宅に招かれたような気分になりました。女子力を感じずにはいられません。 ◆Bagarstugan Cafe & Vin http://www.bagarstugan.ax/English.html |
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お店に入ると、店主のクリスティーナさんは丁度オーランドパンケーキのオーダーを仕上げているところでした。リネンやトレー、コーヒーのケトルから彼女の装いまで、小物ひとつひとつに雰囲気があって萌えちゃいそう! 聞けばクリスティーナさんは夏の間カフェを、冬はキルトやニットを編むクラフト作家なのだとか。だから独特のセンスを持っているのですね。ある意味、昔ながらの女性の家仕事を現代風に行っている感じです。せっかく心地よい場所なのに、この時は時間がなく、すすめられた自家製エルダーフラワードリンクが飲めなかったのが残念・・・。
◆Enebo Hantverk & Café http://www.aland.net/enebo/enebo.html 気がつけばこの島名物のスイーツ、オーランドパンケーキはどのお店も作っていますね。見かけはだいたい同じですが、味はそれぞれ微妙に違うのでしょうか? このほかにも女性の手がけるお店はたくさんあります。それはまた次の機会に! |