ゴッツェ ウォルフガング・ポール・ゴッツェ氏 | ![]() |
![]() お菓子も大分変わりました。子供の頃、ドイツで食べていたお菓子は、イーストのお菓子ね。今説明しても、誰も日本では分からないよ。本当に素朴なイーストのお菓子。50年前の話ね。 ![]() 特にスイスで印象に残っているお菓子はプラリネ。トリュフもボンボンも含めて、チョコレートを加工したお菓子をプラリネといいます。30才で日本に来て、もうずいぶん昔のことだけど、それからずっとプラリネ、作り続けています。スイスのチョコレートは世界一、今でもお店で使っているのはすべてスイスのチョコレートです。 ![]() でも、日本にいて辛いのは、日本人、ものを無駄にすることが多いこと。私は、ものも、時間も、無駄にすることはしたくない。戦争が終わったとき、無駄をしちゃいけないこと、教わりました。仕事は頭じゃなくて体で覚えました。仕事はいくらあっても恐くない。でも、無駄をたくさん出している日本人見ると心が痛みます。食べ物を作るのはちょっとそういう点が辛い。捨てる権利は私たち人間にはありません。なぜなら、物は人間が作れますが、根本の材料は作れない。もうけ、先に考えると、必ず間違います。人を喜ばせるために、美味しいものを作ること。プライドで作るお菓子は美味しいですよ。今後、自分の技やお菓子を続けてほしい。思うことはそれだけです。 取材日 1999年 |