取材・文 佐々木 千恵美  


代官山駅前の複合施設Forestgate Daikanyamaに2024年4月23日(火)、株式会社パレスホテルが手掛ける新しいパン屋さん「Et Nunc Daikanyama(エトヌンク 代官山)」がオープンします。

昨年第一期オープン時にパナデリアでも紹介したForestgate Daikanyamaは、住む人にとって毎日欠かせない食については上質なだけでなく、未来に向けての新たな試みが生まれ発信、育つ場としての役割を担う店舗が順次オープンしているところ。すでにカフェやパティスリー、ショコラティエなどがオープンし、いよいよブーランジュリーのオープンを待つ時となりました。

パナデリアが行く 「Forestgate Daikanyama」開業
 https://www.panaderia.co.jp/event_report/forestgate/index.html


「Et Nunc」はラテン語で、英語でいう and now、日本語で「そして今」という意味。日常にそっと寄り添うような、毎日食べたくなるおいしさがコンセプトの、国産小麦を使った「素材のおいしさを感じるパン」を焼き上げ提供していくとのこと。


Forestgate Daikanyama 1階に位置する「Et Nunc Daikanyama」


味の決め手となる小麦以外の、塩、バター、きび糖も国産にこだわったという「Et Nunc Daikanyama」のパンを手掛けるのは、同社運営のホテルで30年以上腕を振るうベーカリーシェフの星 敏幸さん。パナデリアでもクリスマスシーズンに毎年紹介のオリジナルシュトーレンを生み出し、驚かせてくれている方です。

クリスマス ケーキ 2023
 https://www.panaderia.co.jp/event_report/palace2023xmas/index.html


星シェフがほれ込んだ国産小麦(なんとオリジナルブレンドの小麦粉も開発されました!)や厳選の国産素材、約15年かけて育ててきた自家製酵母などを巧みに調合し、その日の温度や湿度に配慮した生地を仕上げ、店内で焼き上げられるというEt Nuncのパン。特に小麦粉は、パンによって単一品種を使ったり、ブレンドしたもので仕込んだりと、パン好きさんなら風味の違いやキャラクターが気になるところでしょう。


ここ10年の間に、おいしく、個性豊かな品種が日本各地で生まれている小麦を、日本のブーランジュリーとして生かすべく「Et Nunc Daikanyama」で使う小麦はすべて国産小麦
また酵母はいつか使う日が来ると、ベーカリーシェフが約15年かけて育てたルヴァン種やホップ種なども使ってパン作りを展開します。



どんなラインナップなのか、事前に明かされたラインナップの一部を紹介しましょう。

価格はすべて税込み

バゲット 1本 380円 シグニチャーブレッド
 小麦:さちかおり(佐賀県産)

シンプルだからこそ小麦の個性が際立つバゲット。小麦「さちかおり」は国産初のフランスパン用として作られ、風味が濃く芳醇な香りが特徴です。
パン生地を作るためのミキシングをあえて短時間に抑えて、生地に触れる回数を極力減らし、しっかりと焼き込むことで生まれる歯切れのよい食感、さちかおりならではの甘みと香りが楽しめます。


Et Nunc バゲット 1本 380円  シグニチャーブレッド
 小麦:Et Nunc オリジナルブレンド(北海道産を複数ブレンド)

挽き方までこだわった複数種の北海道産小麦を、絶妙なバランスでブレンド。ベーカリーシェフが理想の味を追求して、しっかり焼き込んで作るブランド名を冠した Et Nunc バゲットは、クラム(パンの内側)がほんのりとした黄色に。クラスト(パンの耳)含めて歯切れのよい食感で、小麦本来の甘みが口いっぱいに広がり、香りが余韻として残ります。


パン ド ミ 1斤 520円 シグニチャーブレッド
 小麦:ゆめかおり(茨城県産)

ベーカリーシェフが思い描く、毎日食べたくなるさっくりと軽い食感のパン ド ミ(食パン)に一番ぴったりの小麦が「ゆめかおり」。トーストしたときの食感を大切に、ルヴァン種とホップ種の自家製酵母を用い、生地に合わせる他の素材は、足しすぎず、引きすぎず、バランスを追求。香ばしさが出るよう限界まで焼き上げたクラストはさっくりと軽やか。トーストするとその食感をさらに楽しめます。


パン オ ルヴァン 1個 840円 シグニチャーブレッド
 小麦:はるゆたか(北海道産)

香りが立ち、香ばしさのなかに甘みもある小麦「はるゆたか」を用いて、プレーンタイプ、味噌&クルミチーズ、レーズン、ゴマなどの数種が揃うパン オ ルヴァン。パン酵母を用いず自家製酵母のルヴァン種のみで生地を仕込み、成形後に1日かけてゆっくりと発酵させ、熟成させた後、高温でしっかりと焼き込んだ、歯切れのよいクラストと水分を含んだクラムが小麦の風味を醸し出します。


クロワッサン 1個 380円
 小麦:数種のブレンドを自家配合(北海道産)

国産バターの香りとコクとともに小麦の風味もしっかりと感じるクロワッサン。
クラストとクラムの食感のバランスを意識しながら、なめらかな内層になるよう生地を幾重にも折り込み、小麦の香りが引き立つようにじっくりと焼き上げています。


チャバタあんばた 1個 380円
 小麦:キタノカオリ(北海道産)

奇跡の小麦と称される希少品種の「キタノカオリ」。自家製酵母のルヴァン種を使い、水分を多く含ませて生地を仕上げ、小麦本来のもっちりとした食感に酵母の風味を引きたたせています。
このシグニチャーのチャバタに、コクのある北海道産の発酵バターと、北海道産エリモ小豆を使ったほどよい甘さの餡子を合わせ、ほんの少し加えた国産フルール ド セル(天然海塩)をアクセントに。
チャバタとのバランスを計算し尽くしたあんバターサンドです。


「Et Nunc Daikanyama」には日本ブランドの上質な家具を配したイートインスペース もあり、そこでしかいただけないメニューも展開されます。

春野菜のタルティーヌ 1個 1,100円 (季節限定/イートインのみ)
 小麦:はるゆたか(北海道産)

スライスしたパン オ ルヴァンに、ミルクとバターでグリーンピースの甘みを引き出したペーストを塗り、グリーンアスパラガス、ブロッコリー、インゲンなど、緑の野菜を美しくトッピング。旬野菜の旨みにペーストのコクが絶妙なハーモニーを奏でます。タルティーヌの土台のパン オ ルヴァンは都度種類を変えるので、異なるパンとの組み合わせも楽しめます。
春野菜はその日の仕入れ次第で変わる場合があります。また仕入れによって価格が変動する場合があります。


絵画のように美しいタルティーヌは早く実物がいただきたいところですが、グランドオープンに先がけて、同じ敷地内のカフェ「ブルーボトルコーヒー 代官山カフェ」で提供されるブランチプレートに、「Et Nunc Daikanyama」のパン「チャバタ」が採用されています。


「ブルーボトルコーヒー 代官山カフェ」で限定販売中のブランチプレート サーモン



上記チャバタあんばたでも紹介した北海道産のキタノカオリを使った「チャバタ」。自家製酵母のルヴァン種を使い加水を高め、15時間ほど熟成させ焼き上げたチャバタは、薄く香ばしいクラストと潤いのクラムの甘さのバランスが噛むごとにクセになるおいしさ。おいしいパンとメイン、野菜たっぷりのブランチプレートと丁寧にいれられたコーヒーで、しあわせなひとときを過ごせます。

チャバタあんばたは、そのままでも食事に寄り添うのが得意なパンなんですね。
「Et Nunc Daikanyama」では、朝、昼、夜、シーン、季節によって食べたいと思うパンを 40 種ほど並べていくなど、「今」そのときにふさわしいパンをラインナップするとのこと。オープン日が待ち遠しいですね。



「Et Nunc Daikanyama」店舗情報

店名: Et Nunc Daikanyama  日本語名は「エトヌンク 代官山」。
オープン日: 2024年4月23日(火)
営業時間: 9:30〜18:30
所在地: 東京都渋谷区代官山町 20番 23号 「Forestgate Daikanyama MAIN 棟」内
電話番号: 03-5422-3604 オープン日より開通
問い合わせ先: info@etnunc.jp
Webサイト:https://etnunc.jp/
Instagram: https://www.instagram.com/etnunc.daikanyama




Panaderia TOPへ戻る