「では、さっそく、プロにお手本を見せていただきましょう」
まずは、小麦生産者の田代さんが麦踏みの実演をします。おもむろにフサフサ生えている葉の上に乗り、間隔をあけないよう1歩ずつ前へ。

「こうやって歩くように縦に進みます。昔は、背中に赤ちゃんをオンブして麦踏みをする姿を見かけたなぁ」
と、懐かしそうに目を細める田代さん。ラインに沿い、リズムよく、しなやかな足つきで踏み進んでいきます。ちなみに、畝の幅が広い場合は、横向きに移動すると良いそうです。

初めて目にする麦踏みに、感心して見とれる一同。とはいえ、初心者が葉を踏みつけてしまって、本当に大丈夫なのでしょうか・・・?


畝の幅が狭いので、つま先にかかとをつける
ようにして、一歩ずつ前へ進みます



「大丈夫、大丈夫。中にはバイクで踏む人もいるんだから」
え〜!?バイクで!!かなり乱暴な方法ですが、確かに労働時間の節約にはなりそうです。

ちなみに、踏むのにコツはいりませんが、注意したいのが履物。
ソール部分に段差があると、踏んだ際に葉が切れたり痛んだりしてしまうのです。ヒールなんてもってのほか!運動靴でも溝の大きなものは厳禁です。

一番適しているのは、なんと言っても田代さんが履いている地下足袋。靴の中に土が入らず、しかも踏んだ感触が直に伝わるからです。