フランス版バウムクーヘン"ガトー・ア・ラ・ブロシュ"を、プロのパティシエが薪火で焼くという、なんともユニークなこのイベント。なんと今年で4回目を迎えるそうで、パナデリア内でも春の恒例イベントとして定着しつつあります。 緑が気持ちのいいこの季節。おいしい空気の中で楽しむ、貴重な"ガトー・ア・ラ・ブロシュ"を体験しに、パナデリアも参加してきました!






4月25日 am 10:00過ぎ。金沢八景からゴトゴトとバスに揺られて到着したのは、おなじみの「上郷・森の家」。新緑が気持ちいいBBQ会場には、すでに今イベントのメインゲスト、「オ・プティ・マタン」武井晴峰シェフのチームと「ラ・スプランドゥール」藤川浩史シェフのチームの姿がありました。さらに、昨年同様、料理部門を担当してくれるのは「ル・ヴェルデュリエ」の小林シェフ。BBQ会場で作るからといって、甘く見てはいけません。その道のプロが、いつも以上に(!?)気合を入れて作ってくれるのが、このイベントのすごいところです!
では、改めて“ガトー・ア・ラ・ブロシュ”の作り方をおさらいしましょう。






第1回目から大活躍しているのが、これ!
「ラ・スプランドゥール」藤川シェフ考案の、割り箸製の心棒です。上(先)に行くにしたがって細くなるように丁寧に割り箸をつけ、タコ糸で縛ったこの心棒は4年を経た今もまったく壊れることなく大活躍。





心棒に丁寧にアルミホイルを巻きつけていきます。固定し、回せるようにと作られた専用台に乗せれば、準備完了!





担当するのは、もちろん藤川シェフ。心棒の上に生地を流し、グルグルと回しながら焼いていきます。




薪の火は、火力が強く、コントロールが難しい! 普段からオーブンを扱いなれているパティシエにとっても難しい作業です。炎の熱さと煙(これが強敵)にも負けない「ラ・スプランドゥール」チームの皆さん、本当に頼もしい!





追加用の生地を作るため、卵白30個分を手で立てる「ラ・スプランドゥール」チーム。とにかく、サイズが大きいので生地の量も桁違いです。
相当腕が疲れそうですが、さすがはプロ。余裕の表情です。






「オ・プティ・マタン」武井シェフはというと、何やらクレープ生地のようなものを手にしていますが・・・


じゃーん! なんと、特製のクレープシュゼットでした。特製たるゆえんは、フレッシュな苺を漬け込んでおいた自家製苺リキュール。これを贅沢に使い、たっぷりの赤いベリーとオレンジのゼストを加えた、なんともおいしそうな逸品です。武井シェフいわく、「こんなに贅沢なのはお店では出せないですね」とのこと。これは貴重です。



爽やかな柑橘の香りと、華やかなべリーの香りが重なり合い、なんとも豊かな味わい!ほどよく水分を吸ったクレープ生地はもっちりとなめらか〜。こんなにおいしいクレープは初めて経験しました。


ここにアイスクリームを添えられたら完璧なのに・・・と思っていたら、なんとアイスクリームも用意してくれていました! しかも、ヴァニラやシトロンオレンジ、キャラメルなど6種類。武井シェフ、にくいですね〜。



ドリンク類もプロが担当。久が原のワインショップ「秋庭商店」さんが、シードルやワイン各種をたっぷりと用意してきてくれました。爽やかな空気の中でいただくのは、また格別のおいしさ。飲み過ぎないように注意です。



今回はキュートなゲストも来てくれました! うさぎのタンタンちゃん、かなりの癒し系です



藤川さんが用意してきてくれたのは、マドレーヌやケークなどの焼菓子。これを串に刺し、ほんのり炙っていただきます。ふっくら感が増した生地は、風味が立ち、ほんのり香ばしい。いつもとは違う、ちょっとワイルドなおいしさでした。







武井さんの2品目はこれ。さて、いったいなんでしょう?



なんと、ベニエでした。黄色みが濃い、卵とバターたっぷりのブリオッシュ生地は、リッチな風味と軽い食感が絶品!かなりのスピードで、みんなのお腹に消えていきました。



そろそろお腹がすいてきました。
料理を担当するのは、「ル・ヴェルデュリエ」の小林シェフ。ブイヤベースやラタトゥユ、鹿のラグーパスタなど、どれもBBQ会場で食べるとは思えない本格的な味わいです。



食いしん坊のパナデリアだからといって、食べてばかりではありません。
今回は、主宰の三宅がパン生地を準備。まずは、薄く伸ばして、ピタパン風に焼き上げます。



ピタパンが成功したところで、パン屋「薫々堂」さんから借りたダッチオーブンを使ってみることに。アウトドアのプロ(本当にあらゆる分野のプロが参加しているんです!)のアドバイスを受け、蓋の上にも炭を置き上下の熱で焼き上げます。







さて、中はどうなっているのでしょうか?ドキドキの瞬間!



やったー、成功!無事、膨らんでいました。





断面もなかなかいい感じ。正直言って、屋外でもパンが焼けるなんて、ちょっとびっくりでした。電気やガスがなくても、やれば案外出来るものなんですね。





パンも直火で炙っていただきました!





BBQ場の管理人さんに教えてもらい、薪割りのお手伝いも。初めて挑戦しましたが、木がパーンッと割れる瞬間が爽快。かなり楽しい仕事でした。





ようやくひと段落した武井シェフと藤川シェフに、パンを振舞う三宅。なんだか不思議な光景です





ついに、本日のメイン"ガトー・ア・ラ・ブロシュ"が焼き上がりました!全長1mくらいはあるでしょうか。かなりの迫力です!





大きくて重いので、心棒を抜き取るのも大変な作業。3人がかりで、そっとずらしていきます。





ネグリタラムとオレンジのコニャックで香り付けしたグラスアローでお化粧。壮大な緑をバックにそびえ立つ姿は、まるで雪に覆われた山のよう。このミスマッチが素敵です。





いわゆる最近の"バウムクーヘン"とは違う、密度の高い生地。それが口の中でほどけると、バターと卵の香りがジワジワ〜と広がり、強いうまみを感じさせます。塩もしっかり効いていて、素朴ながらパンチのある味わい。薪火ならではのおいしさです!



「オ・プティ・マタン」のお店の前で記念撮影。
武井さん、藤川さん、小林さん、そして、この素晴らしい会を企画してくれた佐々木千恵美さん。
皆さん、本当にありがとうございました!



参考までに、2011年の様子はこちら
http://www.panaderia.co.jp/event_report/party_broche2011/index.html




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