その雰囲気が女性の心を掴んで離さないパリのサロン・ド・テ「ラデュレ」。その広報部長であるサフィア・ベンダリ氏と、ショコラに関する本を執筆している小椋三嘉氏のトークショーです。このふたりの関係は、古くからの友人。今回ラデュレが日本初登場のため、出品する商品を選ぶに当たり、サフィアさんが小椋さんにアドバイスを求めたそうです。
話が進むうちに、小椋さんお気に入りを詰め合わせた特別パッケージに「Laduree et Mika Ogura 」の企画が持ち上がり、ついに実現。サロン・ド・ショコラ会場中央の「ラデュレグリーン」が目を引く販売ブースで、それらは既にほぼ完売状態。パリでラデュレを訪れる日本人観光客も多く、「ラデュレが日本で食べられる!」と思うと、ついつい財布の紐が緩んでしまうのでしょう。

 こんな馴れ初め話の後に、小椋さんがサフィアさんを紹介。アパレル業界出身で、現在はラデュレの広報活動や、パッケージ、店舗ディスプレイなどデザイン関係を担当しているそうです。長身に黒いシックな装いが似合うその雰囲気から、センスの良さが伺える彼女。日本の印象を聞くと、「日本人はとてもファッショナブル。伊勢丹もとても素敵なデパートで、刺激を受けます」と笑顔で返答。どうやら既に、色々とショッピングを楽しんでいたようです。

そんな話の後に、まずラデュレの歴史を紹介。1826年にパン屋として創業したものの、後にパティスリーに転身。当時カフェは男性の社交の場であったため、マダムの「女性の社交の場を作りたい」との想いから、パリで初めてサロン・ド・テを開きます。ラデュレの哲学は、「洗練」「高品質」「女性」の三本柱。店内装飾に力を入れ、従業員の約8割が女性だそうです。また、ラデュレの特徴として注目すべきは商品のパッケージ。春夏、秋冬とシーズンごとテーマに基づいたパッケージが作られ、常時10〜12種類を用意。また、クリスチャン・ラクロワ、クロエ、ルイ・ヴィトンといったファッションブランドとのコラボレーションパッケージも作成しており、小椋さんはこれらの箱をコレクションしているそうです。

また驚いたのは、ラデュレで製造販売されるお菓子の量。一年間に作られるマカロンの量は、ミニマカロンだけで110トン。チョコレートが9.5トン。プチガトーは63万個にも上るそうです。これをパリ市内にある4店舗で販売している訳ですから、その人気度が十分伺えます。

最後には、お土産として既に完売のショコラマカロンが配られました。昨年オープンしたパリ左岸のポナパルト通り店のオープン記念に作られたこのマカロンは、クリームやマジパンを挟んだマカロンを、チョコレートでコーティングしたもの。通常のマカロンよりも割れにくいため、持ち歩きやすいことも特徴です。4種類あるフレーバーから私が頂いたのは、パッションフルーツ。パッションの酸味とミルクチョコレートの甘さが絶妙。朝からセミナー続きで空腹の胃に、じんわりとその甘さが染み渡りました。やっぱり疲れた時の甘いものは格別ですね。