ルーネベリタルトは、ルーネベリの誕生日である2月5日までの限られた期間、フィンランドのカフェやお菓子屋さんに登場する行事菓子ですが、ポルヴォーには一年中食べられるカフェがあると聞き、昨夏ポルヴォーを訪ねてみました。 ヘルシンキからポルヴォーへ行くにはバスか船になります。一時間に1〜5便あるバスを使えば1時間足らずで着いてしまうのですが、私は夏ならではのとっておき、およそ100年前に造られた船・その名もルーネベリ号(m/s J.L. Runeberg)でのんびり4時間、海からの景色を楽しみながら、古都ポルヴォーへ向かうことにしました。時間はバスの4倍以上もかかるのに、運賃も2倍強! 滞在時間の限られる日本人には不向きかもしれないけれど、水路でのアプローチは何ともドラマチック。それに私には船内カフェでのお楽しみがありました。それが、ルーネベリ号限定のルーネベリタルトです。たくさんの観光客を乗せたルーネベリ号は、ヘルシンキを午前10時に出港すると同時にカフェがオープン。喉の渇きと空腹で待ちきれない乗客が列をなしていました。人ごみの隙間からショーケースを覗くとあったあった、ありました。ピンクのアイシングで赤いジャムを囲んだルーネベリタルトが! |
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順番を待って、コーヒーと一緒に注文。趣のある船内テーブルでいただきました。
直径5cmほどのルーネベリタルトは、シロップが打ってあるようでしっとり。生地に焼きこんである米粒大のアーモンドがアクセントになっていました。欲を言えばジャムにもう少し風味があればめりはりが出るのかな。 お菓子ばかりを追っている自分をよそに、ルーネベリタルトでコーヒータイムを楽しんでいる隣のご夫婦の雰囲気が素敵でした。 |
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おっと、その前にルーネベリの家に行かなければ! 新市街にあるヨハン・ルードヴィッヒ・ルーネベリ(1804〜1877)の家閉館時刻がせまっていたからです。19世紀半ばに建てられたクリームイエローの邸宅で、彼が1877年まで家族と住んだ生活ぶりを見学することができるようになっていました。残念ながら内部は撮影禁止でしたが、奥さんのフレデリカがルーネベリタルトを焼いたであろうキッチンにはお菓子の道具などが展示されていて興味深かったです。 入口のミュージアムショップでは、ルーネベリタルトをデザインしたマグカップやトレー、ルーネベリタルトのレシピ付き専用型などが販売されています。これは買いです! 文字だけのレシピ本は英語版がなかったので断念しました。 * ルーネベリについて 愛国心あふれるフィンランドの詩人。その作品「わが祖国」はフィンランドの国歌となった。誕生日である2月5日には彼が大好きだったルーネベリタルトがフィンランド中で食べられる。 |
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レジでオーダーをするとお店のスタッフがトレーにのせて手渡してくれる。 |
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ルーネベリタルトのレシピは数多く存在するそうです。VISIT PORVOO英語サイトにもレシピの一例が載っています。ただし、パン粉は日本のパン粉とは違うビスケットクラムのようなものかと想像しています。日本のパン粉で作ってみたら脂っこい別物になってしまいました。Tee- ja kahvihuone Helmiのルーネベリタルトは、以前現地の方に教えていただいたものに近い、とてもバランスの良い味でした。いつか2月5日前に、いろいろなお店に並ぶルーネベリタルトの光景を見てみたいものです。
次回もポルヴォーの町とショコラトリーを紹介する予定です。どうぞお楽しみに。 |
◆ VISIT PORVOO(英語) http://www.visitporvoo.fi/en ◆ Tee- ja kahvihuone Helmi http://www.teehelmi.fi/tee-ja-kahvihuone-helmi/ ◆ m/s J.L. Runeberg ヘルシンキ/ポルヴォー間のクルーズ船(英語) http://www.msjlruneberg.fi/en/ ◆ 今回の内容に関連するこれまでの記事 その10 フィンランドの立春を喜ぶお菓子。2月5日はルーネベリの日! http://www.panaderia.co.jp/hokuou/010/index.html |