「あ、これは“マナラ”。12月6日のサン・ニコラの日には、マナラとショコラショーとみかんを食べるのよ。私も高校生のとき、学校で食べたなぁ」

と、Cさん。
12月にアルザスを訪れた人は、どのパティスリー、ブーランジェリーでも、ウィンドウ越しに道行く人を見つめる、この子供の形をしたパンを見たことがあるのではないでしょうか。子供を助けた聖人ニコラにちなんで、アルザスでは今もこのパンを食べる習慣が残っているのだそう。通常はシンプルなブリオッシュ生地を小さな人型にするのですが、レーズン入りの生地を使う店もあれば、目や洋服などの飾りをつけたもの、身長50cmはありそうな巨大なものなど、店によって様々です。 それにしても、なぜ一緒にみかんを食べるのでしょう??
では、簡単にサンニコラのお話しをご紹介しましょう。(細かい部分は諸説あるのでご了承ください)

〜 マナラ コレクション 〜

食べてしまうのがちょっとかわいそうな、小さいマナラ

砂糖でお化粧した、おめかしマナラ

スマートなマナラ。ちょっと宇宙人っぽい?

チョコチップ入りの生地でパイプにマフラー。
ん?マナラって子供のはずでは?


堂々たる大きさのキングマナラ。
子供というより、聖ニコラに見えてきます





ある日、森へ出かけた3人の子供が迷子になってしまいました。夜になり、やっとたどり着いた肉屋で、夕食をご馳走になった3人。ところが、その肉屋は悪い人で、なんと3人は樽に入れられ塩漬けにされてしまったのです。
それから、しばらく時がたち、聖ニコラが肉屋を通りかかりました。そして、3人の入った樽を指すと、肉屋に開けるようにと言いました。すると、樽の中から、すでに亡くなったはずの3人が次々と現れたのです!喜んだ両親は、サン・ニコラにたくさんのみかんを渡しました。
めでたし、めでたし。



そんな訳で、今もアルザスの学校では、マナラと共にみかんも欠かせないアイテムになっているようです。