ホテルの向かいにある「メゾン・フェルベール」のショーウィンドウには、ヘクセンハウスやパン・デ・ピスのツリーが飾られ、うっとりするほどの可愛らしさ。おとぎ話の舞台のような周りの雰囲気や色合いに包まれています。

ブドウ畑をバックに建ち並ぶピンクやブルーの家々

村のどこからでも見える教会の時計台。昔から変わらぬ村の姿が広がっています


とはいえ、1歩入れば物欲の世界。ずらりと並んだコンフィチュール、素朴な陶器、そしてアルザスでしか買えないアニョ-・パスカル(羊の型)に大興奮!!

先ほど少し触れましたが、ニーデルモルシュビルで1軒しかないお店。そのため、営業は朝7時からと早く、お店の中には新聞や野菜類、シャルキュトリーなども販売されています。日本中をコンフィチュールで魅了したとは思えない、まるで食料品屋さんといった飾らない雰囲気には、ちょっとギャップを覚えるほど。今日はサン・ニコラの日なので、朝早くから特製の大きなマナラを買いに来る人もたくさんいました。

ノエルでいっそう可愛らしさを増す「メゾン・フェルベール」


後の苦労も考えず、陶器、型、コンフィチュール、パン・デ・ピスにクグロフ・・・と山のような買い物を済ませたところで、ヴェロさんが登場。物欲とはまったく縁のない、天使のような水色の瞳に見つめられ、一抹の羞恥心がよぎります・・・。

そして、ヴェロさんの案内でフェルベールさんのラボへ。白衣に身を包んだフェルベールさんは、エンローバーの前でチョコレートの作業中。中には大勢のスタッフがいるのですが、やはり最終チェックはフェルベールさん自身が行っているようです。

ノエル期間だけのお菓子がたくさん並んでいました


この日はサン・ニコラの上、急に大量のチョコレートの注文が入ってしまったとのこと。チョコレートのついた白衣、肩と顔の間には電話の受話器を挟み、両手にはチョコレートと、体がいくつあっても足りない様子です。
日本人スタッフの方に伺うと、

「本当にフェルベールさんはすごいんですよ。昨日、僕たちは帰りましたけど、彼女は24時間ずっと働き詰めなんです。今日も12時まで作業する予定なんですよ」

と、フェルベールさんの偉大さを肌で感じている様子。
“私の作るお菓子でみんなに幸せを!”そんなフェルベールさんのメッセージが強く心に響きました。